第九話 レベルアップの秘密
コボルドを1体ずつ慎重に倒してゆく。
ダンジョン奥の右側に槍をもったコボルドが1体。
さらに奥の左側に剣をもったコボルドが1体。
「1体ずつ慎重にいこう」
ダンジョン奥のコボルドは槍を持っている。
この距離から戦うには……。
「ジョブチェンジ、狩人」
道具袋から弓矢を取り出した。
「道具袋があればいくらでも武器を持てるし弓矢のストックも大量に持ち歩ける」
狙いを定めて弓矢を放った。
「ぐふっ!」
弓矢はコボルドの脳天に突き刺さり一撃で命を絶った。
おかしな様子に気づき更に奥に居たコボルドがかけよってきた。
「ジョブチェンジ、テイマー」
道具袋から今度はムチを取り出すと近づいてきたコボルドへ放った。
「ギャフッ!」
コボルドの足を止めた。
「そらっ! くらえ!」
俺はムチで追撃した。
1発、2発、3発。
弱った所をムチで首を締め上げる。
コボルドは静かにその場に倒れ、青い光へと霧散した。
狩人で遠距離から攻撃し、中距離はテイマーで撃破。
武道家で中距離から一気に近づき戦士で近距離攻撃と言うのは攻撃をくらうリスクが大きい。
魔法使いでの遠距離攻撃は爆破の音で多くの魔物を集めてしまう。
しばらくは狩人、テイマーで静かに確実にコボルドを狩る。
これなら長期戦が可能だし結果レベルアップも早いはずだ。
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コボルドを30体ほど狩った所で、一気に体が軽くなった。
「よし! 来た!」
「スキル、ステータス!」
名 前:アルス
職 業:狩人
レベル:4
経験値:240
年 齢:17
H P :40
M P :23
ちから:16
はやさ:16
器用さ:19
魔 力:16
精神力:13
運 :18
スキル:ジョブチェンジ
ステータス レベル3 ステータスに経験値表示
「経験値が表示されている!」
って、だからって話だな。
まあ、今後、レベルアップした時にどれぐらいの経験値が必要だったか?
がわかるので何かの参考になるかもしれない。
そんなことより各職業のスキルがきになる。
戦士 バッシュ レベル3 3段階攻撃
武道家 スピード レベル3 スピード3倍
僧侶 ヒール レベル3 回復レベル3
魔法使い ファイア レベル3 攻撃レベル3
テイマー 召喚 レベル3 召喚レベル3
バッシュの3段階攻撃はありがたい。
これでコボルドも一気に倒すことができる。
「おや?」
俺はステータスを見て気になった。
名 前:アルス
職 業:戦士
レベル:4
経験値:1080
年 齢:17
H P :60
M P :15
ちから:22
はやさ:18
器用さ:18
魔 力:13
精神力:13
運 :16
スキル:ジョブチェンジ
バッシュ レベル3 3段階攻撃
「これは、どういうことだ?」
狩人の経験値は240だった。
それが戦士では1080。
「もしかして……」
俺は戦士でコボルドを1体倒してステータスを再度確認した。
すると、戦士の経験値は1090、狩人の経験値は240のままだった。
各職業の経験値をあらためて確認した。
戦士 経験値 1090
武道家 経験値 840
僧侶 経験値 540
魔法使い 経験値 940
テイマー 経験値 200
狩人 経験値 240
「そうか、俺がいつまでもレベルアップしなかった理由がわかったぞ」
おそらく現時点で俺は戦士だけならレベル10以上なのかもしれない。
武道家と魔法使いはレベル8は堅い。
戦闘でつかわなかったジョブの経験値が低い。
テイマーは、できるだけレベルが上ってから召喚を試そうと、ほとんど戦闘で利用していない。
今思えば、俺は剣でひたすらスライムを倒していた。
バランスよく全職業で戦わないといけなかったんだ。
「なんだよ。そんな理由だったのか……」
だが、レベルが上がらなかった原因がわかればこっちのものだ。
ここから一気にレベルをあげてやる!