第49話:話し合い
「お嬢様、とても素敵です!」
「ありがとうございます・・プティさん。」
ユリアナは照れながら着せてもらったワンピースを見る。今までの地味な配色とは違い、薄紫色をしたワンピースに金色の花柄が入ったところがとても綺麗だった。
「ふふ・・。誰かさんの独占欲が見えている気がしますが・・。まあいいでしょう。こんな素敵なんですからね。」
「?」
「あら・・手錠の跡がついてしまいましたね。クリームを塗っておきましょう。」
ユリアナの手首には赤く擦れた後と出血の痕がくっきりと残っていた。
「痛かったですね。早く治るようにおまじないをかけておきますから・・。」
「・・・ありがとうございます・・・。」
ユリアナはプティの気持ちがとても嬉しかった。プティが自分の傷口に触る時、心から心配してくれていることが分かった。それはユリアナが両親から欲しかった愛情に近いものであることを感じていた。
プティはユリアナの視線に気づきつつ、にこっと笑いかけた。
「そしたら行きましょうか。ご案内します。」
「はい。」
プティはユリアナの手をそっと取る。ユリアナはその手を握り返した。
「父上、色々ありがとうございました。無事戻ってきました。」
「うん、無事帰ってくると信じてたよ。お疲れさま、アレックス。」
ダスティン家の執務室でアレックスは父、ヴェイユに報告今回の報告をしていた。
「それにしても、サンドル家はすごいことになっているんだな。」
「はい。金の件でユリアナを実際にあの伯爵へ売ろうとはしていたみたいですが・・。その前に兄がユリアナに手を出そうとしていたなんて・・もし俺がもう少し遅かったらと考えると・・恐ろしくてしょうがないです。」
ヴェイユは身震いをするアレックスを見ながら話した。
「もう、サンドル家は没落させてもいいんだな・・?」
「・・そこなんですけど・・少し、ユリアナとアルトの意見を聞いてからにしようと思ってます。あいつらには慈悲を与える必要はないと思っていますが・・。」
ヴェイユは窓の外を見た。空は青く澄んでおり、鳥がのどかに飛んでいた。
「・・そうだな・・。アルト君とユリアナさんの実の家だからな。私たちだけでは決められないだろう・・。意見を聞いてみようか。」
「はい。もうすぐ、来るのではないかと思います。」
その時、ドアをノックする音が聞こえ、外から爺やの声が聞こえた。
「当主様。アルト様とユリアナ様をお通ししてもよろしいでしょうか。」
「いいよ。待ってた。」
ヴェイユの許可と共に2人が中に入ってきた。
アレックスは真剣に今後のことについて考えていたが、ユリアナの姿を見て惚れ惚れとしてしまった。
(なんて・・素敵な・・。)
ユリアナは今まで土埃にまみれていたりと、綺麗な様相はできていなかった。だが、自分の色をしたワンピースに身を包んでいるユリアナはとても綺麗で、素敵で、自分の人だという感じがして、アレックスは少しぼんやりしてしまった。
その視線にユリアナも気づいており、少し照れてしまった。だが、ダスティン家の当主の部屋ということで緊張していた為、アレックスを見ることはできなかった。
(初めて会う・・粗相のないようにしなければ・・。)
ユリアナはヴェイユに向かって挨拶とお礼を告げた。
「お初にお目にかかります。私はサンドル家の長女、ユリアナでございます。今回は弟のことや、私のことを色々助けていただき本当にありがとうございます。」
ヴェイユはにっこり笑ってユリアナを見た。
「お礼はいいよ。これまで大変だったね。アレックスから話しは色々聞いているんだ。君が無事で良かったよ。」
「・・ありがとうございます。」
ユリアナは昨日までのことを少し思い出し、目が潤んだが泣かないように気を付けた。
「今君たちを呼んだのは、これからのことについて話を聞きたかったからだ。今後のことについて話し合おう。」
ヴェイユはアルトとユリアナをソファへ座らせた。
「僕たちにも考慮してくださるのは嬉しいです。ありがとうございます。」
「・・君たちの実家だからね。それはそうさ。」
ヴェイユは話を切り出した。




