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並行世界の俺に俺が憑依する  作者: 緑黒猫


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11/18

Sランクを目指す為に

 モンスターと2階層のゲート探しを再開して歩き始めてから5分ほどで、次のゴブリンを見つける事ができた。

 ゴブリン数はさっきより多く5体居た。5体居たが武器無しだった。

 武器無しのゴブリンだとしても油断はしないけどな。


 さっきと同じように近づいていき、ある程度近づいたら2人には待機してもらい、ホルスターからリボルバーを抜きつつ俺だけ近づいていく。


 油断はしないと言ったが余裕は持つ。

 リボルバーの命中率を上げるための練習をする。

 今回はヘッドショットだけで倒す。正直、これだけ見通しが良くて、動きが遅いゴブリンに対して、狙った部分に当てられなかったら、この先――Sランクなんて絶対無理だ。俺なら殺れる。


 集中力を高めながら近づいていると、ゴブリンたちが俺に気づき「グギャギャギャッ」と喚き散らしながら走って向かってきた。


 俺は慌てずにゴブリンたちの頭に狙いを定めて右手のリボルバーで3発、左手のリボルバーで2発の弾丸を速射した。

 全弾命中と優聖と巫咲に自慢したかったが、2体のゴブリンに当てる事ができなかった。もう一度慌てずに狙いを定め左右のリボルバーで1発づつ撃ち込んだ。外れることなくゴブリンの頭を弾丸が貫通した。


 優聖と巫咲と分かれてゴブリンから魔石を剥ぎ取った。

 剥ぎ取りに使った俺の剣鉈や2人のナイフに付いたゴブリンの血は、〈クリーンクロス〉というアイテムでしっかりと拭き取っている。〈クリーンクロス〉は汚れを浄化する布だ。もの凄く便利アイテムだが、使用し始めてから12時間で効果がなくなり普通の布に戻るけどな。


 そのあとも昼ご飯までの2時間でゴブリンを40体倒した。いい調子でゴブリンを倒せてるし、射撃の練習にもなった。


「そろそろ昼ご飯休憩しようぜ」

 2時間歩き続けていたから、そろそろ休憩を挟むにはいいタイミングだろう。優聖と巫咲も疲れたかなと思っていたが、ケロッとしている。やはりこの世界の女は強いんだな。


「そうね。お腹も空いてきたしね」


「ご飯食べよ〜」

 昼ご飯は2人が用意すると昨日の帰り道に言ってくれたからお言葉に甘えることにした。

 久しぶりに女の手料理を食べるな。楽しみだ。


 周辺にモンスターが居ないことを確認したあと、草原に座った。まぁ巫咲の【守護結界】があればゴブリン如きの攻撃じゃ突破できないけどな。


 巫咲が背負っていたリュックから、大きめのタッパーを5個取り出した。タッパー2個におにぎり、タッパー3個にサラダ、から揚げ、卵焼き、ハンバーグが入っていた。めっちゃ美味そうだ。


「それじゃあ、食べましょう〜。いただきます〜」


「「いただきます」」

 さっそく片手におにぎりを持ち、から揚げを箸で掴み口に放り込んだ。噛むと肉汁が溢れ出てきた。醤油ベースでニンニクが効いていた。そのままおにぎりも口に放り込んだ。ご飯が進む味だ。


「うん、めっちゃくちゃ美味い!」

 お世辞抜きで美味いし、俺好みの味だ。


「「良かった」」

 2人は俺の言葉に安堵した表情をしたあと食べ始めた。

 ハンバーグも卵焼きもご飯が進む味付けで、おにぎりを食べることを止められなかった。


 結構な量があったがタッパーは綺麗さっぱりになっていた。俺も食べたが、2人もよく食べていた。

 あれだな、食べた分はデケェ乳の養分になってるんだな。


「「「ご馳走様でした」」」


「俺好みの味で美味しかった。ありがとう」


「喜んでもらえたなら良かったわ」


「明日もわたしたちが作ってくるからね〜」


「いやいや、それは悪いわ」


「いいのよ。銃翔には1人で戦ってもらってるし、これぐらいはしないと気が済まないのよ」


「そうだよ〜」


「そうか、じゃあ頼む。楽しみにしてる」

 2人の言葉に甘えることにした。


「「うん、任せて」」

 嫌そうな表情は全くせず、逆に嬉しそうな表情で頷いてくれた。


「そろそろ行こうか」


「「そうだね」」

 30分ほど穏やかに休憩したあと、モンスターと2階層のゲート探しを再開した。まぁ、さっきからモンスター探しって言ってるけど、モンスターはゴブリンかスライムしかいないけどな。


 今居るダンジョンには1から3階層まで、出てくるモンスターは変わらない。だから早く3階層まで行きたいんだよな。


「スライムが居るぞ」

 10分ほど歩いた時、スライムを2体見つけた。初スライムだ! 指を差しながら2人に教えた。

 このダンジョンのスライムはトロミのある無味無臭の水っぽい身体をしている。さらに草原だから奇襲されることもないから、余裕で倒せる。


「あっ、本当だわ」


「ぽよぽよ動いてるわね〜」


 スライムの目の前まで来た。スライムの大きさはバスケットボール2個分ほどで、身体の真ん中にビー玉みたいなのがあった。あのビー玉がスライムの核なのだろう。


 スライムを触ってみると、表面はゼリーのような感触でツルツルしていた。手を突っ込んでみると、聞いてた通りトロミのある水って感じだった。舐めはしなかったが、匂いは嗅いだ。無臭だった。


「銃翔大丈夫なの?」


「大丈夫だ。触ってみたら面白い感触してるぞ」


「あっ、本当だ〜。独特な感触だね〜」

 優聖は怖がることなく触っていた。


「…………っ、ほっ本当ね。触ったことあるような無いような感触ね」

 巫咲は恐る恐るスライムに触れた。


「そろそろ仕留めるな」


「そうね。構ってると愛着湧きそうだしね」


「心を鬼にしないとね〜」


 スライムから10メートルほど離れてから、リボルバーを引き抜き、2体のスライムを同時に撃ち抜く練習をすることにした。ビー玉を撃ち抜くのはいい練習になる。


 1発目……外した。クソがっ!

 2発目……左手のリボルバーの弾丸が当たった。

 3発目……右手のリボルバーの弾丸が当たった。

 ダメだな。動くとはいえ鈍いんだから1発で当てるようにしないと。もっともっと練習が必要だな。


 スライムは死ぬと形状を維持できなくなり、溶けて流れていく。

 魔石の大きさは核と同じだが、形はゴブリンと同じでひし形の結晶だった。


 ダンジョンの中はずっと明るいが、外の時間が止まるわけではないから、モンスターと2階層のゲート探しはあと2時間で切り上げないとな。


 予定時間ギリギリまで探したが2階層のゲートを見つける事はできなかった。

 2時間でゴブリン33体とスライム3体を倒すことはできた。


 帰り道はゲートまで一直線だ。オープンワールドのダンジョンで、しかも草原で景色もほとんど変わらないのに、なぜ帰れるのか。それは〈マークウォッチ〉という腕時計のアイテムがあるからだ。


 〈マークウォッチ〉は通ってきたゲートの場所を記録してくれ、ゲートの位置を矢印で示してくれるんだ。他の機能もあり方角が分かるのと、時計だから時間も分かる。それに、登録したメンバーの位置も分かるんだ。このアイテムもめっちゃ便利だ。


 〈マークウォッチ〉の矢印を頼りにゲートまで戻った。ゲートに着くまでに追加でゴブリンを9体倒した。スライムも居たが、ゴブリンみたいに襲って来ないから無視して帰った。


 優聖、巫咲と手を繋ぎながらゲートを通り、ギルドまで戻ってきた。100個近くの魔石を売るために、買取りしてくれる受付に向かった。ダンジョンで取ってきたものはギルドでしか売れない。

 

 卵サイズの大きさとはいえ、100個近くもあれば嵩張るが、これもめっちゃ便利なアイテム〈魔石袋〉がある。〈魔石袋〉は魔石を100個まで収納ができるポーチだ。


「すみません、買取りをお願いします」


「分かりました。お預かりします。査定まで少しお待ちください」

 〈魔石袋〉をそのまま受付の人に渡した。


「分かりました」

 3人で雑談しながら待った。


「お待たせ致しました。ゴブリンの魔石が1つ500円で90個あり4万5000円、スライムの魔石が1つ100円で5個あり500円、合計4万5500円になり、25パーセントの税金を引いて、3万4125円になります。分けて入金しますか?」

 3分ほどで査定が終わった。

 ダンジョンではどれだけ稼いでも、一律25パーセントの税が取られる。


「はい、俺たち1人づつに1万円とパーティー用の口座に残りの金額をお願いします」

 パーティー用の口座をギルドで作れる為、俺たちがパーティーを組んだ時に作ってもらっておいた。

 金を引き出す時はギルドに来ないとダメだけどな。


「分かりました…………入金終わりました。お疲れ様でした」


「「「ありがとうございました」」」


「じゃあ、着替えてから帰ろうか」


「「うん」」

 ギルド内にある更衣室で着替えたあと、2人を家に送り届け、俺も家に帰った。

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