序章 始まる絶望 壊れる日常
この小説を見つけてくれてありがとうございます。
この小説は趣味で書きはじめ誰かに読んでもらいたいと思い投稿しました。初めての投稿ですがよろしくお願いします。
鳥の声が聞こえる・・・
朝・・・?え?。正直もっと寝てたい、きっと誰でも思う
ことだ、うん、そうに違いない・・・。
「バシッ!」
「いてっ・・・!!」『ドタッガンッバゴーン』・・・
ベットから転げ落ちた私はそのまま棚にぶつかり降り注ぐ物体によって身体中をボコボコにされた。
朝起きた、いや起きようとした瞬間から酷い仕打ちだ、
今日は厄日かもしれないと心の中で思った。
「いきなりなにするのよ痛かったじゃない微妙に!!」
私はじんじんと痛みがある体を起こして言った。
「なかなか起きない誰かさんにはちょうどいい仕打ちじゃないかな?」
笑顔で言う少年。
私の隣の家に住むルカ、私を含めたこの村で数少ない若者の1人だ。まぁそんな小さな村だからこそ村全体が家族のようで私はこの村のことを気に入っている。
勝手に家に入ってきても何もおかしくないのだ。
「あ?」『そもそも私は誰かさんって言う名前じゃないんだけど、エレナってう名前があるんだけど?』
なるべく威圧できるように声を低くくそして大きな声でそして恐ろしい表情・・・?で言ったはずだった。
「ごめんごめん悪かったてこんなになるとは思ってなかったんだ、」
ルカはいたって平気そうに言った。
また失敗したっ・・・心の中で私は叫んだ。
ルカを怖がらせることは出来ないのだろうか・・・?
小さい頃からルカとはこの村で一緒だがなにかに怖がってる所をあまり見たことが無いのだ、いつの日からかルカを怖がらせたいと思うようになり、時々脅かしていたのだ。しかし全く怖がらない・・・私には理由がよく分からないが。周りの人は私から優しいオーラが出ていると言う、なので脅かしても怖くないらしい。ちょっと何言ってるか分からない。
「僕を本気で怖がらせたいなら、まずは優しさを捨て口調を変えることから始めたらどうだい?」
「優しさってなんなんよ、別に私優しく無いと思うけど・・・?」
「あははっ」
「な、なによ!」「も、もう起きたから外に出よ!」
ルカは意味不明に笑いだした。私はその空気を何とかしたくて王都で使われているなんかすごい馬車並の速さで外に出た。
「おはようルカくん今日も元気だねぇ エレナちゃん今日も寝坊したのかい?」
「おぉ、2人とも朝ごはん食べてくかい?」
外に出ると村の人達が話しかけてくる。楽しくて暖かくて私は村の人達と話すのが好きだ。
そんないつも通りの日常の中、
『『ぐわぁぁあ!!!』』
悪夢が始まった。
「な、なにが、」
珍しくルカが焦っている、私たちは急いで声のする方向に向かおうとしたが、その必要は無かった。
「おい、動いたら殺すぞ」
突然冷たいものが首筋に触れた。
恐る恐る後ろを見る、そこには黒い服で身を包んだ男が立っていた。
「あっ・・・」
「「誰だか知らんがそいつらを離せ!」」
フランクおじさんの声だ。
この村では力がある方で、直で殴られたら恐らく死ぬ。
手に棍棒を持って男に殴りかかっていく。
「ズシャッ ・・・ドサッ、」
倒れたのはフランクおじさんの方だった。
「動くなって言ったよな?、こいつのようになりたくなければ大人しく言うことを聞け。」
「ボスこちら住民の拘束は完了しました。」
「わかった、こいつらを馬車に乗せろ逃がすんじゃないぞ」
「はっ」
この村1番の強さを誇るフランクおじさんが倒れ、皆抵抗する気力は無くなったかと思えた。
だがそれは間違いだ。
『「ちょっと・・・!!待ちなさいよ!こんな事するなんて許せない 何が目的かは知らないけどこの村で好き勝手させないから!!」』
「おいっ何言ってるんだ!状況を理解しているのか?」
ルカがなにかを言っているが今の私には届かない。
「大した度胸だな」
「なんだてめぇボスに指図するな!!」
「嫌だ!みんなをはなして!私はここを退かない!!」
とにかく言い返した。とにかくみんなを助けたかった。
「子供一人ぐらいなら殺しても文句は言われないだろう」
「殺す気?、やれるもんならやってみれば?」
自分でもなにを言っているか分からなかった。
『舐めるんじゃねえぞ小娘がぁあ!!』
あ、死んだ。私はそう思った。
「ズシャァア・・・」
赤い液体が舞う、鉄のの匂いがする、しかし痛くは無かった。
「え?、」
私の前には少年が一人力なく倒れていた。胸は赤く染まっている。当たりはまるで血の海だった。
「ど、どうしたのルカ?なんで倒れているの?・・・」
脳が上手く働かない、鼓動が早くなっていく。
「ごめん、エレナにはもっと生きて欲しいんだ。優しい君には死は似合わないよ。本当にごめん・・・・・・。」
「は?」
それからルカは喋らなくなった。
「おいこの少年この小娘を庇いやがった!心臓を一突きしたからもう助からねーなぁ?」
「な、お前・・・え、」
(なにを言ってるの?ルカが死ぬ?そんなわけ、、)
「善人ぶるからだよぉこの偽善者がぁ!!」
「違う、わ・・・たし、は・・・・・・。」
「お前の無駄な正義感がこいつを殺したんだよぉ」
「本当にみんなを守りたかったのならこうはならなかっただろうなぁ?」
私は地面に倒れ込んだ、男達の笑い声が響く、
私の・・・せいだ。
私のせいでルカが死んだんだ。私がルカを殺してしまったんだ。こんな私を庇って、
「あ、ぁぁ」
「あの少年に免じて命だけは助けてやる」
「さっさと乗れ!」
それから私たちは馬車に乗せられた。
あれから何日たったか分からない。村の人達が私を慰めてくれたが、私は何も言うことが出来なかった。
「降りろ!」
そう言われ私達の馬車での生活は終わった。他にも馬車があるところから襲撃されたのは私たちだけではないようだ。
「・・・王都?」
そこは話で聞く王都に似ていた。そして前にあるのは、
「ここはラヴィレンス城だ、今日からお前らはここの奴隷として働いてもらう。」
なんで、どうして・・・
ラヴィレンス城といえば王都の中心にある王族が住まう所である。王族が村を襲撃?いや、そんなはずない。
私の心は困惑で埋め尽くされた。
それから私たちは奴隷として使われるようになった。
―エレナにはもっと生きて欲しいんだ―
「・・・生きなくちゃ」
こんな私を庇ってくれた。私が悪いのに、全部。
罪悪感で押しつぶされそうだ。でも生きなくちゃ、
初めてルカのあんな表情を見た気がするフランクおじさんが倒れた時確かにルカは怖がっていた。
「バカ・・・怖かったくせに、」
私はそんな事を思いながら重い足枷を引き摺り暗い廊下を歩いている無駄に長く豪華な廊下だ。
そして何気なく壁に触れる。
「カチッ」
「ゴゴゴゴゴ・・・ガシッ」
ここは私が見つけた隠し部屋だ。私はこのままではいけないと心の中で思っていた。逃げ出してやる、
今世界がどうなっているかなんて分からない、でも
逃げなくちゃいけないと思った。
どうやらここは書斎だったようだ、もしかしたら隠し通路が書いてある本などがあるかもしれない。私は廊下にあったろうそくを手に本を手に取っていった。
「・・・これは、?」
なにやら魔法陣のようなものが 書いてある本があった。
「魔法・・・?」
この世界に魔法は存在しないはずだ。たしかに御伽噺や童話の世界にはあるかもしれない、しかしこの本には魔法らしきものが記されていた。
ページをめくっていく、
「おい、このあたりから物音がきこえなかったか?」
「おいおいよしてくれよ」
「皆殺しにした王族の霊かもな!」
皆殺し・・・?気になる会話が聞こえたが今はそれどころではない。まずい、ばれる、殺される、
私は慌てて隠れようとしたが
「「ガシャンッ」」
ろうそくを落としてしまった。火は舞っている埃に燃え移り。近くの本から書斎を燃やしていく。ガラスが割れる。棚が崩れ落ちる。
「痛っ」
飛び散ったガラスの破片で指を切ったようだ。
血が本に落ちた。
「ブワッァァァ!」
本が燃えた?いや違う・・・
・・・わ・・・・・・開・・・く・・・
なにかが聞こえる、しかし上手く聞き取れない。
廊下の方から火が出ていることに気づいたさっきの人たちが焦った様子でなにか言っている声も聞こえてくる。
(何がなんだかわからないや、私ここで死ぬの?、まだ死ぬわけにはいけないの・・・に、)
『残った言葉は絶望だ』
・・・私の意識はそこで途切れた。
この小説を読んでくれてありがとうございます!
投稿頻度は多くはないと思いますが頑張って投稿していきたいと思います。
面白かった!という方は、ぜひ評価やブクマをよろしくお願いいたします。