表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

第十四花「不穏な気配」

「一時間後に食事場へ集まってくれ!そこで明日の確認事項を行う!」

日輪が全員に聞こえるようにそう言った。

今日はもう遅く、辺りも暗いため、明日結界内に入ることとなった。

そのため、今日は麓の宿屋で一泊することとなった。

部屋に荷物を置き、少し館内を散歩する。

…温泉の匂いがする。正直入りたい気持ちでいっぱいなのだが、今は人が多い。…明日の早朝に入ろう。

散歩ついでに情報収集。ここで働いている人に最近おかしな事がなかったか聞いてみる。

「最近変わった事?そうねぇ…あまりないかしら」

ハズレ。

「うーん、結界の近くにはあまり寄らないからわからないなぁ」

ハズレ。

そんな調子が続いていた。まあ、そうか。総監も今はなんともないって言ってたし、無理がある。

と思っていたが、急に当たりを引いた。

「おかしな事?…あ、そういえば最近、夜中に小さい子の笑い声が聞こえたわ」

おっと、聞くからに怪しい。もう少し詳しくお願いすると、快く話してくれた。

「あれは確か…夜中の十二時くらいだったと思うわ。その日はお酒を飲んでいて、酔い覚ましに散歩に行ったのよ。酔っていたこともあって、気づいたら結界が見えるところまできてしまったの。慌てて引き返そうとする時に、五歳くらいの男の子の笑い声が聞こえてきたわ。不気味ねぇ」

これはかなり有益な情報だ。そんな時間に、普通の男の子が出歩くなんておかしい。

「ありがとうございました」

そう言うと、宿屋の人は慌てて答えた。

「ごめんね〜、せっかく泊まりに来てくれたのに怖がらせちゃって。でも安心して!七華の人が来てくれてるのよ。すぐに解決してくれるわ!」

私も七華なんだけどな…とか思ったが、自分は隊服を着ていないことに気がついた。

…実際、隊服の着用は義務付けられていない。

ただ、それを着ていると七華であることを一目でわかってもらえる。

勲章の証なのだ。

改めてお礼を言い、その場を後にする。

時間を見ると、もう集合の時間に近づいていた。

少し急ぎ足で食事場へ向かう。


「よし、全員揃ったな!明日の確認事項を言っていくから食べながら聞いてくれ!」

各自食べ始める。

私も食べる始めるが、マスクの下を引っ張り、少しずつ口に運んでいくので時間がかかる。

「…あの、なんで顔を隠しているのですか?」

そんなことをしていると、隣に座る椿から選出された女性が話しかけてきた。

確か名前は… 暁星美鶴あけぼしみつるだったか。

余裕のある大人という感じがする。…私と同じ、ね。

清水とかいうやつのインパクトが強過ぎて思い出すのに時間がかかってしまった。

日輪も一旦話をやめ、こちらを見ている。

「いや、普通に顔見られたくないだけだよ。…ほら、私テレビも出てないし、そういうこと」

そう言うと、納得したような、してないような微妙な顔をしていた。

本当のことを言うわけにもいかないんでね。

また食事を再開しようとすると、笑い声が聞こえてきた。

「…っ。よっぽど不細工なんだろうな…。可哀想に…っ」

そんな事を言われたら「大人」の私でも怒るよ?と思い、何か言ってやろうとしたが、日輪が話を再開させたので見送りとなった。

「明日入る結界は広いため、途中からは二人一組に別れてもらう!組み合わせは以下の通りだ!」

そう言って一枚の紙を掲げる。

…ん?私とペアのところに「清水」と言う名前があるのだが。

ちらっと日輪の方を見ると、ウインクをされた。誰得だよ。

一人だけ上手く会話できなかったことから、この組み合わせにしてくれたのだろう。余計なお世話だ。

実際、清水は一番階級が低いため、異論を言う気にはなれなかった。

当の本人はというと、「実力はしらねぇが、俺の足を引っ張るなよ!」とかほざ…ゴホン、仰られている。


不安しかない…と思いながら、その日は眠りについたのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ