仕事始め
今日は1月4日。
今年初めてのダンジョン探索の日だ。
車を運転すること40分ほど。草原の丘ダンジョンギルドに到着した。
ギルドの中に入り、受付の人に〈ギルドカード〉を提示して、ゲートを通って12階層に移動した。
「今日は仕事始めのダンジョンだな」
「そうね。仕事始めのダンジョンだから、普段よりも警戒して進まないとねダメね」
「そうだね〜。銃翔はウキウキが隠せてないけどね〜」
「ほんまそれやな! ダンジョンに近づいて行くにつれて、ウキウキした表情が隠せなくなってたもんな!」
「えっ? そんなに顔に出てたか?」
ダンジョン探索を楽しみだったのが隠しきれなかったみたいだ。
「「「誰が見ても分かるぐらいには」」」
「まじかぁ! 俺にはポーカーフェイスができないみたいだな」
「「「「あはははっ」」」」
4人で顔を合わせて笑った。
「よしっ、じゃあ13階層のゲートを探しに行こうか!」
「「「うん!」」」
優聖、巫咲、空衣里が返事をしてくれてから、ゲートの結界を出て探索を始めた。
探索を始めてすぐに魔物の見つけた。モンスターに近づいて行くと、シルエットがしっかりと見えてきた。
「仕事始めのモンスターは……オークだ」
「一番初めのモンスターがオークって……なんか嫌ね」
「だよな。オークの印象は悪いからなぁ」
「そう言いながらも楽しそうな顔になってるよ〜」
「やっぱり隠せないか。オークは嫌な印象が強いけど、実力はあるから戦ってて楽しいんだよなぁ」
「ふふっ、ジウらしいなぁ! モンスターと戦ってる時、凄い楽しそうやもんな!」
「戦ってる時のヒリヒリ感がいいんだよなぁ。ということで、行ってくるわ!」
「「「行ってらっしゃい」」」
3人が見送ってくれ、俺はオーク5体に向かって走った。
走って向かってる俺に気づいたオークが『フゴォォオオオ』と雄叫びを上げながら突っ込んできた。
「【斬昇刃】」
先頭に居たオークとぶつかり合う瞬間に、左側にステップをして【斬昇刃】で斬れ味を上昇させた〈緑聖〉で、オークの右脇腹を斬り裂いた。斬り裂かれたオークは苦痛の声を上げていた。
そのまま後ろに居たオーク4体も、攻撃を避けながら太ももや腕などを斬り裂いていった。が、1度の斬撃で致命傷にはならなかったから、何度も斬りつけてオーク5体を倒した。
「「「お疲れ様」」」
駆け寄ってきてくれた優聖、巫咲、空衣里が労いの言葉をくれた。
「おう、ありがとな」
倒したオークは空衣里が〈空間収納〉に仕舞ってくれた。
そのあとも探索を続けたが、13階層のゲートと出会うことはなかった。が、武器持ちのゴブリンやオークたちと戦えたから満足だ。
今日の探索を終え、ギルドの解体屋にオークを渡して肉を貰って帰った。オークの肉はトンカツにして食べた。
◇
翌日、俺たちは草原の丘ダンジョンの12階層に居た。
「今日こそ13階層のゲート見つけるぞ!」
「「「おー」」」
最近ノリよく返事をしてくれるようになってきた。
探索を始めてから1時間ほどで、13階層のゲートを見つけることができた。見つかる時はすぐ見つかるな。
そのあと探索を続けたが、新しいモンスターも14階層へのゲートも見つからなかった。
新しいモンスターを見つけたのは、2週間後に到着した18階層でだった。
18階層で見つけることができた新しいモンスターは、体長が5メートルほどの四足歩行で、どデカい角を持ったモンスターだった。そいつの名前はライナースレス。名前と見た目の通り、サイだ。
優聖、巫咲、空衣里といつもより距離を取って戦うために、全力で走ってライナースレスに近づいた。
俺に気づいたライナースレスが、頭を少し下げ角を俺に向けるように構えて、地面を蹴り始めた。
準備が完了したのか、ライナースレスが俺に突撃してきた。すごい速さだ!
身体のデカさもあるため、転がるように横に飛んで避けた。避けてすぐに立ち上がり、〈黒魔〉と〈緑聖〉をホルスターから引き抜き、ライナースレスに向けて速射した。が、全て弾き返された。
再度ライナースレスが突撃してきたから、また転がるように横に避けた。すぐに立ち上がり〈黒魔〉と〈緑聖〉をライナースレスに向けた。
「【無限魔弾装填 貫通弾】」
ライナースレスが俺の方に顔を向けた瞬間を狙って引き金を引いた。
多めに魔力を込めたから、弾き返されることなくライナースレスの頭を貫通した。
ライナースレスはバタリと倒れ動かなくなった。複数で居なくてよかった。複数で居たならもう少し苦戦しただろうな。
19階層のゲートを探して探索を続けたが、見つからなかった。19階層を見つけたのは、それから2日後。さらに20階層を見つけたのは6日後。ボスゲートをみつけられたのは、それから3日後だった。




