27:『子ども達からは良い出汁が出る』
読んで気持ちの良い作品ではきっとないと思います。
自己嫌悪。
反省……しなきゃなぁと思います。
インフルエンザが流行っている。
週の半ばで上の子が発熱し、A型の陽性結果が出た。
夫も私も仕事を休めず、受診を終えてすぐ、市内にある私の実家に息子を預けた。
下の子に移したくないという考えもあり、上の子はそのまま実家に泊めてもらった。
週末、土曜日はとりわけ洗濯物が多い。
家事だけであっという間に時間が過ぎていく。
夕方、私は上の子の様子を見て来ると言い、実家に向かった。
夫と下の子は外食するようだ。
「ギャー! 物件がぁー! 六億がぁー!!」
「ちょっと、ぴったり重ならないでよ」
「サイコロが全然出ない~」
コタツに、蜜柑に、すごろくゲームの新作ソフト。
夕食は母親の手料理を有り難くいただく。
イカの煮物が旨い。
食後のカフェオレも、茶菓子も、有り難くいただく。
なんと実家の居心地の良いことよ。
上の子の熱は昨日から平熱で、食欲も元に戻ったようで、顔色も良い。
かりんとうが旨い。
ん、カードかプラスか……迷う。
スマホが震えていた。
四秒ほど待ってみるが、まだ震えている。
「はい、もしもし」
「ままぁ、いっしょにねようよぉ? さみしいよぉ」
「あ、うん、もうすぐ帰るからね。いい子にねんねしておくのよ?」
「うん、わかったぁ!」
「うん、後でね」
通話が終わった。
「ごめん、もう帰るわぁ。……誰かが目的地に着いたらもう帰るね」
「そしたら母さんの、コンピュータに切り替えていい?」
「うん、いいよ」
下の子からの電話では、夫の声はしなかった。
でも着信は当然夫から。
チッ、とつい舌打ちをしてしまう。
子ども達からは良い出汁が出る。
とても良い出汁が出る。
そして大人達は、その出汁を都合良く啜っている。




