03話 私の居場所
私は今児童養護施設にいる。簡単に言うと親のいない子供や家庭問題により家族と暮らしていけない人達がいるところだ。両親が見つからなかった(もう会えない、)私は児童養護施設に入れられたのだ。
それから約5年がたった。
私の里親が決まった。
(こんな火傷がある私を引き取ろうなんて物好きもいるんだな、)
私は児童養護施設に入れられている間、中学校という所に通っていたのだが、そこで私が望まれていない存在だと思った。最初はこの世界のことや、この世界での友達ができると思って楽しみにしていたのだが現実はそうではなかった。
原因は火傷だ、もちろん仲良くしてくれた人も居た。
だけど悪口や嫌がらせ、それらが私の心を暗くしていった。
(火傷さえなければ、)
(いやそもそもあの時アイツらが村を・・・)
しかしいくら思った所であの頃には戻れない。
(前向きに生きるって決めたのに、ごめん・・・ルカ)
「はぁ勉強めんどくさいなぁ」
「母さんは引き取る子を決めたとか言って出掛けるし、」
「まじでどんな思考回路してんだよ」
俺はそんな事をぶつぶつと一人呟いていた。
傍から見てヤバいやつだ。
まあ母さんがこうなったのは俺のせいとも言えるが、
ことは数年前俺が妹が欲しいなぁとかぼやいたことから始まった。
思考回路がおかしい母さんはそこから里親登録して引き取る事を決めた今に至る。
(普通に考えてありえないだろこれ)
でも母さんは優しいちょっと変わっているけどいい人だ
しっかり引き取った子にも愛情を注いでくれるだろう。
(うん、そう信じてる、母さんは変わっているがいい人だ。うん。消して俺に責任は発生しない、さ。)
・・・今日から一人っ子卒業、か・・・
俺には昔妹みたいな存在がいた、名前はエレナだ、なんだかんだ優しくて正義感が強く、可愛い女の子だ。
俺のいた村は小さくてみんなが家族みたいだった。
でもある日、村が襲撃された。
俺はエレナを庇って多分死んだ、いや死んだ。
それで多分、転生?した。
気づいたら俺はこの世界に生まれていた。
こうしてルカ・クローヴィスは九条サトルに転生したのだ。
(うーんなんか壮大)
「あいつ元気にしてんのかな・・・」
しかし考えても仕方の無いことだ、今俺は受験勉強に追われてい、
「ガチャ」
「帰ったわよ〜」
母さんが帰ってきたのか。・・・
(やばい今になって緊張してきた。・・・あれだろ児童養護施設にいたんだから、なんか、その、心に闇とかあるんだろ、ど、どう接したらっ!!)
いや、偏見は良くない。俺は呼吸を整えた。
笑顔で、第一印象を良く、!!
「おかえり母さん」
「ただいまぁ
ほら挨拶しなさい!」
「初めま・・・」
「ちょっとアンタ!ちゃんと挨拶しな!!」
時が止まったような気がした、
今俺の前にいる人物、
それはエレナにそっくりだった。