あんたが神様?
気がつくと、何処までも続く白い空間の中で目の前には大笑いしたキリッとしたメガネで黒髪オールバックのスーツ姿の中年男性がいた。
(なんだ夢か…)
「アハハ、夢じゃないよ…プッ」
「…じゃあ何処ですか?」
「それも大事だけど、まず言わなきゃいけない事が有るんだ…ブフッ」
「なんですか?(さっきから何笑ってんだ?)」
「残念ながら君は亡くなったんだよ」
「…は?…なんで?」
(この人は何を言ってるんだ?まぁ夢だしこんな事もあるのかな?)
「だから夢じゃないよ?」
「夢だから言ってもしょうがないけど、勝手に人の心読まないでくれませんかね?、というかなんで俺は死んだんですか?」
「わかった心を読むのはやめるよ、それと……本当に聞きたいのかい?」
「はい、なんでですか?」
「………本当に?後悔しない?」
なんでここまで渋るのかわからないが、ここまで渋られるとちょっと気になるから聞いてみたいと思った。
でも渋るって事は悲惨な死に方なのか?
「そんなに悲惨な死に方なんですか?」
「ある意味悲惨だね、聞いてしまったら君はきっと吐き気を催すよ、いや実際に吐くかもしれない」
え、俺はそんなに悲惨な死に方したのか?一体なんで?俺の家は普通の家庭だぞ?もしかして飛行機が墜落してきてグチャグチャになったとか?いや流石に確率低すぎだろ、誰かに殺されたとか?でも人に殺されるような覚えはないぞ?
「わかりました、聞かせてください。」
「わかったよ、…君はね」
「はい…(ゴクッ)」
「Gのせいで亡くなったんだ…」
「……は?Gって、あのGですか?カサカサ動く黒光りしたあの?」
「そうだよ、そのGだよ」
「いやいや、どうやったらGで死ぬんですか?驚いて心臓麻痺とか?」
「それは…Gがね寝ている君の気管に詰まったんだ」
「え?ちょ、ちょっと待って、き、器官に詰まった?」
「そうだよ喉に詰まったの…プッ」
ま、マジかよあれが俺の口の中に……うっ
「オェェェェェェ‼︎」
「アハハ!やっぱり吐いたじゃないか!」
「テメェ、吐くに決まってオェェェェェぐっゴホッゴホッな、なんてこと教えてくれたんだ!こんな死に方じゃ納得してあの世とか行けねオロロロロロロ!」
俺は言葉使いなんて気にせずに目の前の笑い転げてるおっさんに文句を言った。
「教えろって言ったのは君じゃないか!僕は止めたよ?それなのに君が知りたいって言うから!あっ、それと君は君達人間があの世って言っている場所には行かなくてもいいよー」
「は?どういう事だおっさん?もしかしてGを喉に詰まらせて死んだやつはあの世に行かせたくないとかじゃないだろうな!」
「君、敬語忘れてるよ」
「俺の死で、笑い転げるやつなんかに敬語なんか必要ねぇー!この人でなし野郎!」
「人でなしって、プッ、まぁ人じゃ無いからね」
ん?いままで気にしなかったけど、こいつもしかして神様?まさかな!そもそもこれは夢だし、神様がこんなやつな訳ないよな!まぁ夢なら付き合うか、いつか目が覚めるだろ。
「で、あの世に行かなくてもいいってのはどういう事だ?」
「君さぁ、死ぬ前に好きな人に告白して振られたでしょ?」
「あぁ、あれは思い出したくない記憶だ」
「それ以外でも君はいままでの人生であまり得をした事ないでしょ?」
「それはわからないなぁ、俺より不幸な奴なんか沢山いるだろうし」
「まぁ僕が見た君のデータにはね、今まで道徳的な行いでポイントを獲得しているけど、それを多く消費した記録がないんだ、例えば君が10歳の時に母親と逸れて迷子になって泣きながら交差点に入って交通事故で大怪我するはずだった子供を助けた、それで君は10000ポイント獲得してる、でも使われた記録が無い」
「いや、そんな子供助けた覚えはないぞ?」
「それは君が母親と逸れて余り時間が経ってない状態で子供に声をかけて無事に母親と再会させたからさ」
「あぁ、そんな事もあったな、それなら覚えてる」
「そんなこんなで君は獲得したポイントをほとんど使っていない、君は知らないだろうけど地球滅亡の危機を解決してるし、だから本来なら君は幸運に恵まれるはずなんだ、それなのに最後にあんな死に方をした、普通ならありえないんだよ、だから君が望むなら転生させてあげるよ、今まで獲得したポイント使って能力あげるし記憶も消さなくて良いよ新しい世界では君の自由にして良いよ、使命とかは与えないからね、所望楽しい異世界ライフさ、ちなみに地球には転生させられないから」
「転生って…たまに読むネット小説にそんなのあったな、本当に転生できるのか?」
「うん、出来るよ、試しにどんな世界がいい?」
「やっぱ男なら剣有り魔法有り異種族有りのファンタジーな世界でしょ」
「じゃあこれかなー?星の名前はアースガイド、剣有り魔法有り異種族有りのファンタジーな世界さ、魔物もドラゴンもいるよ」
お、マジであったよ、言ってみるもんだな、俺も男だし憧れてたんだよねーっと大事なこと訊いてなかった
「その世界って冒険者っている?」
「うん、いるね、魔物を狩ったり、護衛をしたり、雑用みたいな事もやるみたいだねー」
最高じゃねーか!これはテンプレくるか⁉︎
「じゃあそこで」
「もう、決めるの?早くない?まぁいいや、他に質問とかある?」
「そのポイントを使って転生してすぐに死なないようには出来るのか?」
「それは自分で決めてねー、ほれ」
おっさんがそう言うと何処からか突然現れたタブレットみたいのを手渡された。
「その中からスキルをみて選んでねー」
「よし、わかった、それじゃあ早速」
どれどれ…ふむふむ