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地味な部下の正体は誰にも頼ることのできなかった初恋の人でした  作者: モハチ


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第70話:本題

「それでは改めて、本題にはいろうかアレックス。」

「・・・はい。」


 思い思いに動いていたが、それがようやく収まりそれぞれが席に着いた。


(な、なんか疲れた・・。)


 ユリアナは今の時点でHPが半分くらい減った気がしていた。


「国王陛下、()()()本日は謁見の時間を作っていただきありがとうございます。本日こちらに来たのはサンドル家への対応についてです。」

「うん。その話を聞きたかったんだ。大体はヴェイユから聞いてはいるけど・・できれば直接聞きたいしね。()()()たちに。」


 当事者という言葉が出てきた時、ユリアナは自分に視線が集まったように感じた。生唾をごくりと飲み込んだ。


「そうですね・・それでは今回私たちが知った、サンドル家での出来事、それを踏まえたダスティン公爵家として考えている処罰についても報告させていただきます。」


 アレックスはスッと書類を陛下へ差し出した。それは情報屋で取得した調査票に加え、アルトとユリアナがされてきたこと、されかけたこと、領地民に対する横柄な対応、人身売買について等多々記載されていた。

 国王はその書類を手に取り読みながら感心していた。


「ふむ・・・良くまとめてくれたね。」

「はい。不正のオンパレードですよ・・。このことは王家の方でも知っていたのでは?」


 アレックスは少し詰め寄るように話した。そもそも最初から知っていたのではないかと疑っていたのだ。()()()()であれば王家も目をつけなくては、王家から調査や処罰をするべきではなかったのかと。


「うーん、そうだね。」


 国王はカーシーの方を見ながら言った。カーシーは頷いていた。


「その通りだよ。今それこそサンドル家の対応に追われ始めていた時なんだ。・・ほらカーシーがユリアナにお礼を言っていただろう?周辺貴族からもサンドル家につい手の報告が上がってきている最中だったんだ。」

「そうですか・・最近なんですね、声が上がってきていたのは。ということは今までどうにかやりくりはできていたんですね。」

「やりくりと言われれば、自領で何とか出来ていた・・くらいかな。実際の領地民の生活は全く変わらないよ。」

「それで、やりくりできなくなったから・・自分の娘と息子を売る手段に出たということですね。」


 アレックスの推測に対し、国王は頷いた。


「そういうことだ。正直私たちも驚いたよ。ユリアナさんは幼少期に死んだと思わされていたし、アルト君に至っては出生届が無かったからね。」

「そこまで徹底されていたんですか・・。」


 ユリアナはその時耳を疑った。


(え、自分は死んだものとされていたってこと?)


 バッと陛下やカーシーを見る。2人はその様子に気づいたようで話しかけてきた。


「ユリアナさん、もしかして知らなかったのかい?」

「・・・はい・・。私は、サンドル家の中では死んだものとして扱われていたということですか?」

「うーん、正直に言うと、外部の人間たちにはそう、思わされていたということが正しいのかな?君はデビュタントもしていなければ、お茶会などの社交の場にも全く来ていなかっただろう?」

「は・・はい。」

「それって貴族にとっては普通じゃないんだよ。それこそ、その場に出ていなければあなたを知らない人が増えていくことだから・・自然と君は忘れさられていく。」

「・・・」

「君のお母さんが君の次男を生んだ時もきっとそんなん感じだったのかな?あの時は精神的に病んで療養していると噂があったから、君が死んだからだどうと言われていた。君が死去したことで精神を病んだと考えたら、そりゃ君の話を出すのは当時、禁句だっただろうしね。」

「アルトは・・」

「秘密裏に生まれた子って感じかな?さすがに妊娠してたら社交界に出れないもんね。お腹出るからバレるもの。」


 ユリアナは愕然としていた。まさかそんな風に他の人たちに理解されているとは思っていなかった。自分やアルトが生きていると思われていなかったことはとてもショックだった。


「ユリアナ・・」


 アレックスが心配そうにユリアナを見つめる。ユリアナは胸に手を当て深呼吸を数回繰り返した。


「うん、大丈夫・・大丈夫。私の家族は・・アルトだけだから・・。大丈夫・・」


 正直ここまで両親に苦しめられるとは思っていなかったので、本心としては辛かった。あの時、母から言われた『金づる』という言葉は、あながち間違いではないことを知っていたのに、それが更に胸の中に重くのしかかってきたような気がしていた。


(知らないことが多かったから・・一気にここまで苦しくなるなんて思ってなかった。聞かなくては・・そして伝えなくては・・私の気持ちを、これからについてを


 ユリアナは気を取り直して陛下に向かいなおし、伝えた。


「私は大丈夫なので、どうか続けてください。」


 聞かなくてはいけないと決心できたから。

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