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逸般人たちが勇者召喚に巻き込まれたようですよ  作者: satori
第一章 逸般人が異世界からきたようですよ
6/39

005

数時間の間馬車に揺られていると目的地に着いたようだ。


外に出た時、初めに目に入って来たものは、真っ白く塗られた街並みだった。


道路から建物にいたるまで真っ白なもので塗られていた。


さらにこの道のまっすぐいったところに、いくつもの尖塔のシルエットの見える巨大な城があった。


最も高い位置から降りそそぐ陽光をその城が反射し光り輝いているように見えた。


苦手ね、こういう場所は……


私はどちらかといえば暗い場所で訓練をすることが多く、さらには人の目にうつらないように行動することが多いから見るからに明るい場所は嫌いだ。

この大きさの馬車では街の中は走れないようなので、かえの馬車を用意している間、私は街の歩く者たちを観察でもしようかと思い目を向けた。


とはいえ、この道はここから見える城へ向かって一直線となっていて、さらに過剰といえる大きさの邸が立ち並んでいるので馬車がほとんどで歩いているものは数える程しかいない。


さらにいうとそれも使用人のような格好をしておりあまり面白味がない。


まあ、しいていえば皆、背筋をしっかりと伸ばしていて、男女ともに容姿はかなりいいのだろう。


ふと、今の段階で見た限り容姿のいいものばかりしか見ていないような気がするのは、この世界は顔のいいものしかいないのかそれとも近衛や使用人は顔のいいものしか選ばないのか?


まあ、そんなことはどうでもいいと切り捨て、妙に静かになっている子供たちの方を見た。


街の景色に見とれているものから、一部の男子が歩いている使用人を凝視していたりしている。


………本当に見捨てるのに罪悪感がわかなくてすむ連中だ。


教師など、なりたくてになった訳ではなかった、私にとって本当に幸運だ。

まあ、多分だけど大半は彼女らの庇護がなければ確実に死んでしまうだろうから、最低限は協力した方がいいだろうしねそういうイメージが付く形でいなくなろうか。


そして全く動く気配のない二人を見る。

無論一人は未だ呆然としている紫苑。

もう一人が私の立場に近いだろう佐藤牙龍。

彼は嫁いだものから生まれて、道場に通っていたものの一人だ。

しかも、闘術といわれる複数の武器と手足を使うことを前程に作られた流派で天才と呼ばれていたらしい。

当然そこまで呼ばれるからには、颯と紫苑と同じ皆伝位を持っている。

ちなみに颯と同じくらいの長髪だが、闘術には伸ばした髪の中に隠し武器を仕込んで戦闘中の不意打ちに使うと聞いたことがある。

まあ、本当かどうかは知らないが。

私が修めた暗術は、相手の知覚外からが前程になっているので同じ隠し武器を使うが結構違うらしい。


それにしても不機嫌そうだ。


輝崎のことを今にも殺そうかという程に怒りのこもった視線を向けていた。


自分勝手に行動を決めているのが、よっぽど気に入らないのだろう。

彼のようにサバイバル技術を持っていて度胸がすわっていれば、最悪放り出されても生き残れる可能性はあるが他は無理だと思うから一概にはいえないがね。

自分がイラついているかは置いておいてだが………

まあ、情報を得たら気付いたらいなくなっている気がするけど私も人のことはいえないしね。


車輪のまわる音が聞こえてきた。

あの姫らしき幼女と輝崎が談笑しながら歩いてくる。


何故だか知らないが今アイツの笑顔を見ると能天気さに無性に腹が立つ。


ふと、牙龍の方を見てみると感情の全く読めないくらいに冷え切った目をしていた。

その目を見ていると明日あたりには、輝崎は死体で見つかるのではないかとそう思わせるほどだった。

まあ、勿論輝崎はそんなことには気づかない。

あいつは特定方面において物凄く鈍感だから驚くにあたいしないけど………


再び馬車に乗り十数分後私たちは何故か大きな教会にいた。

子供たちの一部を除いては頭上に?マークが出ている。

そういう私もまずは王城にでも連れていかれて、王にでも会うのかと持っていたがそうではないようだ。


祭壇のところへ幼女と巫女らしき服を着ている女性が出てきた。


「皆さんにはここで自分たちのステータスカードというものを受け取ってもらいます」


巫女さんからの説明はステータスカードというものは神から与えられる自分の情報を書かれたものらしい。

普通なら生まれたその時から持っているらしいが、この世界に来たばかりの私たちは持っていないようだ。

それを聞いてやはり私たち以外にもこの世界に呼ばれて来た者たちがいるということだろう。

どうりで説明なれを感じた訳だ。

もしかすれば、私たち以外の者たちに実際に会える可能性もありそうだな。

といってもそれは、この国では無くて他の国だと思うけど。


「それではいきます」


巫女さんはそういって神への祈りのような言葉をいった。

私の目の前に一枚のカードが現れた。

子供たちもそれは同じようだ。


それにしても、実際に神がいて人の言葉に応えてくれるのか………それがこの巫女さんのようなものしか、それができないのなら教会の権威は強そうだな。


「使い方は簡単です見ることを念じるとカードに見たい情報が表示されます」


そういわれて私は念じてみた。



名前 :三輪 澪

職業 :【忍】【暗殺者】【魔導士】

種族 :人族ヒューマン 


体力 :E+

筋力 :F+

敏捷 :C-

器用 :B

魔力 :B-


称号

〈観察者〉〈異世界人〉

スキル

・戦闘

〈短刀術〉〈糸術〉〈脚術〉〈投擲術〉

・魔法

〈精霊魔法(鉄、闇)〉〈思考詠唱〉

・生産 

〈鋼糸生成〉〈毒物調合〉

・特殊

〈隠形〉〈魔力付加〉〈時空庫アイテムボックス〉〈言語翻訳〉


と出た。


一部を除くとほとんど見覚えのあるものが並んでるね。


「皆さん見ることができたでしょうか?」


巫女さんが聞いてきた。

子供たちは見られたと返した。

それを聞いて巫女さんは頷いて説明を続けた。


「それがあなた方の能力値になります。能力値はG-~SSS+級と表わされます。とはいえSSS級は、神の為に用意されている値だといわれているので表示されることは無いでしょう。

能力値の中でもっとも重要なのは魔力です。

魔力が高ければ他の能力値が低くとも戦技アーツで瞬間的に高めることができるので気にすることはありません。

人族ヒューマンは総じてこの数値が低く、平均は高く見積もってもE+程あればいい程度でしょう。

しかし、召喚されたあなた方は世界を越えるという本来神にしかできない体験をされているので、平均よりも圧倒的に高くなります。

過去の召喚者たちの平均を見るとこの世界に来た時点でC-級、成長をすればA-級くらいにはなれていました」


「あの、じゃあ一番いらないものというのは何でしょうか?」


輝崎が巫女さんに聞いた。


「あなた方には職業が生産職でなければ器用ですね。この数値は力には関与しないので必要ないとされています。さらにこの数値は、魔物モンスターを殺して経験値をためても上がらなく、【勇者】でも記録上C+が上限でした。

まあ、生産職だとしても、職業の補正と戦技アーツの生産版ともいえるものがあるので、それによって器用の値は必要なくなりますね」


それを聞いて、あからさまにほっとしたような顔をしている子たちが、妙に多いのだがそんなに低かったのだろうか?

というか、経験値ね………まるでゲームみたいなことが実際に起こるのか?

まあ、この世界にいるものがそういっているのだから嘘ではないと思うけどちょっとね………

しかし、それを聞いてテンプレだなといっているものもいる。

型だな?お決まりってこと?何故?


後で知ったが、小説では良くあることらしく、この世界に来てからは妙に冷静だな(ここで言う冷静は、私の予想に反して騒いだり泣き出すものがいなかったという意味で)と思ったがそういう理由だったのか、と分かった。

なお、紫苑はカードをとりもせずにぼうっとしている。

牙龍は興味なさげに巫女さんを見ているだけで、カードを見ようともしていない。


「さて、皆様の中に職業、称号に【勇者】がある方がいると思うのですが、どなたでしょうか?」


「あ、僕です」


そういって手を上げたのは輝崎だった。


まあ、何と無くそんな感じはしているから別に驚きもしないね。

アイツが【勇者】っていうことに驚いている様な感じはしないね。

皆、ああ、ヤッパリっていう感じだ。

ちょっとガラの悪そうな何人かは、今にも床に唾を吐きそうだけどとどまったみたいだね。


「見せて頂いてもいいでしょうか?」


「はい、いいですよ」


ステータスカードを巫女さんにわたす。

巫女さんは大きくうなずいて満足そうな顔をした。


「素晴らしいです。皆さんも見たそうにしているので見せてもいいでしょうか?」


「いいですよ」


「では、今度は声に出してステータスカードオープンをいってください。そういうとカードの上に情報が表示されます」


「ステータスカードオープン」


彼がそういうと空中ディスプレイのようにカードの内容が映された。

この光景には驚いた。

それは皆同じようだ。

驚きがさめ、情報を確認した。



名前 : 輝崎 勇希

職業 : 【勇者】【聖騎士】【雷魔法士】

種族 : 人族ヒューマン


体力 :D+

筋力 :C-

敏捷 :C-

器用 :F

魔力 :A-


称号

〈勇者〉〈鈍感野郎〉〈異世界人〉

スキル

・戦闘

〈聖剣技〉

・魔法

〈精霊魔法(火・風・水・土・雷・光)〉〈無詠唱〉

・生産


・特殊

英雄崇拝ヒロイズム〉〈極致突破〉〈時空庫アイテムボックス〉〈言語翻訳〉


「………素晴らしい数値です。魔力もそうですが、体力、筋力、敏捷も人族ヒューマンのすでに最高峰値です」


明らかにおかしいものが称号である気がするけど……そこには触れないのだろうか?

まあ、別にいいか……

それにしても、説明通りだとするとあれは低い気がするけどあれで、人族ヒューマンで最高峰ということ、これはどういうことだろうか?


私のその疑問は子供たちも同じだったようでそれを聞いたものがいたのですぐに解消された。


「これはこの世界に存在する全ての生物共通の評価なので、人族ヒューマンがそこまで高くなることはありません」


巫女さんはそういった。

しかし、それでも子供たちにはピンと来なかったようで、疑問がはれていないという顔をしていたので補足した。


「この世界には、人族ヒューマン以外にも人はいます。

我々と比較すると圧倒的に身体能力の高い亜人デミ・ヒューマンや獣人と呼ばれている者たちがいます。

さらに魔物モンスターと呼ばれる害獣も存在し、一部の存在は数十メートルを超える大きさを誇ります。

そのような存在が筋力、体力、敏捷がS級を超えるのです」


魔物モンスターか………

数十メートルというともはや怪獣とかそういうレベルだよね………そんなものたちと戦わせるのが目的なのだろうか?

もしそうだとすれば、担ぎ上げられて強制的に戦わせることは明らかだ。

輝崎は残念だけど【勇者】なんていうものを持ってしまっているから、もう逃げられないだろうね。

まあ、助ける気満々だからその力があって良かったんじゃないの?

これで無能だったら笑い話だしね。


それにしても私は完全に勢いで行動している彼を助けるという選択肢は、まったく頭に無いみたいだね……まっ、基本的には面倒くさがりの私が誰かの為に行動する何て、結構な縁がある彼女と彼くらいだろうね。

あの不器用な二人、最初のころはこいつらがいるから私の自由も侵されていると考えていたけど、彼らを見ているとつい忘れてたしね。

私は自分の頬がゆるんでいるのを自覚した。

子供たちが私を見ていなかったのは、幸運だったかもしれない。

普段は無表情で不機嫌そうにしているので、子供たちに見られていたら多分面倒なことになっただろう。


「さらに素晴らしいのは、〈精霊魔法〉の稀少精霊の適性が複数あることです。適正は【勇者】といえど、これは複数あるということではありません。

これは生まれながらにもった才能なのです。ここにある火、水、風、土は基本の精霊でありふれていて複数持っている可能性は低くありませんが、光に雷は中級以上しか存在しない、稀少精霊なのです。稀少精霊は、炎、氷、雷、鉄、光、闇の六つです。これは下位にあたる適性で鍛練し続けていれば、手に入る可能性がある程度なのです」


巫女さんが輝崎の【勇者】としてのだろうが、能力値いかに素晴らしいかの説明を続けた。


「あ、俺、雷あります」


「あの、私………見るからに戦闘職でないのですけど鉄があります」


「………氷がある」


「俺、炎があるぜ」


それに加えてさらに数名が声を上げた。

稀少で珍しいといっていたので、これは本当に驚いているのだろう巫女さんは目を見開いている。

クラスの内の約四分の一くらいが、その稀少精霊の適性を持っていた。


「これは急いで精霊国へいかないといけませんね………」


姫さんがそう呟いた。


「何で?」


と輝崎が問いかけた。

精霊国という名前からある程度予想はつくけどね。


「稀少精霊は、高位の迷宮ダンジョンの最奥、魔の源泉といわれる魔力だまりがある大陸の秘境、もしくは世界樹のある精霊国イーボルンしかいないのです。皆さまの現在の実力を考えると高位の迷宮ダンジョン、秘境は平均A級以上の魔物モンスターが平然と跋扈しているのでいくのは無理なので、現実的な行先は精霊国イーボルンなのです」


予想以上にスラスラと説明がされた。


「そ、そうなんだ」


輝崎は多少詰まったようだがしっかり返した。

それにしても一応姫様らしい人物に対してよくもまあ普通に話しかけるな。

貴族の邸っぽい建物と使用人みたいな者たちが普通に買出しに出ている所と、街の真ん中らしき場所にあったあの巨大な城を見たら、普通に封建制度の国ということが予想がつくだろうに………

封建制度はたいていの場合、人治国家で法の上に権力者がいるというのに……

よくもまあ、そういうものに対してああいう気軽な対応が取れるものだ。

巫女さんと周りの兵士が何も言わずにいるから、なのかもしれないが後々そういうもので何かに引っかかる気がしてならない。


「三輪、あんたは器用の値いくつだ?」


私がボケっと彼らのことを見ていると牙龍が話しかけてきた。

訝しい表情を浮かべている。

といっても、ほんの少しで観察眼がないと分からないだろう。

しかし、彼の無表情は自ら表情を隠しているのではなく、表情筋が動きづらいだけなので、コツさえつかめばかなり分かりやすい。


正直なんだろうね。


「私のステータスカードを見せるからお前も全部見せろ」


私は多少でも予想をする為に他の例を見たかったのでそう要求した。

おそらく、相手も同じ考えだったのだろうか、あっさり渡してきた。

それとも、見られようが見られまいがどうでもいいと思っているからだろう。


私はステータスカードの情報を表示させて牙龍にわたした。

牙龍から受け取ったステータスカードを見た。


名前 : 佐藤 牙龍 

職業 : 【闘術士】【柔術士】

種族 : 人族ヒューマン


体力 :D+

筋力 :D+

敏捷 :B-

器用 :A-

魔力 :C+


称号

〈武の天才〉〈異世界人〉

スキル

・戦闘

〈拳術〉〈脚術〉〈柔術〉〈鞭術〉〈短刀術〉〈短槍術〉〈弓術〉〈小斧術〉〈杖術〉〈盾術〉〈暗器術〉〈投擲術〉

・魔法


・生産


・特殊

〈金剛〉〈豪腕〉〈迅速〉〈直感〉〈時空庫アイテムボックス〉〈言語翻訳〉


………唖然とした。

戦闘にスキルは自分が基本的に修めたものか、もしかすると才能のあるものが出ているはずだと予想していた。

それがすべて正しいとすれば、これだけの武器を修めていて、さらにこれだけの才能があるということか………

まあ、称号に〈武の天才〉っていうものがある方が驚きか………私の〈観察者〉なんて、ほぼストーカーみたいなことをずっとしていたから出たようなものと感じるものなのに………

それにしてもパッと思い浮かぶメジャーな武器の種類は全て網羅していないか?


ステータスカードを見て、自分との差に内心でため息をついき牙龍の方を見た。

彼はやはりかと納得気な顔をしていた。


「器用の値はまだ情報が少ないから断言はできないが、身体をどれだけ自分の意思で動かせるかなのだろう」


「そうだな。あの兵士の器用の値はどのくらいかは知らないが、お前よりも明らかに歩き方が雑だな。後、もう一人くらい参考に出来るものがあれば確定できるな」


お前もだろうが、という目で見られたが私はそれを無視した。

そして私たちはそういって紫苑の方を見た。

今も、宙を見ていて物凄く危なげだ。


そんな彼女に対し、彼は一切の躊躇なく近づいていまだ宙に浮いているカードを手に持たせて、扱い方を説明しているのだろう十数秒ほど話した後、そのカードをもって私のところへ持ってきた。


「容赦ないね」


「どうせアイツがらみだろう?ならほうっておけば直るだろう?」


「今回にいたっては、そう楽観的には見れないな」


牙龍は私の反論にも興味なさげだ。

気にすることなく私に紫苑のステータスカードを見せて来る。



名前 : 榊 紫苑

職業 : 【侍】

種族 : 人族ヒューマン


体力 :C

筋力 :A-

敏捷 :B-

器用 :A

魔力 :


称号

〈鬼童〉〈刀人一体〉〈異世界人〉

スキル

・戦闘

〈刀術〉

・魔法


・生産


・特殊

〈無想剣〉〈時空庫アイテムボックス〉〈言語翻訳〉


おかしいな、今の巫女さんの説明を聞いたことと、ちょっとどころではなく物凄く矛盾しているような気がするのだが………


「「……………………」」


私たちはお互いを見合い。

無言のまま言葉を発せられなかった。

牙龍のステータスカードの内容を見た時にも思ったが、まだ二人分しか見ていないがあの家の皆伝位もちたちは何かおかしいのか?


ここに書いてあることが正しければ、彼女はこの歳で極みの境域に入っているとでもいうのだろうか?

牙龍も一部良く分からなく増えているもの以外は、実際に修めているということには気付いていたのだろう。

そのいわゆる極みの境域に同世代が入っているというとこが、よっぽど悔しかったのだろう相当不機嫌そうだ。


前から感じてはいたけど相当分かりやすい性格しているよね。

でも、お前は様々な武器を使うのだから、仕方ないと思うけどそれでも駄目なのか?


まあ、こいつのことは今は置いておいてだ。

問題は魔力の項目の空欄だな。

巫女さん魔力が最も重要な項目と言っていた。

それがGという最低値どころか、数値なしというのがどう言う扱いを受けるか想像がつかない…………いや、悪い方にならいくらでも想像がつくが………


「おい、牙龍。これは誰にもいうなよ」


「は?俺に指図するの?」


声からはいらだちを隠そうとしていない。

まあ、私からすれば別に素直で結構だけどね。

アイツもこれくらい素直ならねぇ。


「いおうとすれば、どうなるか知らないよ?直接動くのが戦いの全てじゃないからね?」


「まあ、いいよ。だったらあんたはこっちの情報を得る為に動くだろ?だったらその情報俺にも頂戴。なら黙ってる」


「構わない。それでお前を敵に回さないですむのなら悪くない」


私たちは巫女さんたちの方を見ているふりをしながらいいあった。

彼としても味方のいない状態で、協力関係の組めそうな者と対立してくるような真似はしないようだ。

無論いらだちは、隠していないけどこの状態でその強硬な姿勢は、相手から譲歩を引き出すことも目的にすれば、悪いことではないね。

実際に力をバックにした交渉事の基本的なことに偶然ながら一致する。


彼と話を終えると向こうの話も終わっていた。


なお、私たちの話をしている間の内容は簡単にまとめると職業の数について。

もてる数は人によって異なり、多いいほうがもちろん様々な能力を手に入れられるが、その分職業の階級をあげられないらしい。

その階級は大きく分けて下級、中級、上級、最上級の四つ。

輝崎の職業と一般的な者を交えて説明された【勇者】は最上級、【聖騎士】は上級、【雷魔法士】は中級と説明した。

【聖騎士】は【騎士】と【僧侶】の職業をもってある程度、能力を高める必要があって、下の階級の職業から上の職業を手に入れることができる。

さらに【雷魔法士】は、魔法職の階級は下級が【魔術師】、中級が【魔法士】、上級が【魔導士】とされていて、前に属性がつくことでその属性に特化した職業になり、その属性に限り上の階級と同じくらいになり、他の属性は下の階級とまではいわないが多少能力が落ちるといった感じだそうだ。


次に一般的な者の説明を始めた。

戦士職についての説明だった。

下級が【~士】、中級が【~術士】、上級以上は先頭に魔、聖、狂、極、炎、氷、雷、鉄、光、闇といったものがついているのが基本的で、以下のルールに入ら無いものも多くあるらしい。

それらはユニーク職と呼ばれている。

いわれているだけで、一人しか就けない唯一のものという訳ではなく、昔の【勇者】が、自分のものや珍しいものに対して、ユニークだな、といっていたのが使われる元となったらしい。

私からすれば、こちらをまずしてからした方が良かったのではないと感じた。

さらにまだまだ分かっていないことも多いそうだ。

最後に実はユニーク職は分かっていないものを総合すれば、ある一定の法則があるのではないかといい。

召喚者はユニーク職を持っていることが多いので皆さんには、是非まだ見つかっていないものを見つけて貰いでいですね、と付けてここでの話は終了した。


率直に感じたことは、まるでゲームのようなものが実際にあるのだ。


手に持つステータスカードに目を落し、こんなものを作るなんて随分と遊び心のある神だなあと苦笑しながら思った。


そして、あの説明にゲームが好きと公言している何人かのグループは、大いにやる気を出している。

おそらくこの説明はこっちに来た【勇者】、【異世界人】から、話を聞いているのだろう。


興味をひかせる方法として、あまりにも………


「なれているな」


私が考えているのと同時に牙龍が言葉にしてくる。

流石にこれは驚いた。

声を出さなかったのが、奇跡を言っていいくらいではないだろうか?


「お前もそう思うのか?」


「始められるまで、段取りがあったかのようだと感じたし、狙っているようなあのお姫様と巫女、兵士の人選。良くも悪くも美形には、ある程度だが警戒が解けるからな。

さらに明らかにこちらのことを知っていて興味をひくように考えられた説明」


「そうだな。まあ、若干その元凶くんも話に出たしね」


「過去の【勇者】」


「正直にいうと、本当に他力本願な考え方をしていると思うが、神という存在がいて祈るなり、生贄をささげるなりすれば、それが叶うのならそれを頼るというのもあながち理解できないことでは無い」


「巻き込まれているこっちにとっては、いい迷惑だがな」


「そうだな」


分かるが分かることと納得ができるというのは、イコールではないので彼のいうことは全面的に賛成だ。

私たちは向こうの世界に未練という未練もお互いに無いことは、承知しているがそれが誰かの下にいることは我慢ならないと言うもの一致することだ。


兵士たちの誘導で移動を始めようとしている。

次は多分あの城にいくんだろう。

できることなら謁見なんてさせられたくないし、どうにか逃れる方法はないかと考えていると一つ考えが浮かんだ。

私と牙龍は見事に同じ結論に至ったようだ。


「いけると思う?」


「五分じゃないか?」


私たちはその時にでもいう言葉を考えながら再び馬車に乗り揺られ出した。


本日はここまでストックの続く限り毎日更新します


ありがとうございました


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