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第26話 顔合わせ

 アリスとキャンディ、ジルとケーキがそれぞれ顔を合わせていた日から二日後。


 ジルとアリスはキャンディ達が泊まっている宿に向かっていた。

 ジルはたくさんのお菓子が入った手提げ袋を持っている。


「キャンディちゃん僕のこと嫌じゃないかな……大丈夫かなぁ」

「きっと大丈夫だよ! 私も仲良くなれるように手伝うからね!」


 ジルは不安がっているが、アリスはニコニコの笑顔でお菓子パーティーを楽しみにしていた。心なしかあらゆる動作がウキウキしている。


「それにキャンディちゃんは私の初めての親友だもんっ! ジルとも仲良くなれるに決まってるよ!」

「会って二回目の親友……ふふっ」


 可笑しくて微笑ましくて思わずジルの顔に笑みが生まれる。

 ふと、ジルはそれとは別の疑問を感じる。


「ん? キャンディちゃんが初めての親友なら僕は?」

「ジルはね……まだ内緒っ♡ えへへっ♡」

「そ、そっか」


 またトクンと心臓が跳ねる。

 アリスのいたずらっぽい笑み。だだ漏れの好意。

 ジルはもうアリスが可愛くて可愛くてたまらない。


 ……もう明日にでも告白しよう。

 もしこれで勘違いだったら大恥だなぁ。



 そんなことを考えている内にキャンディ達の泊まっている宿に到着する。

 建物を見る限りあまり高くなさそうな宿だ。そもそも魔族の女の子が高級な宿を求める理由はなさそうである。


 中に入ると、ロビーにある机の一つの側に椅子が四つ用意されていて、その内の二つにキャンディとケーキが座っていた。

 アリスとキャンディは宿のロビーで待ち合わせる約束をしていた。さすがに部屋に宿泊者以外が入ることはできない為だ。


 なお主の前であるにも関わらずケーキも普通に椅子に座っているのは、そのような気を遣う関係では無いからである。これは魔族の上位種と眷属種の関係としては本当に珍しいことである。


「アリスっ! ……ってあなた決勝の奴!! なんで居るの!!」

「いや普通に予想できたと思うんですけど……」


 キャンディはアリスに気づくと喜びの表情を見せたが、隣のジルを見ると一瞬で嫌そうな表情に変わる。

 ケーキはボソッと呆れ気味に呟いた。


 賭け試合の決勝でジルに負けたおかげでショートケーキセットを全部は食べられなかったという因縁もあり、キャンディは露骨にジルを嫌がっていた。


「やっぱりめっちゃ嫌われてる……」

「ちょっとアリス! まさか友達ってコイツ!? 信じらんない!! もうこれからは友達もあたしが選んであげるわ!!」

「えーっ! 私、キャンディちゃんにジルと仲良くなって欲しいっ」

「やだっ!! 肉魚食べるよりもイヤっ!!」


 ちなみにキャンディは肉や魚は大嫌いである。

 見かねたケーキが助け舟を入れる。


「キャンディ様。アリス様が悲しそうな顔をしていますよ。初めての親友のアリス様が」

「うっ! うぐぐっ……」

「このままではせっかくの親友を失ってしまうかもしれませんね」

「え……それは……嫌……」


 うわぁ……キャンディちゃんの扱い手慣れてる……

 ジルが微妙に感心している中、ケーキが提案する。


「どうせアリス様と一緒に選びたいって言って、あまりお菓子用意してなかったでしょう。キャンディ様、予定変更でジルと買い出しに行って仲良くなって来てください」

「えっ」

「は?」

 

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