ある人を探して
「ねぇ、先輩。少し頼み事があるのですが…」
知らない少女は俺に話しかけてきた。
知らない少女?
いや、どこかで見たことがあるし、何か知っている雰囲気が妙にある。
多分、1年生だと思うが。
俺はある教室で少女に話しかけられた。
しかもここは誰も使わない教室。
おまけにこの少女、部屋の鍵を閉めやがったんだけど。
完全に二人きりの状態になった。
え?いや前にもなかったか?
「お前は一体?」
「あ、先輩、いきなりすみませんでした。私は小野京子と言います。」
「そうか。俺は葛城日向だ。」
「やっぱり先輩が…」
「うん?俺の事知っていたのか?」
「ええ、知ってますよ。先輩はあの橘先輩の友達なんですよね?」
「ああ、そうだけど。」
これも聞いたことがある。
なんでなのか?
橘は学校でも有名な悪役令嬢だ。
あとツンデレ…
あれ、これも何か思った事がある。
「もしかして俺に頼みか?」
「はい。」
「はぁ、わかったよ。しかしそろそろ授業…」
「えっと、どうしました?」
「何か前にも言った事があった気が。」
「そうですか。」
「うん。何かさっきから妙に懐かしく感じる。」
「そう、なんですね。」
「まあ良いや。それより昼休みでも呼んでくれ。」
「え、良いのですか。」
「まあな。」
「わかりました。昼休みにでもお願いします。」
「まぁ。」
こんな感じで少女との会話を終えて俺は自分の教室へと向かった。
今日は珍しいか?
いや、昨日も休んでいた気が。
いやなんで?
昨日は普通にその席に橘が居たんじゃ。
まあ気のせいだろうか。
「遅かったな日向。」
「あ、おはよう…あれおかしい。」
「おかしいのはお前じゃないのかよ?」
「うるせぇ。そうじゃないと思う。」
いや、いつもの挨拶なはずなのに。
やけに不思議な感じがする。
昼休みになった。
さて、約束通り、少女は来るだろうか?
いや、来る。
ん?なんでそんな事知っているのか?
「どうしたんですか先輩。」
「うわっ。」
俺はついびっくりしてしまった。
目の前に少女がいたからだ。
まあ来ると言ったから来たんだろうけど。
驚かさないでほしい。
少女には別にその気はないと思うけど。
「来たな後輩。頼み事だな。」
「はいそうですね。」
少女は元気良く返事した。
まあここまで来たんだし頼み事を聞いてあげよう。
拒否してしまえばバツが悪い…
そうだな。
もうこの違和感はなかったと考えるしかないとなぜか思ってしまった。
ん?なんでそう思う?
それよりか周りの視線がキツイ。
少女といるからか。
キツイのは当たり前か。
「移動しよう。」
「え、そうですね。」
少女のそれを聞き、俺は少女と今朝の教室に向かった。
「じゃあ早速聞いて良いか?」
「はい。それで頼みなんですけど。」
頼み事。
出来れば簡単な方が良い。
そうでなければ頼みを聞ける自信がないから。
「先輩、一緒にある人を探してもらいたいのですが。」
頼み事はそれだった。
ある人を探してもらいたいらしい。
おいおいこれはもう解決したんじゃ?
あれあの人って誰だっけ?
「ある人って結構抽象的だな。何か特徴でもあるのか?」
「えっと、ある人は確か、グラウンド、図書館、2ー2の教室、倉庫にいたはずです。」
「それ以外はわからないんだな。」
「そうですね。先輩って潔いんですね。」
「まあそんな事はないと思うけど。まあ何事も早い段階に片付けるべきだろう。」
「確かにそうですね…」
「まあな。一応昼休みで行けそうなところにいこう。」
「良いのですか?」
「まあ、昼休み暇だし。」
「ありがとうございます。」
「礼を言うのはまだ早い。見つかってからな。」
「はい。わかりました。」
俺は少女と探しに行く。
そうある人を…
少女も俺も知らない…
ん、そうだっけ?
何かその正体知っている気がするが…




