第二話 スキル獲得
いつものようにダンジョンまで来た。
もちろん、いつものようにダンジョン入り口周辺のスライムを討伐だ。
ダンジョン1層ではゴブリンが出るらしい、そして下の階層に降りるほど強力な魔物が出るそうだ。
とてもじゃないが、レベル1の俺がいどめる場所では無い。
「とらぁ!」
いつものようにスライムを何とか倒した。
「あれ?」
いつものように何とかスライムを倒し、体は重くなり、息も切れるはずが……。
「なんだか今までに無いほどに快調だ」
体が軽いし、今からいくらでも動けそうだ。
「ちょうどいいぞ」
草むらからスライムがあらわれた。
スライムはいきなりこちらに飛びかかってきた。
このままだとお腹にくらってしまう。
死にはしないが、息が出来ないほど苦しくなるぐらいのダメージは覚悟しないといけない。
「おや?」
飛びかかってくるスライムの動きがスローに見える。
「それっ!」
剣を軽く振るうとスライムは一撃で真っ二つ。
青い光となり霧散した。
「おおおおおおおお! もしかして念願のレベルアップか!?」
俺はギルドに走った。
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カガミの前に立つと俺の姿がうつり、青い文字でステータスが表示された。
名 前:アルス
職 業:
レベル:2
年 齢:17
H P :10
M P :10
ちから:10
はやさ:10
器用さ:10
魔 力:10
精神力:10
運 :10
スキル:ジョブチェンジ
「うおおお! ついに念願のレベルアップ!」
各ステータスが倍になっている。
どうりでスライムを軽くあしらえたわけだ。
「おや?」
スキル、ジョブチェンジ?
「なんだこれ?」
ジョブってのはギルドでの職業なんだろうが、職業ってのはスキルに応じて戦士とか魔法使いとか、わりふられるもので、能力では無いと思うんだが。
パリィという剣で防御するスキル持ちは戦士、炎の魔法のスキルがある者は魔法使い、それもギルドで登録時に形式的に記入するものだ。
ひとり1スキル。
稀にひとりで2スキルや3スキル使える特殊能力者は居るらしいが、今まで会ったこと無い。
しかし、ジョブチェンジとは何なんだ?
せっかくレベルが上ったと言うのにスキルが無能だと、今まで以上に苦労しないといけないかもしれない。
「あれ?」
ステータスをよく見ると『職業:』と表示されている。
現時点の職業は無しということだろうか?
俺はカガミを後にギルドの受付へと向かった。
「すいません。ちょっと登録お願いしたいんですが」
「はい。ギルドの冒険者登録ですね」
ギルドの受付嬢は、微笑むと登録用紙を渡してくれた。
記入欄には名前や年齢を記載する箇所があり、職業の欄があった。
俺は、さっと記入し、最後に職業の欄を埋めた。
「ありがとうございます!では!」
「あの、アルスさん、ギルドのルールなどについて説明が」
「ちょっとまってください! すぐに戻るので!」
俺はカガミの場所へ急いだ。