表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地味な部下の正体は誰にも頼ることのできなかった初恋の人でした  作者: モハチ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/77

第45話:怒り

人を殴る暴力的な表現があります。

「嫌だ・・やめて兄さま」


 ユリアナは涙をこらえながら心からジョージに懇願するが、ジョージは微笑みながらユリアナの頬を撫で優しく声をかけるだけだった。


「大丈夫だよ、ユリアナ。僕は今まで優しかっただろう?僕に任せて・・・。」

「いや!」


 ユリアナは自分の上に乗りかかってくる兄の腹部を蹴った。ジョージは少し痛がる様子を見せたが、表情を一変させユリアナの胸元の服を掴んで怒鳴りつけた。


「ぐっ・・・クソ!ユリアナぁ!いい加減にしろ!」

「ひっ」

 

 ビリっと音を立て、ユリアナのワンピースを上から下へと破り、ユリアナの肌着が露わになる。


(こ・・怖い・・どうしたらいいの・・怖い・・もうこれで私は・・)


 ユリアナの身体は震え、こらえていた涙が一筋流れ落ちた。

 服を破られた。もう終わりかもしれない。さっきジョージを蹴った足の上に全体重をかけられてしまいもう動かすことができない。何も抵抗ができなくなってしまった。


「・・観念した?さあ・・僕に身を任せて・・」


(嫌だ嫌だ嫌だ・・!!私は・・)


 だんだん自分の顔に近づいてくる、身体を触ってくるジョージに嫌悪感を覚えていた。ユリアナの脳裏にはずっと()がいた。


(助けて助けて助けて・・)


「助けて!アレックス!!!」


 ユリアナは大声で叫んだ。


 ガシャーンと大きな音を立て窓ガラスが割れた。それと同時に1人の影が中に入ってきた。

 その後にも続けて何人かの騎士たちが中に入ってくる。


「ユリアナ!!!」

「・・・・!アレックス!!」


 窓から入ってきた男はユリアナがずっと心の支えにしていた、先ほど名前を叫んだ男、アレックスだった。

 アレックスはユリアナを見てホッとした様子だった。だが、手首を手錠でベッドに繋がれ、着ているワンピースが胸元を中心にへそのあたりまで破られ、男がユリアナの上に乗って今にも襲い掛かろうとしているところを見て頭に血がカッと昇った。


 アレックスが乱入してきた時、ジョージは混乱していた。後もう少しでユリアナを完全に手に入れることができると思っていたのに、急に誰か知らない男が乱入してきたことを理解できないでいた。


「は・・誰だお前・・」


 ジョージが吐き捨てる様に言った瞬間、ジョージの頬にアレックスの拳が食い込んだ。


「ぐはっ」


 ジョージが口の中が切れ、血を吐きベッドから落ちて倒れた。アレックスは追いかけ腹部を殴る。


「ぐぅ!・・や、やめ・・!おい!お前ら助けろ!」


 ジョージはアレックスに殴るのをやめるよう懇願するがアレックスは手を止めなかった。ジョージの部下はアレックスを止めようと室内に入ってきたが、騎士たちに倒され床に伸びていた。

 その姿を見たジョージは泣き始めた。


「くうなんな・・ぐっ!」

「・・・」


 アレックスは無言で一方的にジョージを殴り続けていた。

 その姿を見ていたユリアナは、最初はアレックスが助けに来てくれたことで安心していたが、ジョージを殴り殺してしまうのではないかと心配になった。無言で、ずっと殴り続けるアレックスが少し怖くもなってきていた。


「・・・アレックス・・・」

「・・・・」 

「げほっ・・」


 ユリアナがアレックスに声をかけるが、アレックスはずっと無言、真顔でジョージを殴る。

 ユリアナは声を張り上げ、アレックスを呼んだ。


「アレックス!!!」

「っ!」


 怒りで我を失っていたアレックスは、自分の名前を呼ぶ声に反応しユリアナを見た。ユリアナは自分を視界に入れてくれたことで少し安心した。


「アレックス、もうやめて・・。死んでしまうわ・・。」

「あ・・本当だ・・。」


 アレックスは自分の下に倒れて、顔が腫れてしまったジョージを見て呟いた。

 ゆっくり立ち上がり、ユリアナに近づく。手錠は鉄でできており、鍵がないと外れないようになっていた為、ベッドヘッドの方を壊した。


「ユリアナ・・無事か・・?」

「アレックス・・。はい・・無事です。」


 アレックスはそっとユリアナの頬を撫でながら尋ねる。その質問に涙を流しながらユリアナは頷いた。


「助けるの、遅くなってごめんね・・。」

「・・・怖かったです・・アレックス・・!!私こそごめんなさい!」


 ユリアナは声をあげて泣き始めた。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ