新章予告
ながらく更新停止していて申し訳ありません!
ペースはまだ回復できそうにないのですが、話、少しずつ進めて行こうと思っています。
1年以上空いてしまったので、ついでに少し話を改めさせてもらおうかなと……
(前章はちょっと途中で途切れて、少し話が飛んでいます)
待っていてくださる方には百万の感謝を。
まるでそれは醒めない夢のような景色だった。
浮遊感、マップ移動で何度も経験しているはずのそれが、目眩のように重い。
揺らぐ視界で捉えた視界は、夜霧の中に沈んでいた。
だが、次第に焦点を結んだ視界の、見知らぬけれど見知っているその光景に、呆然と立ち尽くす。
「……嘘だ」
大理石と水晶とで組み上げられた背の高い建物が並ぶ。
古代ローマを思わせるエクスフィリスとは似ても似つかない、近代的な様相の眼前の街。
スクリーンショットやプレイムービーで幾度も目にしたことがある。
この街に攻め込むことを夢見て、地図を眺めたこともあった。
―クロバール共和国 首都 ディオファーラ
雪華月 20の日
夜霧の向こう、大通りを武装したプレイヤー達が足早に駆けていく。
動き出したシステム。アグノシア帝国とクロバール共和国の全面戦争に向けて雪崩を打って滑り落ちていく世界で、俺は迷い子のように立ち竦んでいた。