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6:現実恋愛『新しい恋【200字】』
人目を忍ぶ恋には背徳感があった。
人目に触れる恋には高揚感があった。
人目に晒さられる恋には羞恥と後悔と絶望があった。
「俺との恋には?」
「分かんない」
今のこの感情が恋かどうかも。
怖かった過去を引きずり、目の前を直視出来ない自分には分からない。
髪を梳かすように、長い指と大きな手のひらが頭を撫でる。
「大丈夫。幸せにするし、守るから」
「その自信、どこから来んの?」
「顔と体」
最低な返し。でも、ぷはっと笑えた。
2:現実恋愛『天秤【200字】』もそうだけれど、性別をどうとでも取れるように書いてしまえば、キーワード設定は不要だと思った。