始まりの記憶
初めましてBilly Berryと言います。
一度始めた事なので出来れば最後までやりたいです。
初投稿なので文章も拙い所があると思いますし誤字脱字も有ると思いますが。
よかったら応援してください。
感想お待ちしてます!
…ここは森の中、辺り一面がうっそうとしており前世の俺なら絶対に立ち寄ったりしなかっただらう、整備なんかされてない道無き道を進むと何処からかドコッ‼︎バキッ‼︎と何かを叩きつける鈍い音と甲高い悲鳴。
(なんだ⁉︎誰か襲われてるのか⁉︎…どこかの美少女お姫様かも⁉︎テンプレキター‼︎)
無我夢中で見知らぬ誰かを助ける為に急いで駆けつける。
森の中を3分くらい走ったあたりで目に飛び込んで来たのは緑色の体、120cmくらいの身長で片手に太い木の棍棒を持ちながら囲んで何を殴っている、よく見えないが取り敢えずそれ以上殴らせない為に大声で話しかけて、こちらに注意をそらさせる。
「大丈夫ですか⁉︎今助けますから‼︎」
「ギギッ‼︎」
「ガゲッ‼︎」
声に反応して全員こっちを向いた。
こちらに向いた事で先程まで殴っていたものが見えるようになったそこで倒れてたのは、なんか若干ピンクがかった鹿みたいな生物だった。
「…は?」
そいつらは血走った目でこちらを見ている。
飛び出した犬歯、尖った耳、
(こいつら、もしかしてゴブリン?なんかめっちゃ迫力あって怖いな!…てか!美少女どころか人間ですら無い⁉︎)
「ギガッ!」
「ギギグッ!」
血塗れの棍棒を持って訳のわからない鳴き声で仲間同士で会話しながら俺に近付いてくる。
「く、来るな!」
「ギガッー‼︎」
「ギッー‼︎」
「うわー‼︎」
(ヤバイ‼︎ヤバイ‼︎ヤバイってば‼︎考えてみたら俺、武器なんか持ってねーよ!)
俺は急いで逃げた、今までこんなに必死で走った事があっただろうか、無かったように思う、盛り上がった木の根で躓きそうになりながらも息も絶え絶え逃げ続ける。
(あの、おっさん!何がきっと楽しい事が待ってるだ!全然楽しくねぇぇぇ‼︎)
俺はこんな事になる前の事を思い出していた。
あれは大晦日の事
俺の名前は竹矢雅弘。
昼を少し過ぎた頃ガキの頃から一緒にいる親友2人と俺の部屋で忘年会をしていた。
忘年会と言っても俺たちはまだ17歳なので酒は飲めない。
いつの間にか俺たちも高校2年生、ガキの頃は3人でイタズラばかりしていた。
気づけば俺はどこにでもいそうな可もなく不可もなく普通の見た目で、中学校では野球部にいたから少しだけ筋肉質な身体だ。
親友2人も中学校では野球部だったので3人とも似たり寄ったり、高校に入る時には部活には入らず3人共アルバイトをして小遣い稼ぎをしている。
そんな本当にどこにでもいそうな男3人組での忘年会をしているが、本来なら楽しいはずの忘年会が今回に限ってはそうじゃなかった。
「はぁー」
俺が溜息を吐くと親友の1人である斉藤健太が言う。
「その溜息、何回目だよ、もう気にすんな!これでも飲めよ!」
健太が俺のグラスにコーラをそそいできた、それをチビチビ飲みつつ俺は言う。
「でもよー、なんで俺だけ…はぁー」
俺が愚痴るともう1人の親友、高橋良介が口を開く。
「こんな事も有るだろ!マジで気にすんなって!雅弘もそのうち彼女出来るって!な!元気出せよ!」
そう、この目の前の親友2人は今年のクリスマスでそれぞれ前から好きだった女子に告白をしてOKをもらった。
2人共これから彼女と2人でデートに行くらしい。
だから今まで夜にしていた男3人の忘年会が今年は昼からだった。
俺だって何もしないで、こんな溜息ばかり吐いている訳じゃ無い、クリスマスの日俺たち3人はそれぞれ告白をした。
2ヶ月も前から3人で、その日に好きな人を自分がロマンチックだと思う場所に呼び出して告白をすると決めていた、だから俺も勇気を出して前から好きだった同じクラスの女子、花咲春華さんに告白した。
その結果…
「ごめんね、他に好きな人がいるから、その気持ちには答えられない、本当にごめんなさい…」
「大丈夫だよ!こちらこそ時間使わしちゃって、ごめんね!その恋が叶うといいね!」
「うん!私頑張るね!付き合うことは出来ないけどこれからも友達でいてね!」
「もちろんだよ!冬休みが終わったら、また学校で!」
その後、告白が上手くいかなかった時用に3人で割り勘して予約したカラオケで待っていたが、いつまでたっても2人は来なかった。
1人で予約していた20時いっぱいまで声が枯れるまで歌った後、トボトボと1人で家路についた。
その途中、花咲さんが名前も知らないけど学校で何回か見かけた3年の先輩と歩いてるのを見た、俺は急に押し寄せてきた悲しみに負けて泣きながら帰った。
そんな事を思い出して泣きそうになっていると
「花咲は見る目なかったんだよ!雅弘はいい男だぜ!だから泣くなよ!次があるって!その時にまた失恋したら俺たち3人でカラオケ行って悲しみなんか吹き飛ばそうぜ!」
「そうそう!健太の言う通り!雅弘はいつか良い女を捕まえるぞ!俺が保証する!」
そんな親友の言葉に少しだけ元気を取り戻した、俺って単純な男かも…まぁいっか!
「あ!もうこんな時間だ!俺待ち合わせあるから失礼するわ!」
「ん!俺も行かなきゃ!じゃあまた今度な!」
そう言って2人はそれぞれ彼女との待ち合わせ場所に行った、その後も1人でダラダラ飲み食いして、毎年恒例の笑ってはいけない番組で大笑いした後に眠りについた。