10・対吸血聖騎士戦、続
10・対吸血聖騎士戦、続
「おらぁっ!」
ほー。ヴォイゼの奴。一年前よりはるかに腕上げてやがる。クソ重たい銀製の大剣をぶん回して、ジェイン先輩のブラッドアクスを巧い事いなして、生徒会パーティーを守っている。じゃ、俺も行くかね!
「それっ!!」
ヴォイゼとほぼ互角の肉弾戦をかましていたジェイン先輩だが。ヴォイゼほどではないにせよ、そこそこの肉弾戦闘能力を誇る俺の棒術がこちらの攻撃に加わったことにより、少し苦しそうな表情を浮かべた。
「クッ……! 散れ、ブラッドビット!!」
ジェイン先輩は、また自分の手首を爪で切り、血をほとばしらせる。
今度はそれは斧の形をとらなかったが、もっと厄介な事になった。
血が、大量に血球として散ってそれがそれぞれ楔の形をとって飛び、こっちのパーティ全体を襲ってきたんだ。
「けっ! 結界術っ!!」
お? シーズが物理防御結界を張った! 何というか、強度に難がありそうだが、もともと血液が凝固しただけの楔の群れを防ぐには、十分な効果があったようだ。
「シーズ! 防御任せていいか⁈」
本来、結界を張るのは専門職である僧侶の俺の役目なんだが、俺には肉弾攻撃に加わらなければならないという現状。中途半端な成長だが、僧侶と魔導士の兼任職の司祭見習いシーズの能力でそれをこなせれば。この戦い、有利に進む。
「ふん! ジェヴァ! 君なんかに言われなくても、僕は立派にやれる!!」
おー。いっぱしの口を利く、シーズ。なら。
「任せたぞ。ミオナは魔導士だ。生命力も耐久力も低い。あとは、そこでまだ転がってる生徒会長さんも守っといてくれ。この先輩は、俺とヴォイゼで片ぁつける!!」
俺はそう言った後、ヴォイゼに目配せして。
「やれっかヴォイゼ? 高速連携攻撃。俺はロングメイスで連続で突く。ジェイン先輩がそれに押されて怯んだところに突っ込んで斬撃加えろ!!」
「ふん。いいぜ、やるぞジェヴァ!」
ヴォイゼの応えを聞いて。俺はジェイン先輩に向かって突っ込んで。
二メートルのシルバーロングメイスのリーチを存分に活かした棒術で、先輩に打撃を加える。
「きさ……ま! この貴種たる私に! 私の顔に殴打を加えるとは!!」
突然キレた表情を浮かべるジェイン先輩。まあ、俺のロングメイスが鼻に強烈に直撃して、整った顔がちょっと歪んだからな。
「殺してやるっ!!」
俺に完全にターゲットを絞ったジェイン先輩。あっはっは。
バーカ。
「おらぁ―――――――――っ!!」
この筋肉バカの事、意識の外に置くなんて愚の骨頂。
ヴォイゼのロングシルバーソードの一撃が見事にジェイン先輩の身体を捉えた。
「おっ! ぐおおおおおおおっ―――――――!!」
右の肩口から切り込まれた袈裟斬りが、見事に入って。
ジェイン先輩は真っ二つにぶった切られた。
「おし!」
俺とヴォイゼは、拳をぶつけて作戦成功の合図を打った。




