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5・生徒会役員五名

5・生徒会役員五名


「ハハハ! こいつが生徒会副会長⁈」


 むか。やたらガタイのいい、生徒会構成メンバーのうちの「執務役員」のヴォイゼの奴が俺の顔を見るなり笑っている。生徒会室での話だ。

 俺は、職業「戦士」のコイツとは実は顔見知りで。去年の今頃、この高等学院の入学式の後に一戦やらかした事があったりする。


「正気かよ、生徒会長? こいつの邪悪さはやべーぜ? 矯正なんてできねぇって!!」


 セルフィナに向かって、いろいろ吹き込むヴォイゼ。いわく、女に目を付けると甘言を弄して落とし、弄んだのちには簡単に捨てる。いわく、歯向かう男には僧侶の術で金縛りをかけて、ロングメイスでボコボコにぶっ叩いて、勝ち誇る。


 まあ、いちいち訂正するのも面倒だし、訂正するも何もそれらはすべて事実だったりするんだが。


「それがゆえに、邪な連中には力で認められている。それはあるな? ヴォイゼ」


 セルフィナがそう聞くと。


「……そうだな。実際俺も、このジェヴァには勝てなかった。戦士が僧侶に負けるなんて、恥もいいところなんだけれどな」


 と、ヴォイゼは嘘をつかずに言ってのけた。こいつは、男らしいから嘘はつかない。


「ジェヴァさんが生徒会に所属していることで。生徒会費を納めない、アウトローの生徒たちに対する威圧効果は。十分に期待できますね。集金もはかどると思われます」


 会計役員のミオナという名前らしい女子生徒がリムレス眼鏡を押し上げて、そんなことを言った。こいつには、殺されるとか何とかいうよりも、計算で全てを測られていそうな不気味さがどこかにある。


「……ボクはコイツ嫌いです」


 先日、俺が頭突きで鼻血を吹かせた書記役員のシーズは、とても不機嫌そうな上に、忌々しい者でも見るような目で俺を見るが。まあ知ったこっちゃない。


「まあ、書記のシーズ、会計のミオナ、執務のヴォイゼ、そして会長の私。ここに副会長としてあなたを加えることで、生徒会の規定メンバー五人が揃うわけなんだけど。生徒会内での揉め事は困るから、それは承知しておいてね、ジェヴァ」


 セルフィナは、そんな風に言葉を閉じた。


「しっかしよぉ! ジェヴァ、なんでお前が副会長になんて? 何の心境の変化だよ?」


 生徒会役員が静かにお茶と茶菓子を食べているときに。ヴォイゼがバカでかい声で聞いてきた。


「強制辞令が来てな。今までの不品行、放校に値するが。生徒会員として学院の為に尽くすのならば、それらを不問に付す。セルフィナの奴と、学院長の連名でそんな通知貰っちまったんだよ」


 俺がそう答えると。

 ヴォイゼは爆笑した。


「あったりめーだ! ハハハ! お前の餌食になった女子生徒や、お前にボコられた男子生徒が何人いると思っているんだ? 贖罪(しょくざい)ってモンだよな! 自然の摂理も、人の法も。逸脱しすぎた存在は認めねーんだよ」


 わかったようなことを言うヴォイゼ。脳筋の癖に生意気な。

 そうは思うが、確かに俺は自由にやりすぎていたかもしれない。


 少しは、自制というモノを覚えるか。

 そんな気持ちが自分の中に沸いたが、邪神崇拝の基本路線は。


 変えるつもりは全くない俺だった。

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