04話 再会(1)
「・・・・・・」
「ちょっと、サトル?大丈夫?」
母さんの慌てた声で俺は、自分がフリーズしている事に気づいた。
「な、っあご、ごめん!
俺の名前はサトル、九条サトルだ!よろしく!!」
やばい焦って変な感じになった。まあ、うん仕方ないよね。そう言って俺は心を落ち着かせた。
「私はエレナ、よろしく。・・・」
・・・声を聞いて確信した。彼女は俺が知っているあのエレナだ。しかし、昔のような元気な姿はそこには無かった。
(あの火傷跡はなんだ、?どうして日本にいるんだ、そして。なんでそんなに暗いんだ、。)
同時にたくさんのことが頭の中を埋めつくした。
「あっお母さん買い物してくるの忘れちゃったわ」
「サトル留守お願い出来る?」
「えっ?あ、うん」
「ありがとう今日のご飯には期待しててねぇ!」
「バタンッ・・・ガチャ」
あいつ、この状況で買い物行くか、、?
本当に変な人だ。俺は心の中でそう思ったのだ。
「あ、えと、ここは寒いから部屋に行こう。」
「・・・うん」
・・・すごく気まずい。本当に気まずい。
「ここが君の部屋だよ、狭くてごめんね。」
「・・・わかった。」
(どうしよう全然感情が読めない。昔はあんなに考えていることが読めたのにっ!あぁえっと・・・)
結局その日は話が出来ないまま終わってしまった。
部屋は一緒だがまるで真ん中に仕切りでもあるのかっ!と思うほど話しかけずらかった。てか無理。
今日の夕食なんて最悪だった。あ、飯が不味かった訳ではない。母さんの作る料理は全部美味しい。
母さんは能天気なのかなんなのか知らないけど、いつも通り明るかった。(よくあの空気で明るくできるよな、、)
とにかくエレナとの会話がなくてやばかった。
言葉では言い表せないほどやばかった。
(本当に何があったんだよ、いや、やばいことがあったことは確かだ。ひとつ言えるのは俺エレナを庇って死んだこと。だがそれだけであそこまで・・・。)
俺は考えを巡らせた。
そして1つの考えに思い至った。
どうして火傷をしたのか、それは聞いてみないと分からない、でも
(あいつ学校でなにかあったんじゃないか、?)
元々あの世界に居たエレナがなにかがありこの世界に来た。何も知らないし恐らく簡単には馴染めなかったはずだ。そして火傷、さらに児童養護施設に居たとなると、
今の世代はいじめが多い、見た目などで簡単に差別しいじめに発展してしまう、
俺はちらりと横を見た。エレナはもう寝てしまっているようだ。距離があるが見えない程ではない。
(・・・疲れてるんだろうな。明日は休みだ。・・・よし。)
俺は目を瞑り眠りについた。