現在の知識
今回は説明が多めです。
屋敷に住み始めてから数日が経った。
あれから今まで知り合った人達を招いてパーティーをしたり、ゴーレムの作製をしたり、庭で魔法の訓練をしていたらあっと言う間に数日過ぎていた。
魔法の訓練で新しく試したのは転移魔法や身体能力強化などの便利な魔法を幾つか覚えた。
何故今まで転移魔法とかを使わなかったのか自分でも不思議だが、思いつかなかったので仕方ない。
やはり知識として頭に入ってるだけでは意味が無いのだと思う。
実際に使用してからじゃないとわからない事もあるし、いざという時に使えないのでこれからは時間がある時に魔法の訓練をしようと思う。
転移魔法は一度行った事がある場所でないと転移出来なかったり、自分以外の生物は転移出来なかったりと使い勝手が悪い所も有るが使い方次第だろう、試しにやってみたらゴーレムなどは一緒に転移出来た。
自分以外の生物も転移したい場合は転移門の魔法を使えば出来る事が判明した。
数日の訓練で一番の収穫は俺のMP回復速度の早さだ、検証したら俺はMPを使い切っても数秒で満タンになる事が判明した。
だから今までMPをいくら使っても倦怠感などがなかったのだ。
恐らくはMP増強強化LV5が関係しているのだと思う。
このスキルはMPの量が増えるだけだと考えていたが実際はMPの回復速度も強化する素敵なスキルなのだ。
それがわかった結果、数日前にMP回復薬を飲んだのが無駄だったのに気がついて少し落ち込んだ。
ここ数日でやった魔法の訓練は有意義な物となった。
次に屋敷の防犯設備だが、MPを使っても数秒で回復するのが判明したのでゴーレムを作製しまくった。
今ではガーディアン クレイゴーレムが敷地内を30体も警備している。
クレイスパイダーゴーレムも作製しまくって新たにガーディアン クレイスパイダーゴーレムを作製した。
現在敷地内で作業しているクレイスパイダーゴーレムは全てガーディアン クレイスパイダーゴーレムだ。
あれから数も増やして現在稼働したいるのは20体存在する。
しかもこのガーディアン クレイスパイダーゴーレムは特殊な能力を持っていた。
それは自分で下位のゴーレムを1体につき10体作製出来る事だ。
見た目は完全に蜘蛛の子供でサイズは手のひらに乗るくらいだ。
この作製された200体もの子蜘蛛は敷地内に放たれていて常に異常が無いか監視していて、何かあれば親ゴーレムに知らせる。
更に問題が起きた時に迅速に対応出来るようにガーディアン クレイウルフゴーレムも作製した。
このゴーレムの特徴は他のゴーレムに比べて素早い事だ。
ガーディアン クレイウルフゴーレムは現在敷地内で30体稼働中だ。
この防犯設備の事をダズさんに話したら、
「ヒロは世界相手に戦争でもするのか?ガッハッハッ」
と言う有難い御言葉を頂戴した。
確かに少しやり過ぎた感じもするが俺の屋敷で何か有ったら嫌なので増やす事はあっても減らす事は無いと思う。
ちなみにゴーレム達にはパーティーをした際に招待した人達を覚えさせて自己防衛以外で攻撃し無いように指示してある。
あとはフレンドシップのメンバーと一対一で模擬戦をしたのだが、全て俺が負けた。
少しだけステータスを覗こうか迷ったが、人のステータスを気安く見たくないので止めておいた。
ステータスを覗かれるとか自分だったら嫌だしな、小さい頃から人が嫌な事はし無いように教育されてるから明確に敵だと断言出来なければ今後もステータスを覗く事はしない予定だ。
模擬戦の話に戻るが、自分では結構強くなったと思っていたのだが、フレンドシップのメンバーと模擬戦をして世界には俺よりも強い人や魔物がゴロゴロしてる事を改めて分かった気がした。
パーティーの席でダズさんとバルドさんはSランクの冒険者と同じくらい強いとカヤさんが話していたので世界でも最高クラスに強いのは確かだろう。
フレンドシップ内でBランクのガッツさんとミーヤさんもAランク冒険者の平均くらいには強いらしい。
ならなぜランクを上げないのか訊いたら皆試験が面倒なのとランクを上げても大して意味が無いからだと言っていた。
フレンドシップは本当に自由気儘なパーティの様だ。
転移魔法を覚えたので、森の方にもちょくちょく顔を出している。
森のゴーレム達も屋敷と同じ様にガーディアン クレイゴーレムにして、現在は4体で1チームを10チーム分で合計40体が森の攻略を進めている。
あれから一つだけBランクの魔玉も手に入れたので、アイテムボックスの魔道具を作製した。
理由は屋敷の食料庫では20人分の食料を入れられなかったからだ、恐らくは前から食料庫の代わりにアイテムボックスを使っていたのだろう。
森の攻略は進んではいるものの出てくる魔物は強い種類でも、ゴブリンナイトやコボルトソルジャー、それにウルフリーダーが偶に出る程度だ。
何故かレベルの上がりが凄く悪いのでダズさんに訊いた所、壁を越える、というらしい。
レベルが50になるとステータスが2倍になって、それ以降はEランク以上の魔物でないと経験値が入らない。
ゴブリンナイト、コボルトソルジャー、ウルフリーダーはEランクの魔物なので経験値が入るが、ホブゴブリン、ハイコボルト、グレイウルフなどはFランクの魔物なので経験値は入らない。
つまり、森を攻略するよりも他の所で魔物を倒した方が経験値が入るらしい。
ダズさんに何処か良い場所は無いのか訊いたら、アイリーンから徒歩で1ヶ月の距離のアーチャント商業国との国境にある山脈にはDランク以上の魔物しか生息してないそうだ。
今の所は行く予定は無いが、いつか行くかもしれないので頭の中に入れておく。
前の話で国の名前が出たが、この数日で地理も少し覚えた。
この大陸はサウスエンドと言う大陸らしい。
大陸は7つの国と大森林に分かれていて現在俺がいる国はフォレストバード王国だ。
フォレストバード王国は東にある大森林から魔物の襲来を防いでいるらしい。
南東にはトライアングル王国という大森林とは海で別れた三角形の巨大な島があり、船で10日くらいで着ける国らしい。
西側には3つの国と国境が接しており、北西にウォーキングナイト王国、真西にアーチャント商業国、南西にはアイアンスミス共和国がある。
それぞれ国には特徴が有り、ウォーキングナイト王国は騎士が自分の足で領土を広げて建国された歴史から昔から騎士が強い国らしい。
アーチャント商業国は名前の通り商いが盛んな国でホビットが多いらしい。
アイアンスミス共和国はドワーフが多くて鍛冶に秀でた国らしい。
その更に西にはスカイブルー王国とウォーリング帝国があり、争いが絶えない地域のようだ。
原因はウォーリング帝国が他国を攻撃して領土を増やそうとしているみたいだ。
アーチャント商業国は交易で上手く立ち回る事で侵攻を防ぎ、ウォーキングナイト王国は戦争はしているが騎士達のお陰で侵攻を食い止めてるらしい。
ウォーリング帝国と国境が接していて国力も負けているスカイブルー王国には果敢に攻め入っているらしく年中紛争中らしい。
ちなみにフレンドシップのメンバーの故郷はダズさんとガッツさんがスカイブルー王国、バルドさんはアイアンスミス共和国、カヤさんとミーヤさんは大森林だと言っていた。
大森林とは俺がゴーレム達に攻略させている森の事で奥に行くとエルフ族や精霊族の村があるそうだ。
以前に森の奥に行けば高位の魔物が出ると聞いた事があったが、正確には違っていて、大森林の中央部分に高位の魔物が出るらしい。
カヤさんとミーヤさんの村はその中央を越えて反対側にあるらしい。
いつか世界を回って観光したいと思っているが、今はアイリーンの街にいるつもりだ。
俺がアイリーンから離れると屋敷のゴーレムが消えてしまって困るだろうから、まずは魔玉でゴーレムの改造をしなければならない。
こうして考えると俺が世界を回れるように準備するのは、かなり時間が必要だろう。
今、できる事は稼いだお金を使ってバナーさんの店で魔玉を買う事だろう。
そうと決まれば早速バナーさんの店に向かう事にする。
「よし、行きますか!」
俺はバナーさんの店に向かって歩いて行く、すると急に街の鐘が鳴り響いた。
カンッ!カンッ!カンッ!カンッ!
なんの鐘なのかわからないが取り敢えず屋敷に戻る事にする。
屋敷に着くとフレンドシップの皆がちょうど屋敷から出てきた。
「ヒロ!魔物が攻めてきたぞ!装備を整えてギルドに来い!」
ダズさんが鬼気迫る顔で言ってくる。
どうやら魔物が街に攻めてきたらしい。
これはユックリしてられないと俺も急いで装備を身につけてギルドに向かう。
ギルドに着くと既に沢山の冒険者がいて食堂の椅子やテーブルを退かして誰かが来るのを待っていた。
俺はダズさんを見つけたので、そこまで歩いて行き話しかける。
「魔物が攻めてきたって言ってましたけど今は何を待ってるんですか?」
「おぉ!ヒロか!これはギルド長を待ってるんだ!事情説明をしてくれるから何か行動するならそれからだな!」
「わかりました。」
これからギルド長が来て事情説明をするらしいので、俺も待つ事にする。
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