見つけた
あれから5日経ち、俺たちは10階層に着いていた。
肝心の魔鉄石は……まだ見つけられていない。
こんなにも見つからないの?ってぐらい見つからない。
まぁゲームでも序盤には全然見つからないアイテムとかあるもんな。
ボス部屋が先か、魔鉄石が先か……魔鉄石が先で頼む。
そんな事を思いながら、ショットスパイダー、スピアホーネット、ゴブリン種を討伐しつつ10階層を探索した。
「優聖、巫咲! あれって魔鉄石じゃね?」
そろそろ帰る時間だなと思っていると――今まで見たことの無い黒色の岩を発見した。
「えっ? どれ? 分からないわ」
俺が指を差した方向を巫咲がじっと凝視していたが、全く見えないみたいだ。
「見えないよね〜。銃翔は目が良過ぎるよ〜」
優聖も俺が指差した方向を頑張って見ていたが、見えなかったようだ。
魔鉄石らしき岩に近づくこと数分、2人にも見えてきたようだ。
「ほんとね。あの黒い岩は魔鉄石の特徴と合ってるわね」
「やっと見つかったね〜。良かったよ〜。これで銃翔の作りたい武器が作れるね〜」
「だろ? ありがとな」
1歩。また1歩。と、使いたい武器をオーダーメイドできる夢に近づいて行く。
魔鉄石の目の前まで来た。
魔鉄石の大きさは縦が1メートルほど、横が50センチほどの岩だった。
「よしっ! さっそく採るか! …………【無限魔弾装填 衝撃弾】」
俺たちは魔鉄石から離れてから、リボルバーで魔法【無限魔弾装填 衝撃弾】を纏わせた弾丸を撃った。
【衝撃弾】に乗せたイメージは内部の破壊だ。
俺が撃った【衝撃弾】が魔鉄石に当たり、轟音が響き渡った。
轟音が落ち着いた時、魔鉄石が崩れた。
「やっぱり凄いわね。あれだけ大きかった岩が、銃翔が撃った1発の銃弾でバラバラになったわ」
巫咲は驚きつつも感心した様子だった。
「ほんとだよね〜。普通はツルハシ?を使って崩していくんでしょ〜? 頑張って崩してる人からしたら、銃翔の魔法の能力は羨ましいだろうね〜」
優聖が俺のスキル魔法を素直に褒めてくれた。
「そうだな。俺みたいに岩を崩せる系のスキル魔法を持ってないと、ツルハシとかを使って地道に崩すしかないな。まぁでも、洞窟とかでは俺のスキル魔法は使えないから、結局はツルハシが大事になってくるとは思うけどな」
今回みたいに【衝撃弾】で崩しても、危険が無い場合はいいが、洞窟とかの密閉空間で使うと閉じ込められる可能性が高いからな。
「そう言われればそうだね〜。でも、銃翔のスキル魔法が凄いのは変わらないけどね〜」
「そかそか、ありがとな。でもな、優聖と巫咲のスキル魔法も凄いからな」
優聖と巫咲のスキル魔法を褒めながら2人の頭を撫でた。
「「ありがとう」」
2人はうっとりとした表情になりながら、頭を撫でられていた。
「よしっ、魔鉄石を回収するか」
撫でていた手を離すと、2人は少し悲しそうな表情をしたが、撫でていたい気持ちをグッと抑えて、大きい塊の魔鉄石を〈アイテムバッグ〉に入れていった。
先に〈アイテムバッグ〉の中に入っていた戦利品は取り出して捨てた。
魔鉄石の回収が終わり、魔力を使い切る為にモンスターを倒しまくってから、10階層のゲートに優聖と巫咲を抱えて走り戻った。
◇
翌日。
ボス部屋のゲート探しを始めた。
ボス部屋のゲート探しを始めてから、1時間ほどした時――魔鉄石を見つけた。
おぉぉい! なんであんなに探しても見つからなかった、魔鉄石がすぐに見つかるんだよ! 意味分かんねぇよ! クソがっ!
落ち着け落ち着け……。
ゲームでも良くあったじゃねぇか。某モンスターを狩るゲームで。
素材がなかなか出なくて何回も何回も狩って、ラスト1個で終わりって時に3個出たりとか。よくあるやつだ。
いや、それでもイラつくものはイラつくな。
ということで、優聖と巫咲に頼む事にした。
「優聖、巫咲。乳サンドしてくれね?」
「どうしたのよ?」
「魔鉄石が見つかった」
「あぁ……なるほどね。あれだけ探しても見つからなかったのに、すぐに2回目見つかったらイラつくものね。分かったわよ」
「わたしはして欲しい時にしてあげるよ〜」
「別に私だってして欲しい時にしてあげるわよ」
「2人ありがと」
優聖と巫咲に乳サンドをしてもらい、俺のイライラは消え去った。
魔鉄石の元に向かい【衝撃弾】で崩して回収した。
多めに持っておいて損はないだろうしな。
探索を再開してから30分ほど経った時、ボス部屋のゲートを発見した。
優聖、巫咲とボス部屋のゲートの元に行き、手を繋ぎながらゲートを通った。
「あれ? ボスが見当たないわね?」
「いや、居る。が、上手く隠れてやがるな。2人はここから離れるなよ」
「「分かったわ」」
巫咲の結界から距離を取り、敵の気配に集中してると――1本の矢が飛んできた。
矢を避けながら飛んできた方向に目をやると、ゴブリンジェネラルが木に隠れながら走り回っていた。
森林ダンジョンのゴブリンジェネラルは、草原ダンジョンのゴブリンジェネラルとは少し違った。
草原ダンジョンのゴブリンジェネラルより小柄で、武器が弓矢ということだ。小柄と言っても俺と変わらないぐらいだがな。
矢が曲がって飛んできたり、上から落ちてくるように飛んできたりと、森林ダンジョンを上手く使いこなしている。
俺も矢を避けながら、ゴブリンジェネラルが見えた瞬間を狙って撃ちまくった。
が、木に当たったりと、ゴブリンジェネラルに当てることができなかった。
ゴブリンジェネラルに近づこうとしたりしたが、ゴブリンジェネラルは一定の距離をキープし続けた。
ジリ貧になりそうだから、魔法を使うことにした。
集中力を上げていき、木を気にすることなく、ただただ真っ直ぐにゴブリンジェネラルを狙った。
「【無限魔弾装填 貫通弾】」
【貫通弾】は木を次々と貫通していき、ゴブリンジェネラルを撃ち抜いた。が、即死にはならなかった。
続けて【貫通弾】を3発撃ち、ゴブリンジェネラルを倒した。
ゴブリンジェネラルの元に向かい、魔石と弓を回収した。ボスなだけあって、いい短弓だった。
優聖と巫咲と合流したあと、追加で何度かゴブリンジェネラルを倒し、家に帰った。




