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第十二話 魔力の剣

 俺は街に着くと武器屋へと急いだ。

 無愛想な親父が店主の店だし、いつもならこんなに心躍ることは無い。

 しかし、今日は特別だ。


「んっ? ああ……」


 武器屋へ入ると、いつもの無愛想な親父が、やる気なさそうに一瞬こちらを見た。

 あとは興味無いとばかりに本を読んでいる。


「ちょっと色々見させてもらいます」


 特に返事は無いが、かまわないだろう。

 店内にある武器をステータスで片っ端から見てゆく。


 名 前:狩人の弓矢

 種 類:弓矢

 レベル:1

 攻撃力:2

 鑑 定:初心者向けの弓矢。誰でも使える。



 名 前:狩人の矢

 種 類:矢

 レベル:1

 攻撃力:10

 鑑 定:初心者向けの矢。誰でも使える。扱いやすい。



 これはいつも使っている弓矢だ。

 まあ、見なくてもわかっていたがステータスの力を試しに使ってみた。


「おっ! あっちの箱に色々つまってるぞ」


 俺が箱に近づくと親父が声をかけてきた。


「おい! ボウズ! そこはガラクタだらけだぞ。呪われたモノもあるから素人が手出すな」

「はい! 大丈夫です!」


 こういうガラクタの中に良いモノが潜んでるんだよな。

 では、さっそく。


 名 前:太古の剣

 種 類:剣

 レベル:1

 攻撃力:1

 鑑 定:太古の剣。化石化している。1度使うと壊れる。



 名 前:呪いの兜

 種 類:兜

 レベル:99

 防御力:9999

 鑑 定:被ると気が狂い死亡する。



 名 前:呪われた鎧

 種 類:鎧

 レベル:1

 防御力:-9999

 鑑 定:受けた攻撃が増加する。スライムの一撃でさえ即死級の攻撃になる。



「ガラクタどころか、とんでも無い呪いのアイテムのオンパレードだな」


 なんだか触るのも怖いが、奥の方に何か無いかな?


 名 前:重い斧

 種 類:斧

 レベル:99

 攻撃力:9999

 鑑 定:あまりにも重く持ち上がらない。


「この斧なんて呪われてはいないものの……」


 持ち上がるどころか箱の中でビクともしない。

 あの親父こんな物、どうやって箱に入れたんだ?


 名 前:魔力の剣

 種 類:剣

 レベル:99

 攻撃力:0~

 鑑 定:魔力を攻撃力に転化する。転化する攻撃力=10✕消費MP。転化した時の魔力の秒数攻撃力は継続する。



「これ、戦士だと魔力は最も伸びにくいしMPも少ないから通常だと役にたたないよな」


 だが、俺にとっては最高の武器だ。


「決めた! こいつだ」


 俺は『魔力の剣』を武器屋の親父に渡して価格を聞いた。


「ああ、あの箱の中は全部銀貨1枚だよ」

「いいんですか?」

「ああ、そんなもの普通は役にたたないだろ?」


 親父は本から顔を離して俺の方を見た。


「ん? お前……。正直なヤツだな。いつも弓矢買ってるしタダでやるよ」

「え!? いいんですか!?」

「ああ……」


 武器屋の親父を良くみると身につけている武器は特殊な物ばかり。

 しかも後ろに置いているのは、重い斧だ。

 もしかしたら、ただ者じゃないのかもしれない。

 こっそりステータスを見てみよう。



 名 前:オーディン

 職 業:武器屋

 レベル:??????

 経験値:??????

 年 齢:??????

 H P :??????

 M P :??????

 ちから:??????

 はやさ:??????

 器用さ:??????

 魔 力:??????

 精神力:??????

 運  :??????



「あれ?」


 ステータスが表示されない。

 名前はオーディンで、武器屋ってのはわかるが……。


「ん? どうしたんだ?」

「い、いえ。なんでも無いです。ありがとうございました!」


 俺が武器屋を出ようとすると後ろから親父の声が聞こえた。


「ステータスは自分より倍以上のレベルの者には使えないから気をつけろよ。あと勝手に見るのはマナー違反だぞ」

「え!?」


 ステータス使ってたのがバレてた。


「すいません!」


 俺は足早に武器屋を後にした。

 やはり、あの武器屋の親父、ただ者ではない。

 

 しかし、良い武器が手に入った。

 再度、ダンジョンに潜ってレベル上げだ!

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