第七花「色を冠する者達」
「…集まれる者だけって言ってたのに、全員いるじゃんか…」
会議室には、もう既に六人が腰掛けていた。
「あーーーーー!」
甲高い声が響く。
「紫!四年もどこ行ってたのよ!」
そう言ってきたのは橙。金木犀を率いる彼女は気高く、気も強い。ツンデレのデレなんて、見たことない。
実際、会ったのは一回だけだし。
ーー四年前。彼女はまだ中学生だった。任務で守ったのが最初だった。
その頃からライバル意識が強かったのか、私のことを追い抜かすと言っていたのを覚えている。
そう、異能の才能もあまり感じなかった中学生が、紫と呼ばれている私に。
彼女が新しい橙になったとニュースで見たときは、驚いたものだ。
「橙よ、騒がしい。もう子どもではあるまいし、少し静かにできないのか?」
橙に文句を言っているのは青。彼は紫陽花を率いている。
冷たいーーように見えるが、実際はそんなことはない。
橙が青を標的にする。
「うるさいわね!いつも一言多いのよ!」
他の色達は、ほとんど耳を塞いでいる。
ーーなるほど。私が顔を出さなくなってからは、いつものことなのか。
「紫、お久しぶりです。とりあえず座ってはどうですか?」
そんな能天気に思っていると、席に座るように促された。
その席はーーいわゆる誕生日席の位置だった。
嫌々ながらも、そこに向かう。他は空いてないので。
「戻ってきてくれてよかったです。最近は魔障の発生が増えました。…そして、危険度も」
丁寧な口調。
「んーー…私任務はサボってないよ?ただ会議に出てなかっただけ。
それに、藍がいれば大丈夫でしょ。君、強いし」
横に座り話しかけてくる男ーー藍。竜胆率いる彼は、勝利こそが全てと掲げている。
時には、犠牲を必要とする決断をするが、絶対に死者は出していない。そして、失敗も今までない。
だから国民からの信頼も高い。
そこからは近況についてを聞いていた。
そして、青と橙の言い合いにも決着がついた。
「あなた、そんなだから誤解されるのよ!」
青が黙る。追い討ちをかけるように橙が続ける。
「そういやこの前魔を片付けた後に小さい子泣かせたんだって?そんな怖い顔ばっかしてるからよ。
で、さらにそれが生中継で全国に放送?……っぷ」
クリーンヒット。青が後ろを向いた。
「あっはは!だから一番人気ないのよ!」
青が後ろを向いたことによって、他も耳から手を離していた。
「橙、その辺にしてちょうだい。話が進まないから、ね?」
赤ーー椿率いる彼女が、仲裁に入る。余裕のある大人の女性。優雅で、戦う姿が美しいことが知られている。
「そうだ!まだ続けたいのなら終わってから思う存分したらいい!」
黄ーー向日葵率いる彼も口を挟む。彼はその性格から若者からの支持が熱く、国民人気も最も高い。
「とりあえず、えーと…紫、さん?の話を聞きましょう!」
緑ーー緑桜率いる彼女は、まだ小学生。本来、七華に入るには十五歳以上でなければならない。
それに、たいていの者は高校は卒業し、七華に入るための専門学校のようなところで学んでから、試験を受けることが多い。まあ、ここにいる色で専門学校に行ったことがあるのはほとんどいないだろう。
話が逸れたが、彼女は異様だということだ。緑桜の部隊は戦闘ではなく、治療をメインとする部隊。それもあり、入ることができたのだろう。
初対面だし、あまりテレビにも出ないのでまだよくわからない。
さて、何から話せばいいのか。
六人の視線が、自然とこちらに集まる。
情報量多いですが、後で一人ずつ出てきますので、こんなんいたなーと思ってもらえたら大丈夫です。




