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3:『恋するまな板の鯉【200字】』
「はいでは右に二回転して」
「そこでストップ、息を吸って……止めて」
「はい今度は左に一回転」
「少し体を左向きで、止まって息を吸って、吐いて」
ドロリとした液体とシュワシュワする粉を飲んだ。
聞こえてくる指示に従い、ゴロゴロと転がる。
まな板の鯉のように、操り人形のように。
「ゆっくり起き上がって」
両足を地につけ、そろりと立った。
初めての感覚。
喉の違和感が酷く、礼を言おうにも声が出せない。
人魚は人間になった。
「はいでは右に二回転して」
「そこでストップ、息を吸って……止めて」
「はい今度は左に一回転」
「少し体を左向きで、止まって息を吸って、吐いて」
ドロリとした液体とシュワシュワする粉を飲んだ。
聞こえてくる指示に従い、ゴロゴロと転がる。
まな板の鯉のように、操り人形のように。
「ゆっくり起き上がって」
両足を地につけ、そろりと立った。
初めての感覚。
喉の違和感が酷く、礼を言おうにも声が出せない。
人魚は人間になった。
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