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第十二花「準備と顔合わせ」

私はショッピングモールに来ていた。総監から貰ったお金を握りながら。

なんだかおじいちゃんにお小遣いを貰って買い物にくる子どものようだな、とか思いながら歩いている。

実際は逆みたいなものだが…とか考えていると、周りの声が耳に入る。

「あれって…不審者?」

「いや、髪の色薄紫だぜ?芸能人かなんかじゃねぇの?」

「あんな髪の色の芸能人なんて見たことないけど…話しかけてみる?」

そう、今の私は目立つ。

さすがに仮面だと、紫だとバレて大騒ぎになること間違いなし。

だからといって帽子にサングラス、そしてマスクはまずかったか?髪の毛のことも忘れてしまっていたし。

…蓮の姿に戻らないのかって?しないよ。普通を捨てた戒めだから。

若いカップル二人組が後をつけて来ないか心配だったが、そんな事も無いようで一安心。

さっさと買って帰ろう。


さて、まずはカイロだ。

貼るタイプとポケットに入れるタイプ…うん、どっちもいるな。

ドラッグストアに入り、それぞれ五箱ずつ購入した。

店員さんは戸惑っていた。

不審者のような格好をしたやつが、カイロを大量に買っているのだ。自分でも怪しいと思う。

次は…ダウンだな。出来れば動きやすい方がいいが…暖かさを失ってしまっては困る。

良さげな値段の店に入る。

さすがに貰ったお金だ。できるだけ安く済ませたい。…妥協する気はないが。

十着くらい試しただろうか。やっと気にいるものが見つかった。

付き添ってくれた店員さんは、最初は明るく反応してくれていたが、七着目くらいから、少しずつリアクションが薄くなっていくのが見えた。

これにすると言った時の反応はとても面白かった。特にリアクションの戻り様が。


それ以外にも必要なものを揃えていった。

給湯器、手袋、カップ麺、魔法瓶の水筒…。

順調に買い進める事ができた。

ハプニングといえば…警察に職質されたことぐらいか。

紫だと言うわけにもいかず、七華の者だと証明できるものがなかったので焦ったが。


華の庭に戻り、自室で準備をする。出発は明日だ。

何も起きなければいいが…。

これがフラグだということを完全に忘れて、そんなことを考えていたのだった。


朝七時。

集合場所へと向かう。

どうやらもうすでに集まっている様だった。

既に五人いる。聞いていた人数と同じだ。

顔見知りもいないし、一番最後というのは入りづらい。

後ろから回り、一番後ろに並ぼうとしたが、案の定、呼び止められた。

「おい貴様!朝七時と集合と言ったがな、今回は紫様も同行されるのだ!もっと早く来るのが礼儀だろう!?」

場を仕切っていた人に呼び止められる。

今日来る人数を聞いていないのか…。総監はこういうミスをよくする。

ミスったな。堂々と入ればよかったのか。

今日は櫛川が急用でいないため、移動はバスとなる。

バス内で仮面をつけていたら食べられないめ、先日の不審者格好で来てしまったのだった。

櫛川の異能「瞬転」。行ったことある場所ならすぐに転移ができる。人を伴う事も可能だ。

これはこれで便利なのだが、旅感がないのが惜しい。


どうやら、完全に勘違いされているらしい。

…仕方がない。誤解を解くには仮面を見せるのが早い。

呼び止めてきた人には恥をかかせることになる。…ごめんよ。

「えっとー…私紫です。」

そう言って仮面をみんなに見せるように持つ。

全員が停止した。まだ状況を飲み込めていないらしい。

しかし、空気を割く声があたりに響いた。

「も、申し訳ございませんでしたーー!!」

綺麗なお辞儀。腰がピッタリ九十度に曲がっている。

「紫様とは知らず、ご無礼を…!」

いや、こそこそしたこっちも悪い。

「いや、私も最初から仮面つけてればよかったよ…。これは事故ってことで、ね?」

そういうと、目に涙を浮かべた。

「なんという慈悲深いお方…!このご恩は一生忘れません!」

うん、いちいち反応が大きい。これはあれだな、向日葵のところだろう。

そして、自分より大きくて歳も半ばなおじさんが自分に謙る姿は見ていられなかった。

…そんな一悶着があったが、無事出発する事ができた。


いざ、奥羽山脈の結界へ。


※本文でも説明するので、読まなくても大丈夫です。


結界についてです。

結界とは日本各所にある、魔が頻繁に発生するところを指します。

そこを結界で覆い、周囲の安全を確保しています。

しかし、結界は時間が経つにつれ脆くなるので、定期的に貼り直しをしないといけません。

今回紫達が向かうのは中の魔を減らすためです。

中の魔が多いと、結界が長持ちしないためです。


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