月が綺麗な夜には
掲載日:2026/01/18
「月が綺麗ですね」
ふと、私はそう呟いた。
今隣にいる彼女へ向けて。
「そうですね」
彼女は空を見上げ、私と同じように呟いた。
「でも、どうしたんですか。突然」
空へ向けていた視線を私へ向け直し、そう聞いてきた。
「ご存知ありませんか」
「ええ。知りませんでした」
彼女は、ふっと笑うと、
「あなたがそんな粋なこと言える人だなんて、知りませんでした」
そう、言った。
そしてその柔らかい笑顔のままで、
「これからも、ずっと、ずっと、私の隣に居続けてくれますか?」
そう、言われた。
「もちろん。どんなときでもあなたの隣に居続けますよ」
私は彼女の笑顔を真似るようにして、答えた。
「ありがとう……」
彼女の頬に涙が伝っていく。
それと同時に、私の頬にも水滴が伝っていった。
空を見上げると、遠く輝く月がよりいっそう綺麗に、美しく見えた。
ちらりと隣を見ると、彼女も空を見上げていた。
いつまでも、この月を2人で見られますように。




