表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/29

第二十八花「空の始まり」

飛行機に乗る。

大統領専用の飛行機なので、少し小型だったが内装は素晴らしかった。

「まずは、中国の大統領に挨拶しないと」

そう言って、多分警備と思われる人に話しかける。

「ナイスートゥーミーチュー」

ふふん、驚いたか。私は英語は話せるのだ。

外国に行ったのがだいぶ前だったが、この前までの学校の英語の授業で思い出したのだ。

「Nice to meet you」

相手も丁寧に返してくれた。よし。

「エクスキューズミー。アイウッドゥ ……」

……あれ?大統領へ挨拶したいから案内を頼みますってどうやって言うんだっけ?

あたふたしてしまった。警備の人もどうしたのだろうという目で見てきている。

そんな時、助け舟が入った。

「Excuse me. We would like to pay my respects to the President. Could you show me to his seat?」

藍が流暢に話す。

警備の人も理解したようで、向きを変え、ついてこいと目で合図してきた。

藍が私の方を見る。

「……話せないならそう言ってくれれば」

な!?

「私外国行ったことあるよ!?」

つい大きな声が出てしまった。

「先ほどの挨拶も発音があまり良くありませんでしたよ」

……藍をジト目で睨みつける。

「私たちは日本を代表しているという認識を持ってください。ここからは私が翻訳しますので」

そう言って前を歩き出す。

「ちょっと英語が話せるからって、調子に乗って……」

ボソッと小さな声でつぶやいた。すると、

「ちなみになんですが、私は中国語もフランス語もドイツ語も話せますよ。勉強しましたので」

……え?

「戦闘以外は本当にポンコツですね…」

聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。

ただ何を言っても負け犬の遠吠えにしかならないので、何も言わなかったが。

「まあまあ、気にしないでください」

櫛川が話しかけてくる。

「私も英語しか話せませんから」

……フォローになってないぞ、櫛川。私は英語もダメだと言われたんだ。

そうして肩を落としつつ、藍の背中について行った。


中国の大統領、 テンが座っている空間は、空気が張り詰めていた。

その原因はその隣に立つ二人の護衛。

一人は弓を携えた男。立ち振る舞いから歴戦だとわかる。

もう一人は中華服を着た女。スタイルいいなーとか綺麗だなーと思って見ていると睨まれてしまった。

藍が代表して挨拶をする。

私と櫛川はその後ろに並ぶ形だ。

李は思っていたよりも明るい人物で、挨拶の途中にも笑っていたのがわかった。

何を言っているかは、さっぱりだ。

李 天の横に立っている異能を使える護衛の名前は、シン 無影ムエイ

女の方は、 蓮華レンカというそうだ。

実力は二人とも色と比べても遜色なかった。珍しいな、二人もいるとは。

色と同レベルの異能者は、各国に一人いるかどうかといったところだ。


そうして挨拶が終わったところで沈が何か言った。

挑発しているのは明らかだった。

「……どれほどのものか知らんが、信用できるのか?……と言っていますね」

藍が翻訳してくれた。

しかし、まぁ舐められたもんだ。こちとら日本からわざわざ来てやっているのに。

そう思ったが、挑発的な態度をとるわけにはいかないと思い、笑顔を見せた。

すると次の瞬間、矢が私の顔に向かって放たれた。

速い。何か異能で強化しているのだろう。しかし私には届かない。

そのまま避けるのもなんか嫌だったので、少し分からせてやることにした。

顔に到達する瞬間横に避け、矢を掴む。

そして、投げ返した。

矢は沈の頬を薄く裂き、後ろの壁に突き刺さった。

「……やるの?」

言葉は通じないが、圧をかける。華の方が身構えた。

「そこまで」「住手」

藍と李の声が重なる。

私も圧を解く。

すると、李が何か言った。

「そこまでにしてくれ、沈も多少実力を確かめたかっただけなのだ。そなた達がこちらの二人よりも格上であることは分かった。これからよろしく頼む……とのことです」

翻訳が入る。

私としても別にこれ以上広げるつもりもないので、軽く会釈する。

部屋を出る時、沈をチラッと見てみると、頬に布を当てて悔しそうな顔をしていた。

ちょっとスッキリ。

しかしまぁ、血の気が多いな。どこかの誰かを思い出させるようだ。

そう思いながら席に着き、到着まで何をしようか考える。

飛行機内では護衛の仕事は大丈夫だそうだ。

ちょっと寝よと思い、目を閉じる。

しかし眠りにつきかけた頃、妙な感じがして起きざるを得なかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ