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9・対吸血聖騎士戦

9・対吸血聖騎士戦


「斬るっ!!」


 おいおい、頭に血ィに昇りすぎだ、このバカっ!!

 俺がそう怒鳴ったのも間に合わずに。

 セルフィナはジェイン先輩に居合切りを放った。


「ほう? 大した横薙ぎだが……。これで、『居合切り』のつもりか?」


 うげっ! ジェイン先輩やべぇ! 俺が喰らいかけたときにヤバいと思ったセルフィナの居合切りを、「横薙ぎ」と表現した上に……。

 右手の指で刀を挟んで、何の動揺した様子もなく止めやがった!!


「喰らい給え、未熟なる生徒会長君よ。ふっ!」


 ジェイン先輩はそのまま、セルフィナの腹に強烈な蹴りを叩き込んだ。


「おぐっ! がっは!」


 あー。みぞおち入ったなありゃ。こっちに吹っ飛んで戻ってきて。腹抱えてもがきまわるセルフィナ。


「……先輩? やりすぎですよ?」


 その声を放ったのは、ミオナ。なんか、リムレス眼鏡の奥の視線がスゲェ冷たい。

 ミオナは、複雑な印を高速で組み始め、同時に呪文を高速詠唱。そして、それが終わったとたんに、右手の指でジェイン先輩を指さす。

 とたんに、凄まじい電撃砲が発生して、ジェイン先輩に直撃した。


 強烈な爆風が、廊下に吹いて。寮内の壁が何枚か吹っ飛んで。

 すごい埃が、あたりに巻き起こった。


「……なんだ今年度の生徒会は? 生徒会長よりも腕の立つ者がいるのか?」


 ジェイン先輩、やっぱりやべぇ。あれで消し飛ばなかったのかよ……。

 声が聞こえる上に、埃が収まってきたら、大したダメージを受けていなさそうなジェイン先輩の姿が、相変わらず俺たちの前に立ちふさがっている。


「……吸血鬼系の呪文抵抗力を……。見誤りました……。てへっちょ♪」


 ミオナが、自分の頭をこつんと叩いて。舌を出す。いや、そういうキャラじゃないだろあんたは。


「ジェヴァ。やんぞ。肉弾攻撃なら、吸血鬼にも真っ当に通る。俺が銀の大剣、お前がシルバーロングメイス。生徒会の予算から出して買った武器だ。生徒会役員として、ここをちゃんとやらないと。一般生徒に示しがつかねーぞ」


 ヴォイゼの奴が、自分の身長並みに長いロングシルバーソードを背中の鞘から抜いて構える。


「まあ……な。こんだけのバケモン。倒せば『点数』も稼げるだろうしな」


 俺もそういって、鉄製のロングメイスより重たい銀製のロングメイスを、棒術式にぶんぶん振り回してビタッと構える。


「ふっふ。肉弾戦を挑むか。ならば、こちらはこれを使わせてもらう」


 ジェイン先輩はそういうと。自分の爪で自分の手首を切った。

 そこから、血が流れ落ちるが……。なんか変だ。

 血液の動きがおかしい。何かの形を取りつつある。


「ブラッドアクス。わが魔力を帯たる血によってできた巨斧(きょふ)だ。これで貴様らを叩き潰してくれる」


 とんでもなくでかい斧を血液で創り出したジェイン先輩は、それをどっしりと構えると、スキのない臨戦態勢をとる。


 この前。生徒会室でコイツを「大したことない」と評したのは誰だったか? ずいぶんヤバい奴じぇねーか、とか思って。窓の外をふと見ると、満月が空に浮かんでいた。そもそも、俺たちの間違いは。授業が終わって、生徒会室で作戦を練って。

 夕方になってから、この寮を訪れたことかもしれない。そんなことを思った。

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