035
大部屋の中にいる魔物をステータスカードに入れるふりをしながら〈虚空庫〉へ入れていく。
特にラージ・スライムの残した液体へ重力操作の理法を使って五百ml瓶に入れる。
俺がためらうことなくこいつの魔石を破壊したのは、土属性のスライムの液体は肥料になり、魔石よりも高く買ってくれるから。このクラスの土属性スライムとなると、この瓶一つ分でサッカーコートひとつ分の砂漠地帯を栄養面においては、数年の間安定した収穫ができる土壌にするほどだ。
まあ、当然のことだけど水は必要だから、そんな無駄なことには使わない。これはおもに高級野菜や果実を育てる時に使うようだ。
外でこの階位のスライムを探すとなれば、竜を探すより難しいらしい。まあ、ここで言う竜には、飛竜や地竜といった亜竜も入っている。
と言っても、亜竜も平均値B-以上、遭遇したら死ぬことを覚悟したほうがいい危険度だ。
つまりこの迷宮は、この階層だけでも相当な利益を期待できるが、下に行けばこれよりも高い階位のモノがいる。下層から得られる利益はもはや俺の想像できる規模ではない。
ラージ・スライムの液体を回収し終えた俺は、周りの通常のスライムたちを回収し始める。
醜鬼士と醜赤鬼が持っていた武器。
醜鬼士の持っていた鏡面の双剣は純度の高い魔真銀。魔真銀は魔力との親和性が高く、普通の武具に使われるのはもちろんのこと。魔杖武具と言われる魔法の補助機能の付けられたものの素材に使える物の一つ。
醜赤鬼の持っていた剣や槍は剛鉄。これは不純物の少ない鉄に時間をかけて魔力を注がれることで属性を宿したもので魔鉄と呼ばれる。剛鉄は魔鉄の中で土属性の魔力を宿したもの。
俺は休憩中ベアーテの持つ白銀色の飾り柄の部分に四色の宝玉が付けられた細剣の話題、その時に聞いた魔杖武具の話を思い出す。
魔杖武具は大きく分けて三種類。
一つ目は魔真銀に直接魔法詠唱式を刻んで適性のあるものが魔力を流すだけで魔法が使えるもの。
これは大きさによるが使える魔法は一つから三つ。
二つ目は魔真銀のほぼ全ての魔法の発動に必要な魔法の詠唱式を展開できるような特殊な加工をし、魔法の発動を補助する魔玉をはめ込む。主に杖として使い武器としても使えるもの。
自分で魔法は組み立てるので種類の制限はない。さらに調整した数種類の属性の魔玉をはめ込んでおけば、複数の属性を合わせた複合魔法も使える。
ベアーテの持っている細剣の区分はこれ。なお、この二つは防具にも組み込むことができる。
三つ目は二つ目の魔杖武具に銃の機構をつけたガンソードのようなもの。
と言っても、こちらの世界にも銃はあるそうだがこちらは、銃弾を飛ばすわけではないので銃身はない。その為、見た目は武器の手元に回転弾倉かマガジン、撃鉄が付いているようなもの。
弾倉には空の魔石を加工した弾丸を込める。魔真銀の刀身で詠唱式を組み上げ弾倉の中の弾丸へ送る。後は一定時間の間に引き金を引いて魔法を撃つ。
斬り合うようの加工もしているので、二つ目よりは組み立てるのが困難であるが複合魔法を使うことができる。高位の魔法や複合魔法のような巨大な魔法を使う場合は、大口径の弾丸が必要になる。ちなみに大口径の弾丸は回転弾倉のものもほうが多いそうだ。
これの利点は、起動式を作って弾丸へ保存していけるので途切れ途切れでも起動式を完成させられること。至近距離の斬り合いの中で瞬時に魔法を使うことができることの二つ。
一つ目と二つ目には特出した欠点はないが、これは欠点が多い。
同然だが弾丸の購入代金。銃の機構をつけている為、機構部の保護のために振る時は魔力強化を使わなければならない強度。高位の魔法を封入するためには、巨大な刀身及び弾丸な必要になるので巨大になること。機構部や柄のすべてを魔真銀で作らなれければならず重くなること。
それらの欠点のせいで三つ目の魔杖武具は、本当に強いもの以外使うものがない。
と言っても、ひとりひとりの使用量は多く意外と需要はあり、空の魔石なんて魔法具を使っていればいくらでも出るので、町以上の規模かあれば国が作るようにと命令を出しているので中位までの弾丸ならだいたい購入できる。
これらの欠点は、機能を細分化させたり機構を増やしたりと、日夜解消のために研究が行われているようだ。
なお、魔真銀製の武器や防具を持つことは、単純に自分の実力や金銭力を表せる。
一定の領域に達した冒険者は、高位種の魔物か魔真銀、魔力をあまり使わないものは魔属鋼……剛鉄と言った属性の宿った鉱石の上位金属製の武器を好んで使うらしい。
考えことをしながらスライムの液体の回収作業をしていると、気づくと最後の一体となっていた。
ふぅ……
俺は最後の一体を〈虚空庫〉に入れ終え息を吐いて周りを見る。他の魔物たちの死体もだいたい回収されていた。
それにしても、戦闘中はたいして気にならないが、終わると死体の放つ様々な臭いは嗅いでいて不快になる。
ギルド内で習得した〈悪臭耐性〉が、本当に役に立っている。
と言っても、シュカが若干辛そうな顔をしているだけで、他の者たちは慣れっこなのか平然としている。
魔物の回収を終えた俺たちは、部屋の奥にある扉を開いて先に進む。
扉の中に入ると奥に入ってきた時のような大穴がある。ただ深さは入ってきたものよりも三から四倍ある。
中央に巨大な岩が組まれた帰還門。そして入ってすぐの場所には装飾のない金属製の箱がひとつ置いてある。
………宝箱?
それを見て驚いているとルカが近づいていった蓋を開ける。
中から取り出したのは、一対の片刃の双剣と黒墨色の外套、鈍い鉄色をした積層籠手。
「ベアーテ〈鑑定〉を頼む」
「了解」
ベアーテはルカから双剣を受け取り短く答える。ベアーテは目をつぶって双剣に魔力を流していく。二十秒ほど続けると口を開く。
「属性鉄、魔力量D-、二階梯〈鉄槍〉同階梯〈鎖縛〉三階梯〈叫炸砲〉、ランクD+級」
ベアーテは次に外套を撮り同じように魔力を流す。
「属性影、魔力量 E+、一階梯〈影錬〉二階梯〈滑影〉同階梯〈影迷〉ランクD-級」
同じく籠手。
「属性鉄、魔力量D、一階梯〈突刃〉三階梯〈尖弩弓〉ランクD級」
ベアーテは渡された三つのアーティファクトの鑑定を終える。
「さて、これらの所有権を持ちたいものはいるか?」
ルカが俺たちの方を見て言う。
答えるものはいない。
「いないようだな。ならこれは俺が買い取る」
そう言ってステータスカードへしまう。
「一階層からこれほどまでのものが出るのなら、これよりも下の層で出てくるモノにも期待できる」
そう言う彼は満足そうだ。さらに高位のスライムに魔真銀、魔鉄。さらに下層に行けば魔属鋼も出る可能性もある。
「今回の探索は終了だ。地上に帰還する」
表情を元に戻すと、部屋の中央にある帰還門に近づいて魔力を流し起動させる
岩に触れて魔力が流れると、岩に複雑怪奇な詠唱式が表面、内部。さらには空中に現れる半球を描く。
阪急内部で魔力が高速回転。次々と魔力は流し込まれていき、迷宮の外の森の景色が見える。
ルカ、オルガ、ベアーテがなんの躊躇もなく潜る。その後を俺、シュカ、エマが続き、俺が地面を踏む頃にはディートリッヒ、オルガ、リュエが出てきて門が閉じる。
そいて門から感じる膨大な魔力は地面に吸収され、門も消えていく。
俺たちは丸一日ぶりに外の空気を吸った。新鮮な空気が体に染み渡る。
迷宮の内部で常に尖らせていた警戒を少し緩める。
今は俺もだがこの世界の人間は、向こうの世界の人間と根本的に肉体の強度や出力が違う。さらに緊張状態であれば魔力が半強制的に血中二酸化炭素を酸素に戻し、一度の息継ぎでゆうに数分間は無酸素運動ができたり、筋肉の収縮を妨害する疲労物質を分解したりする。
肉体はまだ動いても、迷宮のような暗く閉鎖された空間にいると精神的には疲労がたまる。
外に出るとそれが一気に襲いかかってきた。
まあ、迷宮内にいる時には誰ひとりとしてそういう素振りすら見せなかったのは、危険な場所にいるということによって体が強制的に抑制しているのだろう。
それにしても転移門があることは聞いていたが、使ってみるとつくづく魔法と言うものは凄まじいな。
俺は消えてくる空間に空いた穴を見ながらそう思った。
休憩中に聞いた話だが同盟各国の首都とそこから一定の規模を超えた都市、人口百万人級の都市どうしはつながれているようだ。
ただ、これを使うには膨大な使用金が必要なのはもちろんのこと国の審査を合格する必要がある。
はたして俺が使わせてくれるか?それはもちろん、出生不明、経歴不明なのに高い能力があるあからさまに怪しい人間が使わせてくれるわけがない。
ともすれば、ルカたちと出会えたことは俺にとってかなりの幸運だろう。おそらく、ここよりも下の階層は増員を待って探索をする。
俺はそれに参加して信頼を勝ち取れればいいなと思っている。俺はまだ手札が残っていると、示唆しながら第一層を戦い抜いた。ルカの見せつけるように使った不可視の斬撃は、俺の楽観的な考えかもしれないが脈ありだと思う。
俺たちは来た道を戻り冒険者たちのキャンプ地点に戻った。走りながら気づいたことだが、地上に出てきて街へ向かっている魔物は、迷宮から吐き出されるものがなくなっているようで収束し始めているようだ。
おそらく、もう少しで今回の騒動は収まるだろう。原因が迷宮であったことをどう説明するのか分からないが、まあそんなことは俺が気にすることではないな。
「ちょっといいですか」
キャンプに入る前にルカは俺を見て視線を街の方へ向ける。俺はその意をくんでルカへ話しかけた。
「なんだ?」
「俺たちはあなたたちからの依頼で動いていました。ですので、ギルド長の報告の席には、同席しなくていいと思うのですが。
お暇していいでしょうか?」
「ああ、問題ない。ご苦労だった。
今日の五時ほどに伺う。店長にこの二人が食べる分の菓子を作るように頼んでおいてもらないだろうか」
「分かりました」
「では、また」
なお、オルガとベアーテの二人もどうせルカが説明をして自分たちは、何も話さないのだろうから行っても意味ないと言いたげで、先に帰れる俺たちのことを羨ましげに見てきていた。
・・・*・・・*・・・*・・・
ハヤテたちが去ったことを確認すると、ルカへディートリッヒが鋭い視線を向けながら口を開く。
「何故彼を帰したのですか」
「何のことかな。それに帰られたのが何か問題があるのなら、その時にでも止めればよかったのではないか」
ルカのとぼけたような返しにディートリッヒは苦い表情になる。
「こういうのは慣れていないのですね。言えるわけがないでしょう」
ルカはそれを聞くと返事をすることなくギルド長のいるテントに向かった。
周りのテントよりも一回りほど大きなテントに近づくと来た時と同じように護衛に話しかけ中へ入る。
見た目の倍の広さに拡張された内部に、線の細い眼鏡をかけた冷たい印象の男性が長机の上に積み上がった書類を処理していた手を止めてルカへ視線を向ける。
「迷宮内に人間が入ったので魔物の流出は止まったようで……地上の戦いも終わりそうですね。
ご報告に参りました」
「ええ、冒険者たちは急に魔物たちの量が少なくなり、まだ戦い足りないと言っているものが多いですね。
そちらもご無事で何よりです」
ルカとギルド長は微笑を浮かべて言った。
「迷宮は少層広域型、ランクは高位。
第一層の出現魔物は醜悪鬼、土属性のスライム、ナイト・バット、灰狼。門番はそれらの上位種。階層危険度はC級」
ルカはそう言うと懐からベアーテの描いた地図を取り出した机の上に置く。
ギルド長は迷宮のランクが高位と聞いたとき僅かに眉が跳ねる。ルカは真面目な表情で話してるが、その目が笑っている。
冒険者ギルドについて説明しておく。
世界中ほぼ全ての国に支部をおいている冒険者ギルドは元々【勇者】の考案した組織だ。
つまり、この組織の本部は聖国に神律教同盟の首都にある。
聖調教同盟は、幾度となく神律教同盟に侵略をされてきている。
その為、聖調教同盟は冒険者ギルドに高い警戒を持っている。さらにS以上のランクを得るための試験は本部に行かなくてはならず、戦力が流出すると警戒している。
神律教同盟では迷宮の管理も冒険者ギルドが行っている。しかし迷宮の数自体が聖調教同盟域内は神律教同盟域内の十数倍ある。
それら手に入る膨大な量の高質の魔石に鉱物、アーティファクト。
実質的に敵国である国に本部を置いている組織に、聖調教同盟に膨大な資源をもたらしている迷宮を管理させるわけにはいかない。その為、聖調教同盟はそれらを管理するための組織、探索者ギルドを作った。
できることならば魔物討伐や採取、護衛の依頼を行う別組織を作りたかったが、冒険者ギルドは潰せなかった。
さらに迷宮に対する影響も削ぎたかったが、完全に削ぎ切ることはできず。下位中位は冒険者ギルドが高位最高位は探索者ギルドが管理することになった。
当時、冒険者ギルドは高位迷宮の管理権まで取る気でいたが、それ以上を取るのなら不利益が潰すのに掛かる費用の方が少なくなる。その為、聖調教同盟はこれ以上を取るのなら潰すと脅し、今の管理区分に落ち着いた。
まあ、すべての冒険者ギルドの長が神律教同盟とつながっている訳ではないだろうが、それでもギルドの収入が上がれば単純な話利権になる。現在の大部分はこっちだろう。
ちなみに魔杖武具の研究は、膨大な量のアーティファクトが手に入る聖調教同盟より神律教同盟の方が進んでいる。
なお、ハヤテは冒険者ギルドが【勇者】の作った組織で本部が聖国あることはアンリさんから聞いて知っている。
強制参加の依頼にこれでもかというほどの拒絶反応を見せるのは、自分では面倒だとか参加しないほうがお金は稼げるとかそういうことを思い浮かべていたが、本当のところはこれが大きな理由となっているだろう。
ルカは迷宮内の温度や光量、魔物の出現頻度、休憩の取れる場所を話す。
「報告は以上です」
「感謝する」
と言い、ルカは話を終えその場で礼をして、オルガとベアーテと共にテントから出る。
「聞いていたな。他の支部に連絡しろ」
「はい」
ギルド長は横にいる護衛にそう言う。
ルカが本国に戻り報告を終え、探索者ギルドの人員がやってくるまで最短で二週間。そこから機能するようになるまでさらに一週間。
冒険者ギルドはそれまでは自由に動ける。自分たちで管理できないのなら、攻略をしてしまえばいいということだ。
迷宮の核とも言える迷宮石はSS-~SS+級の魔力値を持つ魔物と同じ魔力生産力の持つ魔石。
この国では売ることができないだろうが、冒険者ギルドのネットワークを使い神律教同盟側に持っていけば売れる。
聖調教同盟では迷宮の攻略は許可がない限り探索者ギルドでは禁止だが、冒険者ギルドは禁止していない。
ただ、冒険者たちも普通は攻略しない。ほかの冒険者たちに恨まれて殺される可能性があるからだ。
まあ、それは完全に周知されきった場合の話でできたばかり約半年までは皆攻略をしようとする。
と言っても、体大の場合はそんなことはできないのだが。
だが、別の支部から選りすぐりの人材を集めれば半々の確率で攻略はできる。できなくでも手つかずのアーティファクトが大量に手に入る。
聖調教同盟側はそれを分かってはいるがやめさせることができない。表向きには、冒険者が自由にやっているということになっているからだ。
その為、呼ばれた冒険者と派遣される者たちは迷宮内で熾烈な殺し合いをする。
「…………ディートリッヒ。彼らの雇ったものたちはどうだった」
護衛のものが出ていくことを確認するとギルド長は、ディートリッヒにルカの雇った者たちのことつまりハヤテやシュカ、エマのことを聞いた。
「そうですね……強かったですよ。
ハヤテ君は極めて高い槍の技量と魔力操作技能を持った魔槍士。さらに能力を隠して、いえ、あれは自分で制限していて、それでも私たちよりも強い。
シュカちゃんは付加魔法と強力な固有魔法を使うます。彼と同じで余力を残しているようですね。ただ、それがなんなのかは、残念ながら分かりませんでしたが。
エマ君はこの二人と比較すると分かり易いですね。彼の持っているおそらく名前持ちの高位のアーティファクト、それを使いこなす技量。千差万別の動きで相手を詰めるように削ります」
「ふむ………できることならこちら側で使いたいところであるが難しいのだろう?」
「そうですね。あまりこちらには、いい印象を持っていないようで。残念ながらそれも分かりませんでした」
聖調教同盟国の都市部には、非常に冒険者ギルドに良い印象を持っていないものは多いが、ギルド長やディートリッヒから見れば田舎から出てきた者たちに極めて稀にいる超級の実力者。
冒険者ギルドに嫌悪感を持っている理由が分からない。
ディートリッヒは大変柔らかくに言ったが、あれは聖調教同盟国の大貴族が持つ感情に匹敵しそうなものだ。
ギルド長もそれはしっかりと読み取る。
「それでいてA級高位ランクの実力者がこのタイミングで現れ相手についてしまうというのは我々も運がない」
「そうですね。しかし、それは少々訂正したい部分が」
「ん、何をだ?」
ギルド長は訂正したい部分というものが自分では分からないと思った。
少し、考えるとA級上位というのは言いすぎたかと考えた。それのことか?と言おうとする前にディートリッヒが口を開いた。
「彼は私たちより強いといったのです」
「なんだと?冗談は止せ」
「………」
ディートリッヒの発言にギルド長は苦笑で返すが彼の表情は真剣そのものだ。
「まさか、いや………そうだとすると……」
「一応言っておきますが、私たちとはパーティが全員揃った時ですよ」
「………」
ギルド長は思いため息を吐いた。
「馬鹿な……あの年齢で到達者級となっていると言うのか?」
「信じられないことですが、頷くしかないです」
到達者。
冒険者と探索者ギルドのランクや騎士の階級、その他組織で使うようなものは、様々な能力を評価され上に上がっていく。
これはそれらの垣根を越えてステータスとスキル、経験から総合戦闘能力ただ一つを表すために使われる称号の一つ。
正式にその階位に到達していることが承認されれば、聖調教同盟の勲章省から勲章が授与され様々な特権が得られる。
「さらに言うとシュカちゃんも到達者級と予想しています。
もっともこちらは確認ができたわけではありませんが、リュエが言うには自分よりも遥かに高い魔力を持っていて抑えていると。
これは彼にも言えますがね」
ディートリッヒの言葉を聞いてギルド長は絶句した。




