新たな旅立ち
俺はステータス調整の画面を見ながら思う。
◽︎竹矢雅弘 17歳 LV1
HP10/10
MP60/60
STR:14
VIT:14
DEX:60
AGI:14
INT:60
LUK:3
EXP0/100
◽︎スキル◽︎
格闘術神級
短剣術特級
剣術上級
刀剣術上級
短槍術中級
棒術中級
投擲術特級
身体能力強化上級
夜眼神級
遠距離視認神級
直感上級
索敵上級
隠密中級
先読み下級
火魔法神級
水魔法神級
風魔法神級
土魔法神級
光魔法神級
闇魔法神級
回復魔法神級
補助魔法神級
時空魔法神級
魔力操作神級
魔力増強神級
MP増強神級
錬金術
武器作成魔法
防具作成魔法
ゴーレム作成魔法
モンスターテイム神級
料理特級
家事上級
☆万物創生魔法
現在のポイント残高5,794,300pt
スキルの詳細は必要になったら思い出そうと思うが、そんなことよりも……
「ふぇ?スキルは沢山有るのに俺のステータス低くね?」
「そりゃぁLV1だしね、アースガイドでは0歳から1歳までLV1で2歳から20歳までは誕生日にLVが1上がるから今の君は1歳児と同じLVだよ?1歳児にしては凄いステータスだね!1歳児の中では最強なんじゃないかな?」
「1歳児1歳児うるせぇわ!あぁ、そういうことか、転生だから赤ちゃんから始まるのか、」
「いや、残念ながら違うよー年齢は今のままで転生するよ。」
その言葉に俺は絶望しながら叫ぶ。
「俺1歳児と同じLVで年齢このままで転生するの⁉︎こんなんじゃ戦えないじゃん!どうすんだよ!俺転生してすぐに死ぬぞ‼︎」
「だからステータス調整が有るんだよ、それに君ならスキルが充実してるし考えながら戦えばすぐにLVも上がると思うよ」
「そ、そうだな、ステータス調整で割り振れば強くなるよな!」
ステータス調整に希望を見出しながら早速ステータス調整でステータスを割り振る。
◽︎竹矢雅弘 17歳 LV1
HP110/110
MP660/660
STR:154
VIT:154
DEX:660
AGI:154
INT:660
LUK:3
EXP0/100
◽︎スキル◽︎
格闘術神級
短剣術特級
剣術上級
刀剣術上級
短槍術中級
棒術中級
投擲術特級
身体能力強化上級
夜眼神級
遠距離視認神級
直感上級
索敵上級
隠密中級
先読み下級
火魔法神級
水魔法神級
風魔法神級
土魔法神級
光魔法神級
闇魔法神級
回復魔法神級
補助魔法神級
時空魔法神級
魔力操作神級
魔力増強神級
MP増強神級
錬金術
武器作成魔法
防具作成魔法
ゴーレム作成魔法
モンスターテイム神級
料理特級
家事上級
☆万物創生魔法
現在のポイント残高5,793,600pt
何故か各ステータスに100までしか割り振れない、MP、DEX、INTは魔法スキルの補正も有って高いけどそれ以外が心許ない。
「ちなみに何で100までしか割り振れないんだ?」
「LVが1だからだねLVが上がればもっと割り振れるようになるよ。」
「こ、このステータスはどの程度の強さなんだ?」
「んーMP、DEX、INTは魔法に適性のある12歳の子供くらい、それ以外少し発育の良い3歳児と同じくらいだね」
俺は改めて絶望した、異世界は12歳の子供に生き残れるほど甘くは無いだろう、しかもそれ以外のステータスは3歳児クラスときた。
(おわった…)
「まぁモンスターを討伐すればすぐにLV上がるから大丈夫でしょ、これで全ての準備が終わったし、早速転生スタート!、あっ!転生場所は森の中だから!」
「ち、ちょっと待って‼︎1番大事な心の準備がまだだぞ‼︎」
俺はおっさんの言葉に急いで待つように言うが身体を見ると四肢の先から透けてきている、しかも急に凄まじい頭痛に襲われる。
「大丈夫だよ。その頭痛はスキルを正式に習得してるからだから、それに僕の加護といくつかのスキルもプレゼントしてあげるし、近くに善良な人がいる森に転生させてあげるから、君にとって異世界アースガイドは、とても楽しくて、それにきっと沢山友達も出来るよ、…いってらっしゃい楽しんで来てね。」
俺は薄れゆく意識のなかでおっさんの最後の言葉を聞いていた、俺がまだ小さい頃に聞いた父の声のような、とても優しい声音だった。
俺はそのまま意識を失った。
竹矢雅弘が旅立った後、雅弘からおっさんと呼ばれていた男性の顔から急に笑みが消え能面のような表情になる。
「行ったか……ミサちゃん、いるかい?」
「はい、ここに」
「彼にこんな馬鹿げた悪戯をした神を探し出して」
「恐れ多くも最高神様、彼の為に何故ここまで?」
「僕も彼の記憶を詠んだだけなんだけど、彼はね今まで様々な人に幸せを分け与えてきたんだよ、なのに彼には本来帰ってくるはずの幸運がほとんど帰って来ていないんだ、それに彼のLUKは3しか無かった本人は気にしてなかったけど明らかにおかしい。
システムが正常に動作してるなら、彼はあんなにあっさり、最悪な死に方なんてしなかっただろうね。
彼が人に幸せを分け与えているのに、彼に幸せを分け与えてくれる人が少なかった、それを見ていて僕は辛かったんだ、本来ならもっと沢山の人が彼の元に集い幸せを分かち合えたはずだったし、クリスマスにした意中の相手への告白だって成功したはずなのに、まぁ他にも神々の悪戯で被害を受けた人は沢山いるけどね彼以外はまだ生きているからまだ間に合う、だけど彼はそのチャンスもないままが死んだんだ、可哀想だろう?だから僕の力を使って彼を転生させた。」
「ですが…そんな事がありうるのでしょうか?最高神様が創造した世界のシステムを作りかえるなど」
「作り変えたんじゃないよ、一部にだけ干渉してエラーが起きたんだ、ほんの少しの干渉だったから僕も気付けなかったから僕の責任もあるけどね、実際にシステムがエラーを起こしてるのに気付いたのは彼の死がきっかけなんだ、そもそも僕の作ったシステムに干渉するなんて思いもしなかった、システムに干渉出来るとしたら上級神くらいしかいない、神の不手際は最高神である僕が罰する、だから犯人探しお願いできるかな?」
「承知いたしました。」
「ミサちゃん、ありがとね」
「いえ、それでは早速調査して参ります。」
「頼んだよミサちゃん、いってらっしゃい。
………竹矢雅弘くん、君の人生を狂わした神は最高神の名において必ず罰する、だから安心しておいてくれ、まぁ神の干渉の事を君には言ってないから知りもしないだろうけどさ。
僕が世界の頂点だから祈る相手なんかいないけど、せめて願わせてくれ、君が前世のように周りの人に幸せを分け与え、君にも分け与えられるように願っているよ。」
竹矢雅弘におっさんと呼ばれていた、あらゆる世界で神々の頂点である最高神は雅弘には決して聞こえない誓いと願いを捧げた。
その最高神はただただ微笑んでいた。
それは我が子を見守りながら微笑む親の顔のようであり、プレゼントを心待ちにしている子どものようでもあった。
読んでいただきありがとうございます。
次話は明日の20時に予約投稿しました。