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逸般人たちが勇者召喚に巻き込まれたようですよ  作者: satori
第二章 逸般人にテンプレ?が降り注ぐようですよ
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020

門番の人にステータスカードを機械の上に置いた。

犯罪があるかどうかを判断すると聞いているが、後から内容を見ることができる可能性があるので、内容を変えておく。


ステータスカード確認を終えると、馬車の中身を確認する。


ロドリグさんが犯罪奴隷予備を運んでいると、先に言っているので特に何か言われる訳もなく、犯罪行為をしているかどうかを確認する魔法具を使って確認している。


長い………はい、俺の所為です。


ハッキリ言って、確認するものの中身は、魔物モンスターの素材、魔石だけだ。

ロドリグさんは商会を運営していて魔石は、自分の好きなタイミングで売れる。

まあ、魔石は劣化するから持ち続けるのは、マイナスになるけどその辺は分かってるだろう。


大体、個人が魔石を必要とした時は、商会から買った方が安い。。

しかし、それは運ぶ時の代金も含んでいるからで、値段を冒険者ギルドの買取りよりも値段を倍以上上げても、国から買うよりも安い。


………美味しい商売だな。


ある程度、繋がりが必要あるけど結局かなり楽だよな。

みんなこっちをすればいいのに………教育がないからアホなのか?


「はい。通っていいですよ」


おっと、終わったようだ。


門番さんが出してきた証明書をロドリグさんが受け取って、それを俺が受け取る。

門を抜ける時に分かったが、この外壁相当厚いぞ……大体十メートルくらい。


魔物モンスターやそう言ったもの対策なのだろう。


………いや、厚過ぎるだろう。


もしかして、この世界の町って全部こんな感じなのだろうか?


それくらい魔物モンスターによる脅威があるのだろうか?


でも、それを考えるとあの村って……………あれ?グエンさんもしかして、まだ何か隠してる?


「ハヤテさん、私はこの街でロドリグ商会の会長をしているので、良かったら来てください」


俺が考えごとをしているとロドリグさんから話しかけられた。


「あ、はい…………会長!?」


「ん?そうですよ。言ってなかったですか??」


「聞いてませんよ………」


「あれ………グエンさんから聞いていると思ってのですが……」


ロドリグさんがあれ~と言いたげな体勢をした。


ん?


何か、こっちへむかって走って来る者がいるな。


「会長!!」


「エトさんじゃないですか、どうかしましたか?」


「どうしましたかじゃ、ないですよ!?書類が溜まってるんですよ!?早く来て下さい!!!!」


ロドリグさんからエトと呼ばれた少女は、俺たちを見向きもせずにロドリグさんに詰め寄る。


「ははは、ハヤテさん。来てくれたら、ちゃんとお茶を出しますので、来てくださいね」


ロドリグさん……それってサボる口実が欲しいだけなんじゃないか………


俺は、エトさんのあの追求を見た後で、このタイミングでそれを言われるとついそう思ってしまった。

ロドリグさんは笑いながらエトさんにそのまま連れていかれた。

他の店員たちも慣れているようで、気にした様子もなく連れていかれた方向へ馬車を動かす。


「それじゃあ、ハヤテ次はいつ会えるかは分からんが、また」


「ロランさんはここではどうするんですか?」


「ロドリグに用意してもらった宿に泊まって、安全な魔物モンスターを狩って金を稼いだり、村に持って行く用の食糧を見つくろう」


「そうですか、俺はこれを奴隷商へ持って行った後は、冒険者ギルドの方へ行くので、そこで会える可能性がありますね」


「そうか、では」


「はい」


ロランさんたちも移動を始めた。


その場には、俺とシュカが残った。


「それじゃあ行こうか」


「……ん」


俺とシュカは奴隷商へむかった。

俺としては、シュカは宿にでも先に言って貰って、奴隷商へは行かない方がいい気がすると、馬車の中で行ったのだが、聞いてくれなかった。


はぁ………意外と頑固だな?


俺はその時にそう感じた。


ロドリグさんから聞いた場所に来た。

建物はかなりきれいな見た目だ。


俺は深呼吸し、中に入った。

中も外と同じできれいにされている。


「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用でしょうか?」


無表情なメイド服を着た受付嬢さんがいた。

容姿はかなり整っている。


耳がとがっていてまさに妖森族エルフと言う見た目をしている


それ以上に目を引くのは彼女の首元。


首輪があった。


奴隷か………


「お求めは、私でよろしいでしょうか?」


ふむ、商品か………てっ!?


「なんでそうなるのでしょうか!?」


「違いましたか?ここで買えるような奴隷は私しかないので。

では、本日はどのようなご用でしょうか?」


受付嬢さんはしれっと、話を変えた。


「犯罪奴隷の証明書と引き換えに来ました」


俺はポケットから証明書を取り出して受付嬢さんに渡した。


「拝見します………はい。では、そちらの部屋でお待ちください」


受付嬢さんは証明書を切れ目にそって切り離し、切り取った片方を俺にわたして来る。


「ありがとうございます」


「では、私も買ってくれます?そのくらいお金があれば買えますよ?」


「いいです」


ハッキリ言って本気なのか本気でないのかは、分からないがそう聞いてきたので、取り敢えず今はいらないので断っておく。

と言うか、絶対買えない気がする。

もっとするだろうきっと。

でなかったら、もっと早く売れている気がする。


「そうですか」


何だと!?………今の俺の観察眼と〈心眼〉を持っても真偽が見分けられないとは………メイドの受付嬢さん、恐るべし……


自分で思いながらも、意味不明だ。


何と言うか、目の前にいるのだけど、気配がないんだもん。

魔力は感じるんだけど、それ以外がないんだもん。

凄い不気味なんですけど、絶対に暗殺術とか使えるタイプだよ。


俺は言われた通りの部屋に入る。


直ぐに先程の受付嬢さんが、お茶を運んできた。


礼をして部屋から出る。


その都度、音がない。


カップをテーブルに置く時も、完全に無音。


………落ち着かねぇ。


俺はカップをもってお茶を飲む。

かなりおいしい。


熟練の腕だな。


俺の思考を他人が知れば、完全に落ち着いてるかマイペースと言われるだろう。


数分後、店長らしき人が入ってきた。


「こんにちは」


入ってきた店長が挨拶をしてきた。


かなり若く、眼の細い優しそうなイケメンだ


何と言うか、太ったおっさんのイメージがあったのだが、イメージから外れるにも程があるだろう。


その後に受付嬢さんも入ってくる。


ん~、何と言うか、この二人絵になるな。


店長さんが俺の対面に座る。


持っていた革袋をテーブルに置いた。


「確認してください」


中を確認すると一人金貨一枚で内容は、八枚と銀板九枚、大銀貨九枚、銀貨十枚、合計金貨九枚分。


「確かに、あります」


正直、かなりの収入だ。


あの後、聞いてみたが、魔法薬ポーションと言うのは、本当に高級で滅多に使われないそうだ。


それを聞くとリリちゃんがあの時、魔法薬ポーションのことをいったのも、もしかしてと、思ってしまう。

ちなみに、普通の傷の治りを早めるものは、傷薬として普通に売っている。

それの違いは、製薬過程に魔法を使かって魔力を込めているか、どうかだそうだ。


「どうも」


「ところで、あなたは奴隷を買いに来たのですか?」


あれ?思ってたのと違う。

ここまで来たら、もっとぐいぐい来るかと思ってたけど、違うね。


「いえ、どうしてそのようなことを聞くのでしょうか?」


「もしかして、知らないのですか?」


「そうですね………」


店長の前に受付嬢さんがお茶を置く。


「おいしいね。ありがとう」


「いつものことです。それにご主人様の舌では分からないでしょう」


あれ………なんか本当にイメージと違う。

何と言うか、メイドの受付嬢さんの方が立場が上のように見える。


「あ、ほら、変な目で見られているよ」


「大丈夫です。ご主人様は変ですから」


「「………」」


俺とシュカは完全に何これと言う目で見ている。

一瞬、俺の世界とは奴隷の定義が違うのではと、思ったがシュカも同じような目をしてるので多分同じだろう。


「彼女は自分の祖父の代からいてね。

正直、親のおしめの世話さえしていた人に強気に出られる訳ないんですよ」


俺たちの視線に気付いたのか説明をしてくる。


「へぇ………」


「………」


俺とシュカの視線を受けても受付嬢さんは身動ぎ一つしない。


「よく買われませんでしたね」


「ああ、そうじゃないんですよ」


「どういうことです?」


俺は聞いた。


「彼女は見ての通り妖森族エルフで見た目もいい」


「ご主人様は、幼少の頃よく私に欲情しましたね」


「料理もうまい」


「ご主人様はよく悪黒物質ダーク・マターを作りますね」


「売り上げの計算もできる」


「ご主人様は頭が弱いですからね」


「S級冒険者並みに強い」


「身体も弱かったですね」


「親の借金の担保にされた子供たちの教育もできる」


「ご主人様はあやすこと一つもできませんね」


店長さんは受付嬢さんのすごい点を挙げて行く。

そのたびに、心を抉るような毒舌が繰り出される。


………すごいなこの人、ここまで言われて表情一つ変えない。


俺は心の底から戦慄した。

正直あそこまで、言われたら心が折れるだろう………


と言うか、シュカはドン引きだ。


その前にここって、このメイドの受付嬢さんがいないと、経営成り立たない気がするんだけど………


この店長さん何やっているのだか、全く分からない。


「そんなこんなで感じで、それらに関する大量の特殊スキルを持っているから、一応売る時の値段をつける指標に照らし合わせると、大緋金貨五枚」


店長が手のひらを開いて五を表してそう言った。


大緋金貨………銅、銀、金、白金、緋………普通、大、板があって………10,000,000,000,000マギ。

五枚だから………50,000,000,000,000マギ。


大雑把に大金貨二枚2,000,000マギで五人家族が、普通に生活できるって聞いたから大体1マギ=2~3円で換算が可能うだろう。


だから、百~百五十兆円。


さっきの男たち一人二~三百万円か。


差が凄いね。


ええと、さらにここの通貨は魔石を価値の担保にしているから、通貨も作られた年代ごとに劣化すると言っていい。

大体、銅、銀、金、白金、緋は一年で、50,25,10,5,5%ごと値が落ちる。

上にいくごとに安定していくので、下がりは緩やかだが金貨にしても一枚で100,000マギだから、一年で10,000マギ大体の

円換算で2~30,000円くらいが、一年たつタイミングで持っていたとすると消えるのか………

ちなみに、1マギ以下は、切り捨て。

なお、魔石は2~3年でなくなるので、それに合わせて貨幣も国に回った時に、新しいものに作り替えるので、そこまで複雑にはならない。


カミラさんから聞いた時に、金を貯めると言うことが、完全に無駄としか思えない構造だ………と思った。


計算大変だろうなと思ったら、計算機……そろばんのようなものが普及していて、商売をする人間は俺たちの世界基準で見るとインド人レベルに暗算ができる。


しかも、〈算術〉のスキルを持っていれば、一度した計算は基本的に覚えるので、拍車をかける。


あ、ええと、彼女を本当に買おうとしたら、大体、S級の魔石でもらえる報酬が白金板一枚。

冒険者ギルドの推奨ランクはSパーティー以上になるから、一人あたりはあっても大白金貨1枚くらい。

一年でその仕事を個人なら百回、パーティーが一丸になって仕事をしても、十回。


もちろん、仕事する時は準備もあるから、もっと必要。

さらに、S級は討伐をしに行くのは、遥かに移動の方が時間がかかる。


貯めることが難しいこの世界の通貨構造で、緋金貨五枚は現実的に無理な金額ではないだろうか?


詰まる所、売れ残ったじゃなくて、誰も買えなかったっていうことか。


「一番、金額を増やしているのは、教育系の特殊スキルを持っていることなんです」


教育系………ああ、S級冒険者級でそれを持っていれば、確かに本人の分だけじゃなくて、これから先の教育で育たられるものたちの分もある程度追加されるな。


さらにそれが奴隷商にいるのなら、その効果は計り知れない。


「そう言えば、彼女が買えるような奴隷はいないと言ってましたが、どう言うことでしょう?」


まあ、大体予想がもうついている。


「犯罪奴隷は直ぐに鉱山や炭坑、大規模農地などを経営しているものへ直接渡すようになってます。

借金の担保にされた子供は、元の金額の五倍、生活費の十倍を返納できれば解放されるのです」


普通に買う時は、各倍づつ。

でも、解放のハードルはかなり高く設定されている。


普通は無理だよね、普通は。


S級並みの特殊スキル持ちの教育………


「あ、大丈夫ですよ、狩りの時は彼女同伴なので」


この人……稼ぐ気なくね………

いや、定期的に入ってくる犯罪奴隷だけで十分なのか?


「ええと、どうしてこんなことしているのでしょう?」


「いや~、親は早く死んじゃった訳ですよ。

それで、忌み嫌われる仕事を引き継ぎました。

お金は両親が残してくれたので、だったらこういうことをしていればいいと思いまして」


はあ、成程……


「まあ、こんな人なので切り捨てずにいるのです」


「アハハ、彼女はその気になれば、奴隷化の魔法を自分で壊せますからね」


ええ、自分で壊せるんだ。

て言うか、それ以上に商品にならないじゃん。


「あの……大丈夫なんですか………それ?」


「アハハ……能力値が一定を超えるとできちゃうんですよね。

何で、私なんかについてくれるのでしょうかね?」


「ご主人様は放っておけば、野垂れ死にますから、本当にしっかりしてください」


「アハハ……お世話になってます」


………本当に、この二人は良く分からないな……


俺はその後、十分くらい話をして奴隷所を出た。


「変な人たちだったね」


「………ん」


「こう言う人ばっかりならいいのにね」


「………ん」


俺たちは気分が害されると思っていたが、思ったよりもと言うよりも、かなり気分が良くなった。


次話投稿は2/19 12:00です

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