次のダンジョンへ
急遽取った休み明け。
俺たちは新しいEランクダンジョンに向かっていた。
最初に制覇したダンジョンは新ノ口の近くだったが、今回は吉野のダンジョンに行く。
理由としては魔鉄石を取りに行くためだ。
なんとなく察してるとは思うが、魔鉄石とはダンジョンで採れる鉱物だ。そして、武器を作るのに使われている。
前に言ってたと思うが、双銃剣を自分で採った素材で作りたいんだ。
だから今回、奈良県で魔鉄石が採れる唯一のEランクダンジョンに向かってるってわけだ。
吉野のEランクダンジョンには車で1時間半ほどかかる。
まぁ、2人の彼女と行くから全然苦にならないけどな。
1時間半をかけ吉野にあるEランクダンジョンに着いた。
田舎あるあるだが、駐車場がめっちゃ広い。が、車は数台しか停まってない。
車から降り、ギルドに入った。
ギルドの中は新ノ口のギルドと違って、狭く感じた。
狭く感じたが、それでもコンビニ6個分の広さはあるんだけどな。
受付を済ませたあと、どんなダンジョンなのかワクワクしつつ、優聖と巫咲と手を繋ぎながらゲートを通った。
ゲートを通った先のダンジョンは見渡す限り、木が生えていた。森林のフィールドだ。
だが、Eランクダンジョンらしく優しい森林のフィールドだった。
確かに木は高く20メートルほどあり、電柱より一回りか二回りほど太いが、葉が少なめで木と木の間隔が10メートルほどあり、日差しがしっかりと入ってくるため、明るく視界がはっきりと見えたからだ。
「これだけ木があると空気が美味く感じるな」
いつも吸ってる空気と変わらないと思うが、森林居ると思うと空気が綺麗で美味しいと感じてしまう。
「そうね。これだけ綺麗な風景を見ると空気も美味しく感じるわね」
「うんうん、それに気持ちも安らぐよね〜」
ゲートの周りの結界内で、深呼吸したり音を聴いたりとダンジョンの自然を味わった。
森林ダンジョンで十分癒されたあと、2階層に行くゲートと魔鉄石を採れる場所を探し始めた。
◇
それから2週間ほどかけて探索した。
現在は昼飯を食べ終わり7階層を探索しているところだ。7階層までは出てくるモンスターは変わらなかったし、魔鉄石も見つけられなかった。
岩を見つけることは出来たが、普通の岩で魔鉄石が含まれていなかった。
「全然魔鉄石が見つからない」
クソっ! 全然見つからねぇ! まぁ元々見つかる可能性が少ないってのは分かってはいたが、それでもイラッとするのは仕方ないと思う。
「ここのEランクダンジョンで採れるって言われてるけど、採れる量が少なくて見つかりにくいもの仕方ないわよ」
「少ないの分かってても、早く見つかると嬉しいよね〜。じゃあ、今日もおまじないしようか〜?」
巫咲も優聖も俺を慰めるように優しく声をかけてくれ、いつものおまじない――乳サンドを提案してくれた。
「おう、頼む!」
見つかるかは分からないが、乳サンドは止められねぇ。
「「分かったわ」」
2人がいつも通り、膝立ちした俺の顔をデケェ乳で挟んでくれた。最高だぁ……。
森林ダンジョンのいい所もある。それは、木が障害物になることで射撃の練習になる。
木と木の間を狙って撃つことで射撃の精密さが上がっていくんだ。
気持ちを切り替え、探索を再開した。
再開してから1時間ほど経った。その間にゴブリン系を10体以上倒している。
モンスターのシルエットが見えた。そのモンスターのシルエットは今まで見た事がなかった。
おっ、新しいモンスター発見だな。
森林ダンジョンには草原ダンジョンとは違うモンスターが7階層から出現する。
Eランクダンジョンは6階層までは同じモンスターが出現するが、7階層からはダンジョンによってモンスターが変わってくるらしい。
新しいモンスターのシルエットが見えた方に歩みを進めた。すると、モンスターシルエットがはっきりと見えてきた。
新しいモンスターの名前はショットスパイダー……蜘蛛だな。
大きさは凄く大きい。体長50センチほどはあるな。
それに、木の上の方に5体で群れている。
名前からして何かを撃ってくるんだろう。蜘蛛なら糸だろうけど。
「覚悟はしていたけれど、やっぱり虫は苦手ね。直視出来ないわ」
巫咲が渋い顔になりながら、ショットスパイダーから目を離していた。
「しーちゃんは虫が苦手だもんね〜」
優聖が巫咲の頭をポンポンとしながら慰めていた。
「巫咲は虫が苦手なのか。じゃあサクッと倒してくるわ」
「「ありがと」」
ホルスターからリボルバーを引き抜きながら、駆け足でショットスパイダーに近づいた。
俺の自信ある距離に近づいた時、ショットスパイダー5体に銃口を向けて速射した。
ショットスパイダー2体には直撃し、木の上から落とすことができたが、残りの3体には他の木に逃げられた。
とりあえず、落ちた2体のショットスパイダーを素早く始末してから3体のショットスパイダーを視界に入れた。
ショットスパイダーが俺にお尻を向けたと思ったら、野球ボールほどの大きさの何かを飛ばしてきた。何かを避け、チラッと何かを確認すると、糸を丸めたものだった。糸が当たった地面には蜘蛛の糸らしく粘ついていた。やはり、名前の通りだったな。
2体目、3体目とショットスパイダーが糸を飛ばしてきた。粘着がある分当たったら面倒くさそうだが、連射は出来ないようだ。
ショットスパイダーの糸が先に当たるか、俺の銃弾が先に当たるか勝負だな…………結果は俺の勝ちだった。
まぁ、連射出来ないしな。俺が負けるわけない。
ショットスパイダーの魔石を剥ぎ取ってから優聖と巫咲の元に帰った。
巫咲が虫を苦手なため今回は2人が近寄ってくることはなかった。
「無事に倒してきたぞ」
「ありがとう。ごめんね、迷惑かけて」
「苦手かものがあるのは仕方ないことだ。気にするな」
綺麗に拭き取った手で、巫咲の頭をポンポンして慰めた。
「銃翔〜、わたしにもして〜」
優聖が頭を近づけてきたから、頭をポンポンした。
2人とも嬉しそうな表情をしていた。可愛いなぁ。
2人の可愛い顔を見て癒されたあと、探索を再開したが8階層に行くゲートも魔鉄石も発見できなかった。




