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第二十二花「買い物」

買い物に行く日の朝。変装用の不審者装備をつけた時。

私は気づいた。あの二人って、変装するのだろうか。

…嫌な予感がする。

あと一時間で約束の時間。今さら確認はできないだろう。

二人がここに住んでいればよかったのだが、赤は一人暮らし、そして橙は親と一緒に住んでいる。

もう今考えたってしょうがない。祈っとくだけ祈っておこう。


そして今、私は服に悩んでいる。

赤はおしゃれだ。なんかもう、大人の女性としてのお手本を見ているような気分になる。

私もそうなるはずだったのだが、残念ながらなれないのだった。

橙は…わからない。彼女は学校には通ってないが、年齢的にいえば高校生。私と同じような見た目だ。

短いスカートでも履いてくるのだろうか…。

男子高校生として生活していたのが今さら悔やまれる。

さすがに横にいて恥ずかしくない格好でいたい。

前は一人だったから最初に手に取った服で行ったが、今回はそうはいかない。


…悩みに悩みすぎた結果、紫苑の部隊の制服というとんでもない奇行に走ってしまった。

手提げバッグの中にさらに折りたたみ式のバッグを入れ、準備を済ませる。


待ち合わせは華の庭の門の前。

時間はちょうど十分前。

行った先には橙が緊張した様子で待っていた。

ちょっとしたいたずら心が芽生えた。

気配を隠し、背後に近づく。

彼女は先ほどからずっと時間を気にして腕時計を何回も見ている。私に気づいていない。

「ーー天誅!」

そう言って首に手を当てる。今日は冬とはいえないくらい暖かい。しかしそれでも私の手は冷たい。

「ぎゃーーー!!」

事件性のある叫び声を上げられた。前も同じようなことがあったな。デジャブ。

「いやーー、まだまだだね。私が敵だったらもう死んでるよ?」

少し冗談っぽく言う。

すると首を手で押さえながら反論してきた。

「殺気があったら気づいているわよ!心臓に悪いわ!それに冷たい!」

文句を言っているが、同時に嬉しそうでもあった。

エ…いや、なんでもない。私と仲良くなれたと思って嬉しいのだろう。

服装を確認する。

えーっと……上は橙色のチェックになんか白っぽいモコモコの上着を着ている。

下は白のミニスカートに茶色のロングブーツ。

ザ・若者。そしておしゃれだった。

少し自分の格好に不安を覚えながらも、服を褒めた。

「似合ってるね。かわいいよ」

すると耳を真っ赤にしながら、

「当然よ!この日のために…。いや、なんでもないわ!」

なるほど、わざわざ買いに行ったのか。

「紫は……え?」

橙が言葉を止める。

…ん?やめてくれ。その気を使おうとして黙るのが一番心に効く。

その時、赤が到着した。

全身黒に深みがかった赤のロングコートを羽織っている。

おお…。思わずそんな声が出そうになった。

「二人ともいるわね!さあ、出発しましょう!」

そう言って車のドアが開けられる。

赤は自分専用の運転手がいる。…私も欲しいな。

車に乗り込んで出発する。

すると早速、

「橙ちゃん!アイボリーのボア・フェイクファーブルゾンに…中には橙色のチェック。下は白のミニスカートで靴は茶色のロングブーツ…とてもよく似合ってるわぁ〜」

「あ、赤も大人の女性って感じがしてとても似合ってるわよ!タートルネックにタイトスカート、とてもセンスがあるわ!」

「あら、ありがと〜」

私の知らない単語が飛び交ってる。そして私は話に入っていけない。

その時、運転手さんが

「最初はどちらに向かわれますか?」

とりあえず私が必要なものを買いに…と言おうとしたら、

「…とりあえず服屋に行きましょ!紫ちゃんをコーディネートしてあげないと!」

あ、やっぱりこの格好おかしかったですか。何も言わないから大丈夫なのかと思ってましたよ。

初っ端から二回刺された気分だった。

そして二人とも当然のように変装をしていない。

これは目立つなぁと思いながらも今の肩身が狭いこの状況では言えなかった。

こうして私たちは服屋へと向かった。


女性のファッションはにわかなのでおかしかったらすいません。

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