第六話 レベルアップ加速
人の何倍も魔物を倒さなければレベルアップしない。
そのためにジョブチェンジスキルを利用して時間短縮する方法を思いついた。
「すいませーん」
俺は初めて道具屋に足を踏み入れた。
「あら、初めて見る顔ね」
黒い三角帽子にローブ。
長い金髪の美女。
道具屋というより怪しい魔法屋に見える。
よくみるとローブから胸の谷間が見え、かなりセクシーだ。
「あ、あの、MPを回復するアイテムは無いでしょうか?」
はじめての道具屋でセクシーなお姉さん相手で緊張してしまう。
「あるわよ。ここ」
セクシーな道具屋のお姉さんは、なまめかしく指をさした。
金色のポーション MP1000回復
銀色のポーション MP100回復
銅色のポーション MP10回復
俺の場合、MPが10も回復すれば十分だ。
「あの、銅色のポーション、おいくらでしょうか?」
「高いわよ?」
セクシーな道具屋のお姉さんは俺に顎を指でさわりながら言った。
「は、はい」
「銀貨1枚」
「え?」
宿1晩分だ。
予想していたが高い……。
俺の今の手持ちは銀貨30枚。
「30個ください」
「へえ。ぼうや、やるわねぇ」
道具屋のお姉さんは、銅色のポーションを1つずつ手渡ししてくれた。
受け取るたびにお姉さんの冷たくてスベスベした指が俺の手のひらに触れ緊張する。
違う目的でこの道具屋に通いそうだ。
「また、いらっしゃい」
道具屋のお姉さんの言葉に後ろ髪をひかれながら俺はダンジョンへと向かった。
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「準備万端!」
俺はさっそくダンジョン奥へと向かった。
前方にゴブリンが2体、現れる。
「スピード!」
俺は武道家のスキル。スピードで一気にゴブリンの脇をかけぬける。
そして、更に奥に向かう。
「グワァ! グワァ!」
ゴブリンは追いかけてきた。
さらに前方にゴブリン3体。
「スピード! バッシュ!」
俺はスピードでゴブリン3体につっこみ正面の一体を戦士にジョブチェンジしバッシュで切り抜けた。
後ろから追いかけてくるゴブリンは4体。
「スピード!」
「スピード!」
「スピード! バッシュ!」
「スピード!」
「スピード!」
「スピード! バッシュ!」
俺の後ろにはゴブリンが10体ほどあふれている。
ゴブリンは叫び声で、仲間のゴブリンをさらに呼び寄せる。
10体が20体、20体が40体へと増える。
ゴブリン1体、1体は所詮レベル2の冒険者が倒せる程度。
だが、群れをなしたゴブリンはAクラスの冒険者でも苦労するそうだ。
「とりあえず、これぐらいにしておこう」
俺はゴブリン100体ほどがあふれる後方にふりかえった。
ゴブリンの群れの動きが一瞬止まる。
だが、逆に俺はつっこんだ。
「スピード! ファイア!」
スピードで倍速で突っ込みながらのファイア。
ゴブリン50体ほどが一気に消し飛ぶ。
「グァグァ!」
生き残った数体が混紡をふりかざしてきた。
「スピード! バッシュ!」
一気に蹴散らす。
さらに集団につっこむ。
「スピード! ファイア!」
残りの50体ほどもほぼ炎にまかれる。
「一気にいくぞおおお!」
「スピード! バッシュ!」
残った数体を追いかけ蹴散らす。
途中ヒールで回復。
高速でジョブチェンジしスキルを次々にくり出す。
一気にMPも減ってゆく。
「とどめだ!」
俺はバッシュで最後の一体を狩った。
周囲には100個ほどの銀の玉がころがっている。
俺は銅のポーションを取り出すと飲み干した。
「ふう。これでHPもMPも全快」
30分ほどで100体のゴブリンを狩ることができた。
「よし! これであとポーション残り29回は同じように繰り返すぞ」
俺は、ゴブリンを集めて一気に討伐することを繰り返した。




