第二十一花「赤」
刀を教えていたら、
「あら?私も混ぜてもらおうかしら」
いつのまにか横に立っている赤。
「いやだよ。赤はもう十分強いでしょ。あと普通に私が苦手だから嫌だ」
ちなみに言うと、私以外の中で一番強いのは赤か藍だと思っている。
蕾の時に、しっかりと私を手こずらせたのを覚えている。…真剣は使わされたっけ。
橙もいいところまではいっているがあと一歩届いていない。
青と同等だろう。…でも私は青の能力は嫌いだ。寒いし。
黄はまぁ…別の強さがある。
「そう?残念。つれないわね」
本心なのか私をからかっているのかわからない。
「すみません、お三方。楽しく話しているところを失礼します」
藍が入ってきた。会議室以外で四人も集まるのは珍しい。
……赤はほんとに何しにきたんだ。
「紫。首脳会談には私と櫛川とあなたで行きます。二週間後に出発しますので、それまでに準備を済ませておいてくださいね」
なるほど、櫛川を連れていくのか。総監は不便になるが、日本のことも考えるとこれが最善だろう。
「了解。……また買い出し行かないとなぁ」
そう口にしてしまった。
「買い物!?いいわねぇ…。そうだわ!私もついていこうかしら!」
ええい、とんでもないことを言い出したな。
「ちょっと待った。仕事あるでしょ?一人で行くから大丈夫」
しかし赤は引き下がらなかった。
「仕事なんて…残ってるのあなただけよ?私含め他の色は仕事なんて残ってないわ。サボってないもの」
…ぐうの音も出ない。
いつのまにか藍はいなくなってる。
橙に助けを求めようとしたが、一足遅かった。
「橙ちゃんも行きたいでしょ?ここ最近ずっと頑張ってたものねぇ」
「え!?わ、私は…」
そう言ってちらちらとこちらを見てくる。
…それを言われたら断れないじゃないか。
「はぁ……。まあいいよ。息抜きは必要だしね」
こうして、赤と橙の同行が決まった。
色だって人間だ。
もちろん日本を守ることは重要だが、こうした息抜きがなくては限界が来てしまうかもしれない。
それにいつ、世界が混乱に陥るかわからないのだ。こうした機会は大事にした方がいい。
…案外、自分が普通のことをできていることに感謝している。
赤もいいところあるじゃないか。
三日後に約束をし、部屋に戻った。
しかし、三人寄れば文殊の知恵。…ではなく三色寄れば一波乱、だった。
それに、久しぶりに赤の異能を見ることとなった。




