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第十九花「再び会議」

私たちは近くの病院に移動した。

日輪以外の三人もじきに目を覚ますだろうとのことで、ひとまず安心だった。


清水と日輪はこのままここに残り、全員が動けるようになってから戻るそうだ。

それまでは青森支部で寝泊まりをし、周囲の警戒を行うそうだ。


私は櫛川を呼び、先に華の庭へと戻った。

ちなみに櫛川の用事とは、総監の付き添いだったそうだ。

四カ国首脳会談への人材派遣について、政府と話していたそうだ。


「いるよ!世界中にね!みんな優しいんだぁ、人間とは違って!だからさーー」


あの子どもの言葉を思い出す。

「世界中に」

だとしたら、会談が狙われる可能性がある。

そのことも総監に伝えないといけない。


総監室へ入る。

彼はいつも通りの位置に座っていた。

心なしか、少し疲れているようにも見える。

「……戻ったか。どうだったのじゃ?結界内は」

私はありのままを全て話した。

これ以上心の負担は増やしたくなかったが、そんなことを言っている場合ではなかった。

総監は数十秒考え込んだ。

「…そうか、知性を持った魔が…。そして徒党を組んで世界を狙っていると…」

「あと、魔のレベルが異様に高かった。魔障レベルは見直した方がいい」

あの樹氷の魔も最終的には九まで上がっていたんじゃないだろうか。

ただし、九と十には隔絶した差がある。

それを以てしても、あの子どもの魔や、世界中にいると言った彼の仲間は十を超えているだろう。

もし、レベル十を超す魔を作り出してきたら、今の人類では到底勝てない。

私はただの一個人であって、世界全てを守ることはできない。

「…わかった。もう一度政府と話し、諸外国にも情報を共有しよう。お前は色たちと今後について話してくれ」


ーー次の日

「では、全員揃ったので始めますね」

藍が仕切る。

私は総監に話したように全員に話した。


「……つまり、これから世界に厄災が訪れるということですか」

藍が最初に口を開いた。

「…たぶんそうなるね。総監には政府や諸外国に情報を発信してもらってるよ」

「四カ国首脳会談にも派遣しないといけなくなるのは、ほぼ決まりでしょう。しかしその間、日本内が手薄になってしまいます」

「私が全部倒してあげるわ!」

橙がなんか言ってる。その意気はいいが、少し釘を刺しておかないと。

「橙。こんな事は言いたくないんだけどさ」

すると、かなりびくついた。

「今のままだと負けると思うよ。…仮に勝てても、致命傷を負うかもしれない」

少し圧をかけてそう言う。

橙は少し泣きそうになりながらも、黙って耐えていた。……悪いことしたな。

「…ということは、紫ちゃん以外は死ぬ可能性があるのね」

赤は淡々とそう言った。

…まあ、そういうことだ。

「…「渾鬼」や「妖龍」はどうするつもりだ」

青がそう指摘する。

…忘れていた。はあ、問題が山積みだ。

魔の説明の時に、妖や鬼も含まれると言ったのを覚えているだろうか。

昔は、鬼や妖の全てが人間を襲っていた。

しかし明治初期、知性を持った鬼と妖が現れた。

それが「渾鬼」と「妖龍」。

自分たちが鬼と妖を統率するから、これ以上争うのはやめようという提案をしてきたのだ。

私たちはそれを承諾した。これで被害が減るからだ。

…だが、正直なところ「渾鬼」と「妖龍」が敵に回らなくてよかったと思ってる。

あれらは、別格だ。

私でも苦戦すると思う。

それらは今、京都にある二つの結界の中にそれぞれ住んでいる。

そして現代で襲ってくる鬼や妖は、逸れものだけになった。

もしそんな「渾鬼」や「妖龍」が向こう側に付いたら、どうなるか。

「じゃあ俺と青が会ってくるとしよう!そしてこちらに敵意を持たないよう説得する!」

黄がそう言った。青は「自分も?」的な反応をしていたが、言い出しっぺだから当然だ。

「じゃあ頼むよ。…くれぐれも戦わないでね」

念を押す。


その話題を最後に、一旦会議は終了となった。


「話にはいれませんでした…」

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