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第十三花「バス内で」

時間も限られるので、とりあえずバスに乗り込み、出発する。

今回バスなのは総監の計らいだろう。

寄せ集めであまり互いを知らない状況だ。それでは連携など取れない。

今回は東京からなので、半日くらいは旅路となる。

まあ、半日くらいで変わる事があるのかと聞かれればわからないが、それでも、何もないよりはマシだろう。


私は一番前で、先ほどのおじさんの隣に座っている。

今回の隊長は彼らしい。

「申し遅れました。紫様。今回の隊長を務めます、向日葵の蕾、日輪照道ひのわてるみちと申します」

近くで大声を出されるのは苦手だ。それを伝えると了承して、物静かに話してくれるようになったのでよかった。

名前…。そういえば、橙のところの蕾達の名前を聞くの忘れてた。今度聞こう。

「この度の同行、とても力強く思います。総監殿の「予夢」…気を引き締めないと」

結界内で何が起きるのだろうか。

結界。

魔の発生が頻繁な場所に張られた、周囲の防護のための領域だ。

魔障レベルのことを覚えているだろうか。一〜十まであり、この前発生したものは三だった。

一般的に発生するのは、一から五まで。主に路茎…中堅の者がいれば片付く。

結界外での六以降の発生は、そこまで見られない。

しかし、結界内は違う。一から五までが大量に発生するところ、六以降が蔓延るところ、千差万別だ。

奥羽山脈最北の結界でそこまでレベルが高い魔の発生は聞いた事がない。だから普段は礎根の者も同行させているのだ。

「そうだ、他にも挨拶しないと」

結界のことに気を取られていたが、大事なことを忘れていた。あと四人、一緒に行動するのだ。

四年間いなかった自分がどう思われているのか知らないが、日輪の反応を見るにおそらく大丈夫だろう。

…とか思っていたが、やはりよく思わない者もいた。

四人中三人は天葉の者だった。椿、紫陽花、竜胆それぞれから選出されたらしい。

丁寧な態度だったので、気分もよく、お菓子をあげたら戸惑いを見せていた。

なんかイメージと違っていたらしいとのこと。

もっと冷たくて怖いと思っていたらしい。濡れ衣だ、濡れ衣。青じゃあるまいし。

…ずっと顔出してなかった私も悪いけど。

問題はもう一人。

「はっ!紫だかなんだか知らないが、俺の方が強え!」

とまあ、普通に挨拶もさせてくれない。

私の見た目は高校生だから、自分より年下だと思って、舐めているのだろうか。

彼の名前は清水明しみずあきら

才能があり、最初から礎根を飛ばして路茎へと昇格したらしい。天葉に行くのも時間の問題だとか。

席に戻ってから日輪が教えてくれた。なるほど、それなら自信を持つのも頷ける。

ちなみに、彼は橙の所属らしい。…どうしてあそこは突っかかってくるのが多いのか。


バスが出発して一時間。

周りの景色も見飽き、ふと後ろを見ると、四人が楽しそうに会話していた。

…やっぱ私だけ下に見られているのだろうか。

ちょっと納得がいかなかったが、私は「大人」なのでスルーしてやることにした。

隣のおじさんは寝ている。…いびきがうるさい。

仕方なく、私はイヤホンを取り出し、音楽を聴くのだった。


そんな感じで時間は過ぎ、私たちは結界の近く、八甲田山の麓の宿屋に辿り着いたのだった。






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