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その口吻は毒より甘く  作者: 門音日月
第1章 売身都市
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18話 オレの中のオレ

 壊し方さえわかれば、後は簡単な作業のようなものだった。

 動きを止め、首を断つ。最初の一体と同じ要領で、二体目も動かなくなった。

 そのオレの後ろで、女が二体目の首をねじ切り、どこかへと投げ飛ばす。

「ぃぎゃ!」

 野郎、逃げようとしてやがったな!

「オイ、どこに逃げようとしてやがる」

「た、頼む命だけは」

 命だけは、だ?

 義兄さんが死んだのはこいつのせいだ、こいつのせいでオレは義兄さんを。

 オレの中に泣き続けているオレがいる。ああ、だから今コイツを殺して終わりにしてやるんだ。

 なのに、どうしてオレの中のオレは泣いたままなんだ。

「ゴーヴァン、私はどうすればいいのかね。」

「うるせえ! 黙って待ってろ!」

 今まで生きるために殺してきただろう。

 ヒトのことを売り物に、見世物にしてたようなやつだ、殺したって何のことはねえだろうが。

 どうしてオレの中のオレは納得しない。義兄さんの仇も同然なのに。

 ためらう必要なんかねえ! 一撃だ、一撃で終わらせられる!

「テメェ、子供はいるか?」

 男が何度も首を縦に振る。

 だから何だ。どうしてこんなことを聞く。

 男に歩み寄る。

 逃げようとする男の服を掴み、床に引き倒す。

「チクショウが!」

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