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地味な部下の正体は誰にも頼ることのできなかった初恋の人でした  作者: モハチ


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第5話:男たちの作戦

「ううう・・おええええ」


 晴れた、外から鳥の声が聞こえる清々しい朝、酔いつぶれていたアレックスは気分の悪さで起きた。起きたら自分のベッドの上ではあったが、昨日と同じ服で酒の匂いが体からプンプンしていた。


(気持ち悪いしなんか臭いし・・昨日どんだけ飲んだんだ俺は・・。)


 とりあえずスッキリしたいと思い、シャワーと歯磨きをし、身体から先にスッキリさせることにした。

 シャワーを浴びていると昨夜の記憶が蘇ってきた。


(やっべえ!やらかした!俺、なんということを・・マークに・・!!!)


 シャワーを頭から浴びていると顔がカーっと熱くなり、温水ではなく冷水を浴びたい気持ちになった。

 今まで自分の気持ちを、特に恋愛系の気持ちを吐露したことは無く、昨日が初めてだった。しかも12歳の青い青春みたいな初恋のことまで話してしまった・・


「くっそ!恥ずかしいわー!!!」


 シャワー室で叫んだ。

 明日からどんな顔でしていけばいいんだ!!と。



 体と頭はシャワーを浴びた後でスッキリしたはずなのに、心はどんよりしている。そう思いながら遅めの朝ご飯を食べようとしているとマークが突撃訪問をしてきた。


「やっほーアレックス!生きてる?元気?」

「・・・・・」

「ちょっと無視しないでよ。君の昨日の泥酔具合がひどいから今日わざわざ見に来てあげたのに。」

「・・・・それはどうも。」


 サンドイッチをもぐもぐ食べながら仏頂面で返答する。マークはそんな姿を見ても気にせず話し出した。


「君、ユリアナちゃんのこと好きなんでしょ?」

「ぶぶっ」

「昨日あんなに僕に教えてくれたじゃん。・・記憶なくすタイプじゃないから、覚えてるんでしょ?僕、協力するよ。」

「・・覚えてるよ。覚えているよ!ところで協力ってどんなことを?」


 昨日のことを知られていることはもうわかっていた為、アレックスは腹をくくった。『協力』という甘い言葉にアレックスは惹かれた。


(もうここまでバレてるんだから、協力してもらったほうが良いだろ・・)


「とりあえずさ、今度僕が頑張って君とユリアナさんを2人きりにしてあげれるようにするからさ。そこで少しでも話をしてみなよ!あ、もちろん急に過去の話から入るのはやめたほうが良いよ。それこそなんか粘着質な奴みたいだし!」

「・・・・(粘着質・・)・・そうだな。とりあえず何か話をしてみるよ。」


 少し落ち込んだものの、彼女と時間を作って話をしたいことは事実だったので、2つ返事でうなずいた。




 晴れた日の朝。今日は出勤日。

 アレックスは気合を入れていた。


(今日からまた出勤が始まる・・・この1週間で俺は彼女に少しでも近づいてみせる・・!)


 一方ユリアナは朝からバタバタと準備をしていた。

 弟のアルトに薬と朝食を準備し、自分の身支度を簡単に整えて家を出た。


「アルト!今日もいつも通りだと思うけど、何かあったら医者の先生に伝えるのよ!!」

「姉さん!わかったよ。気を付けて行ってきてね。」

「ありがとう。今度あなたの気になる医学書買ってくるから!」


 バタンと勢いよく外に出ていく。アルトはその姿をまぶしそうに見守っていた。



 就業開始時間ギリギリにユリアナは滑り込むようにして職場に入ってくる。


「おはようございます!」

「「おはよう」」


 はぁはぁと息は乱れているが、特にいつもと変わらない様子で席に着いた。今週は定期的に行われる孤児院の視察が入っている。視察のためピーちゃんとレントはお休みで人間のみで行くことになっている。

 視察の担当はマークだった。


 各々席について黙々と自身に当てられた仕事を始める。約1時間たったころ、マークが急に咳き込み始めた。


「ゴホンゴホン・・きついな・・なんか風邪ひいたのかもしれない・・ゴホゴホ。」

「・・大丈夫ですか?マークさん。」

「大丈夫かマーク。」

「ゴホンゴホン・・大丈夫だと思うけど・・風邪ひいているのに孤児院の視察はいけないかもしれない・・風邪を孤児院の皆にうつすといけないから・・」


 チラっとマークはアレックスを盗み見る。アレックスはごくりと唾をのみこんだ。


(まさか・・!?2人きりにさせるってそういうこと・・!?)


「通常の業務はできそうなんだけど、孤児院の視察は行きづらいな・・2人で明日行ってきてくれない?僕は明日、君たちの分までデスクワークを頑張るからさ・・」

「分かりました!マークさんはゆっくり休んでください!」


 マークの仮病は分かりやすかったが、ユリアナは仕事を変わることを快く了承した。そんな様子を見てアレックスはユリアナをだましてるという、悪い気持ちになったがグッと我慢した。


「・・・マーク、明日の仕事は変わるよ。今日は大丈夫かい?」

「今日の帰りに病院に寄るから大丈夫だよ。今日はやれます。」

「分かった。無理はしないように。」


 マークの仮病により明日は2人で孤児院視察となった。


(・・仕事もそうだけど!!明日は頑張るぞ!!)


 アレックスは心の中で自分の喝を入れた。

 その日の仕事は今までにないくらいはかどった。

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