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9/18

気になってしょうがないですわ!

ギャグ要素薄目回です(当作者比)


あらたにブックマークしていただいた皆様

評価をしていただいた皆様

読んでいただいた皆様


本当にありがとうございます!


まさかの総合評価1000ポイント突破

奇跡のブックマーク登録500突破


この作品は、皆様の応援に支えられております

これからも、よろしくお願いいたします!

 昼休み。

 すでにほとんどの人が、給食を食べ終わっている。

 外に遊びに行ったり、仲がいい人で集まって話に花を咲かせていたり、午前中に出された宿題を片付けていたり。

 

 そんな中で窓際後ろの席に、いつものように美少女四人が集まる。

 まだゆっくりとデザートのプリンを口に運ぶアリスちゃんを囲む、藤林さんと西園寺さん。そして前の席に座るわたし。

 金髪美少女はタイミングをはかるように時たま口を開きかけては、音を出せずに口をつぐむを何度も繰り返している。

 巨乳少女は、顔を染めながらずっとモジモジしている。


 『ナニとはなんぞや集会』が開催されてから、三日が経った。

 あれからというもの、西園寺さんと藤林さんの様子があきらかにおかしい。

 西園寺さんは心ここにあらずといった感じでボーっとしては、ときどきはっとしたように頬を染める。

 藤林さんはつねに顔を少し赤くしていて、たまに両手で顔を覆ったかと思うと、耳まで真っ赤にしてなにやら悶える。


 まあ、原因は火を見るよりもあきらかだけど。

 あの集会で、みんなが少しだけ大人の階段をのぼったのだ。

 少女漫画とかネットでそこそこ知識のあったわたしでさえ、あの経験は結構衝撃的だった。

 形や硬さもそうだけど、なによりもあの大きさ。

 最後にアリスちゃんが用意してたメジャーで測ったら、ゆうに二十センチはあった。

 ネットで目にする平均値なんて眉唾だと思うけど、それでも剣護君のはかなり大きいんじゃないかと思う。


 それまで一日中アリスちゃんのことを考え続けていたわたしでも、あれ以来二割くらいは気づくと彼のことを思い出している。アリスちゃん大好きなわたしでも、こうなのだ。

 まったく知識のなさそうだった西園寺さんや、間違いなく男とのエロに興味津々だった藤林さんがこうなってしまうのも当然な気がする。


 集会の参加者で唯一動じてないというか、それまでとまったく変わらない様子のアリスちゃんが、プリンを食べ終わり食器をかたしに行く。

 テキパキと済ませて戻ってくると、西園寺さんが意を決したように言葉を発する。


「あ、アリスさん?」

「どうしたの、西園寺さん?」

「こ、今度の日曜日、相馬様がアリスさんのお家を訪ねるそうですわね?」

「……なんで、それを知ってるの?」


 いぶかしげな顔で、アリスちゃんが問う。

 声音が不満な気持ちを表していた。


「た、田中が教えてくれました。田中は、情報収集にもたけておりますので」

「ふーん。西園寺さんが剣護さんのこと調べろって、命じたんですね?」

「違いますわ! こ、これは田中がかってに……も、もしかしたらお母様かもしれませんけれど」

「ふぅ。お金持ちすぎるのも、問題ですね。田中さんが剣護さんを気に入った時は有利に働くかと思ったけど、荒らされすぎるのは困ります。まさか、ここまでとは……」

「ど、どういう意味ですの?」


 アリスちゃんは顔をしかめて、ため息を吐く。

 アリスちゃんの言っていることはハーレムゲームについてなのだろうが、金髪のご令嬢はまったく見当がつかないといったふうだ。

 わたしもハーレムゲームについての詳細は、まだ知らない。わかってることといえば、剣護君を中心にハーレムを作ることが目的ってことくらいだ。

 田中さんの情報網でも、引っかからなかったということだろうか? それとも、西園寺さんには伝えてない?


「まだ知らないならば、気にしなくていいです。それで、剣護さんがわたしの家に来ることが、西園寺さんになにか関係がありますか?」

「え、えっと。その。わ、私も、その日ご招待いただけないかしら?」

「なぜ?」


 勇気を振り絞ったような西園寺さんに、抑揚のない声で返すアリスちゃん。

 目もどこか冷めている。


「あ、あ、あの。じつは私、先日のカラオケのこと、お母様に見られてしまっていたんですわ」

「マジ!?」


 それまで静聴に徹していたわたしも、思わず声を漏らしてしまう。

 もしもわたしがあんな場面を親に目撃されたら、きっと死にたくなると思う。

 今もクラスメイトの親に見られてたってだけで、ちょっと消えてなくなりたいし。

 というか女子小学生が高校生のナニをいじってるとか、うちなら家族会議になって数日学校休むだろうし、剣護君も家族ごと呼び出されるほどの大事おおごとになるんじゃないだろうか? 

 剣護君はわたしたちを守ろうとして、力尽きたところを襲われた。ただ恩をあだで返されただけの被害者なのに。


「はい。田中にも遠くで控えているように命じていたのですけれど、ばっちり監視カメラで見守らていたようでして。その録画映像が、お母様に報告されていたとのことです」

「それは酷い」


 まあ冷静に考えてみれば、あの田中さんが大事なご令嬢と男が密室でいるところを完全放置するわけない。

 つまり田中さんに、わたしも目をギラギラさせてあれに触っているところをリアルタイムで観察されていたのだ。

 もう、笑うしかないよね。

 藤林さんなんて口あわあわさせて、泣きそうになっちゃってるよ。

 彼女もうっとりした顔で、優しい手つきで触りまくってたからね。


「西園寺さんのお母さんに見られたから、なんですか? もしかして、うちに押しかけてお説教でもするんでしょうか?」

「そ、そんなこといたしませんわ! ただ、相馬様を見極めたいだけですの」

「剣護さんを、見極める?」


 アリスちゃんは表情は変えずに、静かな声で聴き返す。

 わたしでもその表情から、彼女の感情を読み取ることは叶わない。


「ええ。私、お母様から叱られました。あのナニというものは、とても大事なもので気軽に触れていいものではないと。た、たしかに私もナニを目にしたときは、なにか悪いことをしているような気がしておりました。でも自分のドキドキを、好奇心をどうしても抑えられなかった。お母様からはあそこまでしてしまったら、もう女として責任を取らなければいけないと……」


 西園寺さんは頬を染めて言いよどむ。

 それにしても彼女のお母さんは、どういうつもりなんだろうか。

 田中さんは、お母さんの命で彼女についていると言っていた。

 きっと田中さんから、どんな理由でカラオケを貸切るのかの報告はあったはず。それを容認しといて、叱るなんて。狙いがわからない。


「責任とは、どういうことですか?」

「そ、その。アリスさん、怒らないでくださいね。責任とは、その、……結婚のことですわ」

「結婚ですか」


 金髪美少女はますます顔を赤くして、でも申し訳なさそうなトーンで言葉を紡いだ。

 アリスちゃんは、とくに動揺することもない。


「わ、私でも、アリスさんと相馬様が親密な関係であることはわかりましたわ。だから、お母様にも伝えました」

「でも、西園寺家には女性をたくさん娶ってきた歴史がありますよね?」

「ええ。お母様にもそう指摘されましたわ。そんなことは、責任から逃げ出す理由にはならないと。理由を他人に押しつけるなと。逃げ出すならその理由も全部、自分自身で背負えと」

「それで、剣護さんを見極めたいと?」

「そうですわ。相馬様のことをもっと知って、どうしても一緒になりたくないと思ってしまったら、賠償など結婚以外で責任を取りなさいと。お母様も、私に望まない結婚はしてほしくないと。もしも相馬様でいいと思えたら、アリスさんや相馬様を説得しなければなりません。実情はどうであろうと、外向けには私と相馬様の婚姻ということになりますから。それに相馬様がいいと思えても……」

「……思えても?」


 うつむいて、少し言葉に詰まる西園寺さん。

 そんな彼女の様子に、アリスちゃんは眉をひそめる。


「い、いえ。なんでも、ありませんわ。とにかく相馬様がどんなかたなのか、私は知りたいのです。かってなお願いであることは、理解しております。ですが、どうかよろしくお願いいたします」

「うーん。そうですねえ」


 真摯に頭を下げるご令嬢。

 小悪魔は、指を顎にあてて視線を宙にさ迷わせる。

 きっと今アリスちゃんは、ハーレムゲームについてのリスクやリターンを、頭フル回転で考えているんだろう。

 十数秒後。アリスちゃんは金髪美少女に目を向けて、口を開く。


「わかりました。いいですよ。少し気になる箇所もありますけど、虎穴こけつらずんば虎子こじず。多少のリスクを抱える価値はありそうですからね」

「本当ですの!? アリスさん、感謝いたしますわ!」

「まあ遅かれ早かれ、西園寺さんには剣護さんと仲良くなってほしいと思ってましたから。正直、今度の日曜は二人きりで過ごすつもりでしたけどね」


 西園寺さんは、手を合わせて満面の笑顔で喜ぶ。

 いっぽう、アリスちゃんは少しため息をつく。

 日曜のために、いろいろ計画していたのかもしれない。


「ちなみにハーレムを作る際、わたしへの説得は不要です。先日も言いましたよね。わたしはハーレムという結婚形態を、とても素晴らしいと思っていますから。それにハーレムを維持するためには、西園寺財閥のような後ろ盾は不可欠です。西園寺さんが加わってくれるなら、大歓迎します。まあ剣護さんの説得は、骨が折れると思いますけど」

「よ、よろしいんですの? そ、その。戸籍上の妻は……」

「心でつながっていればいいじゃないですか。戸籍上の繋がりなんて、どうでもいいです。あんなもの、紙切れ一枚で簡単にくっついたり離れたりするんですよ。本当に、本当にくだらない……」


 その時、アリスちゃんの表情が悲しげに曇る。零れる声色も、苦しげだ。

 彼女をずっと観察してると、たまに浮かべるあの顔だ。

 彼女がこんな顔をすることを、きっと学校ではわたし以外は知らなかった。

 今日までは。


「あ、アリスさん?」

「アリスちゃん、大丈夫?」


 初めて見ただろうアリスちゃんの様子に、西園寺さんと藤林さんが本気で心配そうな顔をする。

 藤林さんなんて、さっきまではずっと顔を赤くしていただけなのに。

 わたしは彼女を苦手だけど、いい子なんだろうなということはなんとなくわかる。


「だ、大丈夫です。ちょっと、気分が悪くなっただけで。そ、それより、野中さんも来ますよね」

「もちろん。アリスちゃんのお家で遊べるなんて、風邪で熱が四十度あっても行くよ」

「それは、わたしにも移りそうだからお断りです」


 慌てて表情を作り直して、話題を切り替える。

 そんなアリスちゃんからのお呼ばれに、わたしは即答で答える。

 まさかアリスちゃんとカラオケにとどまらず、アリスちゃんの家におじゃまできる日がくるなんて。

 剣護君には感謝、感謝だよ。今回は、西園寺さんにも。


「藤林さんは、どうですか?」

「ふぇっ!? 萌は……萌は」


 なんか、ついこの前見たことあるような光景だ。

 デジャヴュ?


「藤林さんも、剣護さんに会いたいんじゃないですか?」

「べ、べつに萌は……」

「嘘言っても、バレバレですよ? あれからというもの、ナニのことばかり考えてますよね?」

「ふえぇえええええ!? な、なんでえ!?」


 図星をつかれて、顔を真っ赤にして瞳に涙をたくさん溜める。恥ずかしくて、死んじゃいそうなのだろう。

 でも『なんでえ!?』って。まさかあんなにいつも赤面になっといて、本気でバレてないと思ってたのだろうか。


 そんな今にも号泣し出しそうな、教室から逃げ出してしまいそうな巨乳少女の肩を、慰めるようにポンッと叩く。

 西園寺さんだ。


「藤林さん。恥ずかしがることなんて、ありませんわ。堂々としていればいいじゃないですの。あんな魅力的なものを一目でも見てしまったら、気にならないほうがおかしいですわ」

「さ、西園寺さん……も、萌……」

「西園寺さんは、ナニが気になってしょうがないんですね?」


 凛とした表情で、ナニが魅力的だと発言するお嬢様。

 そんなお嬢様に、下劣な笑みを浮かべて問いかける小悪魔。

 アリスちゃんは、下劣な表情でも惹きつけるなあ。


「き、気になって気になってしょうがないですわ! あれからというもの、つねに相馬様のナニのことばかり考えてしまいます。アリスさんに止められてしまいましたけど、あれをさらに続けたらいったいなにが起こったのか!? どんな危険が迫っていたのか!? 気になりすぎて、夢にまで見てしまいます。あのナニのことを、もっともっと知りたいですわあ!!」


 興奮した顔で、ナニの魅力を語るご令嬢。

 結構大きめの声だったので教室中が一瞬ざわつく……が、すぐにシンと静まり返る。

 田中さんが風の音だけ残して、わたしたち四人を除く教室にいた人全員を気絶させていたのだ。

 

「さ、西園寺さん。萌、おかしくない?」

「ええ。おかしくないですわ。むしろ、人間が空気を吸うことくらいに当然のことです」

「そ、そうだよね! よかったー」


 笑顔を取り戻した藤林さんと、自信満々な表情でうなずく西園寺さん。

 二人はナニに対する同じ気持ちを共有するように、がっちり両手を取り合う。

 そんな二人を前にして、アリスちゃんは必死に笑いをこらえている。


 こうして『ナニ』によって友好を深めた二人は、これ以降互いを『萌さん』『京華さん』と呼んでいる。


 その後、当然のように藤林さんも参加が決定し、『ナニとはなんぞや集会』と同じメンバーでアリスちゃんの家に訪問することになった。

ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます


少しでも楽しんでいただけたなら幸いです


次回もよろしくお願いいたします


次は、アリスちゃんの家に訪問です

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