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並行世界の俺に俺が憑依する  作者: 緑黒猫


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28/30

夢が叶う日

 俺は今、鉄冶さんの鍛冶屋の前に居る。

 ついに、ついに、ついに……念願の俺の、俺だけの双銃剣が手に入る! めっちゃ嬉しい!


「銃翔、凄く嬉しそうね。顔が凄いニヤニヤしてるわよ?」

 巫咲に指摘されて、自分が感情を隠し切れていない事に気づいた。

 

「嘘だろ? 顔に出てたか?」

 自分では、完璧に隠せてると思っていた。


「誰が見ても嬉しいことがあったんだねって、分かるぐらいには出てたわ」

 微笑みながら、巫咲が教えてくれた。


「まじかよ!」

 誰でも分かるぐらいに顔に出てたとは思わなかった。


「ふふっ〜、それほど楽しみだったって事だね〜。銃翔が嬉しそうで、わたしも嬉しくなっちゃうよ〜」

 自分のことのように、優聖が喜んでくれていた。


「私も嬉しく感じてるわよ」

 巫咲も張り合うように言ってきた。


「ははっ。2人ともありがとな……じゃあ、入ろうか」

 優聖も巫咲も可愛いやつだ。


「「うん」」

 佳織さんとの約束を守り、2人を連れて鍛冶屋に入った。


「おはようございまーす」

 

「「おはようございます」」

 鍛冶屋に入り、受付に居た佳織さんにあいさつした。


「おはよう、いらっしゃい」

 俺たちの目を見ながら、佳織さんはあいさつを返してくれた。


「約束通り、彼女の2人を連れて来ましたよ」


「初めまして、巫咲です」


「初めまして、優聖です」


「初めまして、佳織よ。2人とも可愛いわね……銃翔くん、やるねぇ」


「でしょでしょ。優聖も巫咲もめっちゃ可愛いんですよ」

 俺の言葉に2人は顔を紅くして照れていた。


「あらっ、惚気けて返されたわ。それだけ2人のことが好きなのね。じゃあ、銃翔くん。鉄くんが待ってるから行ってらっしゃい。2人と女子トークしてるから、ゆっくりしてなさい」

 俺が惚気けて返すとは思っていなかったのか、少し驚いた様子だった。


「わかりました、ありがとうございます。2人とも悪いけど待っててくれ」

 佳織さんは俺が気を使わないように見送ってくれた。


「念願が叶ったんだから、気にしないでいいわよ」


「そうだよ〜。わたしたちも佳織さんと話をして待ってるから、大丈夫よ〜」


「わかった、ありがとう」

 2人と分かれ、鍛冶場に居る鉄冶さんの元に向かった。


 鍛冶場に入ると、座っている前にあるテーブルの上に、高級な木箱を置いて鉄冶さんが待っていた。


「おう、銃翔。やっと来たか、座れ」


「鉄冶さん、おはようございます。わかりました」


「分かってると思うが、この木箱の中に銃翔専用の双銃剣が入っている」

 鉄冶さんが、木箱を俺の方に移動させながら告げてきた。


「っ、この中に……あるんですね」

 この木箱の中に待ちに待った、念願の、俺専用の……双銃剣が入っているのか!


「そうだ。開けてみろ」

 鉄冶さんが木箱の蓋を開けるように促してきた。


「っ……はい」

 俺は息を呑みながら木箱の蓋に手をかけた。

 この蓋を開ければ、夢に見た双銃剣が俺のものになる。


 ワクワクしていた気持ちが、いつの間にかドキドキに変わっていた。


 五月蝿く感じるほど、自分の心臓が脈打つ音が聞こえる。

 

 深呼吸をして気持ちを落ち着かせてから、木箱の蓋を持ち上げた。


「こ、これが、俺の双銃剣…………。鉄冶さん、めちゃくちゃカッコイイです、最高です!」

 銃身上部が向かい合うように、双銃剣が逆ハの字で木箱の中に入っていた。

 俺が思い描いていたデザインより、さらに何倍ものカッコ良さを放っていた。


 二挺の銃剣のスペックは全長が60センチほど。

 50口径で装填数が5発のリボルバータイプ。

 銃身の周りが長方形の形状。

 銃身の下部に分厚い刃が付いていて、刃は銃口から20センチほど前の切先から用心金まで続いてる。


 二挺の銃剣の違いは色合いだけだ。

 1本の銃剣の刃と弾倉が緑色で他が黒色。もう1本は逆の色合いになっている。


「ありがとよ。だが、見た目だけじゃなく、性能も最高にしてるから期待しときな。それと、この二挺の銃剣だが……名付きだ」

 鉄冶さんの口から出た言葉に、俺は仰天した。


「まじですか?!」

 それもそのはず。

 名付きとは、名前を持って生まれる武器の事だ。

 そして、名付きの武器は魂が宿ってると言われ、魂器(こんき)とも呼ばる。


 鉄冶さん曰く、魂器は完成時に頭の中に名前が浮かんでくるとの事だ。


 魂器は同じ素材で作った良い武器と比べたら、何ランクも違うほどの質のいい武器になるのは分かっているが、何故名前が付いて生まれるのかは分かっていない。

 

 鉄冶さんでさえ魂器は、数えられるくらいしか作れたことがないと言いたい所だが、魂器は1つ作ることが出来れば超一流と呼ばれるぐらいに難しいことなんだ。

 

 だからこそ、鉄冶さんは数少ない神の武器職人と呼ばれている。

 職業の名前とは関係ないからな。


「まじだ……そして、二挺の銃剣の名前だが、銃身が黒色の方が――〈銃皇無刃(じゅうおうむじん)黒魔(くろま)〉。銃身が緑色の方が――〈銃皇無刃・緑聖(ろくせい)〉だ。んで、〈黒魔〉の方が右手用で、〈緑聖〉の方が左手用だ。持ってみろ」


「はい!」

 右手で〈銃皇無刃・黒魔〉、左手で〈銃皇無刃・緑聖〉を持ち上げて、銃口が鉄冶さんに向かないように構えた。


「鉄冶さん……グリップの握りやすさも、重心の位置も完璧で最高です! ホルスターもありがとうございます!」

 鉄冶さんが言ってた通り、性能も完璧で最高だった。


 〈黒魔〉と〈緑聖〉を持ち上げた時、専用のホルスターが下敷きになって入っていた。

 〈黒魔〉のホルスターは黒色で、ローマ数字でⅨⅥ(96)と緑色で描かれていて、〈緑聖〉のホルスターは緑色で、ローマ数字でⅥⅨ(69)と黒色で描かれていた。


「ホルスターは佳織が作ってくれたから、礼を言うなら佳織に伝えてやってくれ」


「わかりました」

 鉄冶さんと〈黒魔〉と〈緑聖〉の事について、いろいろと話したあと、お礼を言ってから木箱を持って鍛冶場を出た。


「鉄くんとの話は終わったんだね。武器は気に入った?」

 鍛冶場を出て受付に向かうと、俺に気づいた佳織さんがニヤつきながら聞いてきた。


「佳織さんが思ってる通り、気に入りましたよ。あれだけ最高の武器を作ってもらって、気に入らない方がおかしいですよ。それと、最高のホルスターもありがとうございます」


「気に入ってもらえたなら良かったわ。それと、料金は前に言ってた通り100万で良いからね」

 鉄冶さんと佳織さんに作ってもらって、100万で済むなんて普通は有り得ない。

 安くても何千万はかかるからな。本当に有難いことだ。


「ありがとうございます」

 100万を支払い終わった。


「銃翔くん、武器に違和感があったりしたらすぐに来なさいよ。優聖ちゃんも巫咲ちゃんも一緒に来てね」


「はい、すぐ来ます」

 鉄冶さんに定期的に点検してもらう約束もしたしな。


「「また来ます」」

 鍛冶屋を出てショッピングモールに向かった。


 本当はダンジョンに行って〈黒魔〉と〈緑聖〉を試してみたかったが、優聖と巫咲とデートの約束をしたからな。


 明日のダンジョンで試そう。

 楽しみだな。

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