第一章 最強と最弱は出会った
この世界は剣や魔法、そして神話や伝記が継承され続けた世界。
現代とはまた違った形で歴史を歩んだ世界。時代風景はというと、中世ヨーロッパかフランス、あるいはイタリア・・・それはあなたの想像にお任せしよう。
さて、これから始まる物語は、主人公が本当に「最弱」で、「最強」と出会いどんな物語を紡ぐのだろうか。
楽しみである。
-聖天歴2020年3月25日ー
僕、アレン・ヴェルネンス10歳は、4月1日に行われるこの国、「ターニアス聖王国」で開かれる騎士になるための認定試験がある。その試験の内容は、召喚魔法陣より呼び出された剣が、「一定の名声を獲得しているもの」であれば合格という、極めてシンプルな試験だ。
しかし、シンプルだからこそ難しいのだ。先述のとおり、「一定の名声を獲得しているもの」の判断基準が僕ら受験者には一切知らされていないのだ。補足の説明もされていないし、先輩騎士の人たちに聞くのもアレだ。そのあたりは、本当の意味で運に任せるしかない。
さて、そろそろ召喚の儀式を始めないと、無条件で失格扱いになってしまう。
召喚方法はこれまた簡単だ。まずは、自分の好きな魔法陣を描き、その中央に触媒と呼ばれるもの(これは何でもいい)を置き、詠唱を行う。これは、家が使っているもので構わないらしい。
ーなんというか、これは皆さんの知っているものだとフェ●トに近いかな?そこはどうにかコメントを出さないでほしい。私が好きでリスペクトしているだけであって…失礼、物語を続けよう。ー
「我、アレン・ヴェルネンスが呼ぶ。そなたとの契りを交わし、我が剣となりて、ここに顕現せよ。」
いまさらになってだが、恥ずかしいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!(涙)
だってこれ、ほぼ中二病全開じゃん!こんなの作った人の気持ちが知りたいよう!(笑)
...って僕の祖先様だった。失礼しました。
そんなことよりも、魔法陣が光りだした。くる、くるぞ、何が...なに...が...
「なんだ?ここは?君は一体・・・」
「え・・・ええええええええええええええええ!!!!????」
女の人が、魔法陣から出てきた。てことは、この「人」は僕の・・・剣・・・なの?
「なんだ?騒々しい。さっさと質問に答えてもらおう。君は誰だ?」
「あ、ああごめんなさい。僕はアレン。アレン・ヴェルネンス。よろしくね。ええと・・・」
「私はエクスカリバー。よろしく、アレン」
「え・・・エクスカリバーって・・・あの?」
エクスカリバーとは、アーサー王伝説に出てくる、アーサーが持つ聖剣の中でも、最も印象に残っている聖剣と言われている。もともと聖剣クラスが出てくること自体、非常に極稀なケースである。
彼はそれを知らない。いや、知っていたとしても、眉一つ動かないのはよほどの自信家か、予知能力者でないといけない。驚くのも無理はない。
「むう。疑っているのか?自分で呼び込んでおいて。それはちょっと悲しいぞ。」
ぼくはすぐに彼女のステータスを見る。自分が召喚した剣は、自分にしか分からない。
ステータスとは、そのものが持っている能力だ。そして、名前も確認することができる。
「ええと・・・ほ、本当だ。」
「だからいっただろう。わたしはエクスカリバーだと。」
「ご、ごめん。信じられなくて。」
「だって女の人がでてくるなんて、信じられなかったんだよ。」
「うん?そうなのか?」
「うん。だいたいでてくるのはみんな剣になっているって聞いてたから。」
「だが私は、現にヒトの形をしている。」
「わ、分かってるよ。」
「・・・どうした?何か困っているのか?」
「え?ああ、うん。ちょっとね。」
たしかに困っているは困っている。試験の時にどうやって説明すればいいんだろう?
「アレン。私は、何か君を困らせてしまったのか?私は君が何に困っているのかがわからない。申し訳ないが聞かせてくれるといいのだが」
「うん。えっとね・・・」
僕は、僕が困っていることを彼女に正直に話した。4月に行われる試験のことを。
「な・・・なん・・だとっ」
エクスカリバーはめっちゃ驚いている。それもそうだ。人の姿ででてきたのだから。
人の姿で出てきたのには驚いたけど、言葉も、それも僕たちが普段使っている言葉を彼女はペラペラと話していたのだ。僕としては、後者のほうに何よりもの驚きがあるのだ。
「ね、ねえエクスカリバー。君は一体どうやって人の姿になっているの?」
「んむ?ああそれはだな、私が持っている私自身の魔力で人の姿になっているのだ。私のような超超超有名な聖剣クラスであれば、容易いことなのだが・・・まさかとは思うが、このこともか?」
おそるおそる聞いてくるエクスカリバー。てか超超超有名って
「う、うん。それも初めて聞いたよ。」
「そ、そうか。・・・」
長い沈黙が始まる。エクスカリバーとアレンはその全てにおいて、お互いの認識を正しながら息を吸い、吐く。
「ぼ、僕は君に、こ、ここにいてほしい、僕の大事な、相棒、として。・・・だ、だめかな?」
先に口を開いたのはアレンだった。涙目になりながら、必死に。勇気を振り絞ったかのような眼差しを彼女に向けながら。
「あ、相棒・・・だと?」
エクスカリバーは困惑していた。実は彼女は、前にもこのような形で召喚されたことがあった。
しかし、前も、その前も、皆が皆、彼女のことを決して相棒とは言わず、「ただの道具」としか、彼女を見ていなかった。
だが、今目の前にいる少年は、彼女に「相棒になれ」と言ってきた。
彼に、過去に何があったのかは知らない。しかし、彼は今までであったやつとは根本的に違う。
(この子は、そうまでして私を?よほど今までつらい目に遭ってきたのだろうな。)
「・・・わかった。私で良ければ君の相棒になってなやろう。」
「ほ、本当に?いいの?!こんな僕の、相棒に?」
「ああ」
「うう・・・うわああああああん」
「よしよし。君は男の子だろう。泣くな。」
「でも、でも・・・」
「大丈夫だ。他の連中が君のことをどう思うのかは知らんが、少なくとも私は、君のことを侮蔑したりはしないよ。」
「ひぐっ・・・ぐす・・・あ、ありがと」
アレンとエクスカリバーは、こうして出会った。なんとも不思議な出会いである。
皆さん初めまして。初めて投稿させていただきました。そんなに上手く出来たとは思えませんが、皆さんが
暖かい目でこの小説を見ていてくだされば幸いです。