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第七十七話:ドョㇻ̇ベッガ

 昨日の雪は何処へやら、

 此の街に雪は見掛け無いみたいだ。


 そりゃそうだ。何故なら、皆熱属性で雪を溶かして雪掻きをするのだから。


「おーいおーい!!! あっにきー!!!!」

「あ、ガルジェ。」

 彼がタタタと此方に向かって走って来る。

 冬の装いに身を包んだ彼は何だか強そうだ。


 元々がもふもふなのに、

 其処から更に羊の毛で作られたみたいな黒と白のチェック柄の暖かいコートを着て居る。


 少し、おかしく感じて了う。


 一応手紙は出したのだけれどしっかり来てくれたみたいだ。

 ……けど、早過ぎじゃない?


「……あ、其の首飾り如何したの?

 恋人でも出来たの?」

 何時も通りきらきらと光って居る其れを指し口を開いた。

 不思議そうに眺めて居る。


「違う。」

 ヷルトとかも其う言って来たから、

分から無いでも無いのだけれど。


 でも、違う物は違うのだ。


「ツェルバ……名前はモーレス。

 彼から貰ったの。謂わば……。」


「分かった!!!!

 魔物に好意を寄せられてるって事か!!」

 僕が途中迄言った所で割り込む様に言って来た。

 親指を突き立てて目を見開く。


「違うわ!」

 僕は直ぐ様ツッコミを入れる。

 語気を強めて否定した。


 彼って言っただろうが!

 魔物なのに、種族を残す事が第一な筈なのに何故妊娠すらしない雄を選ぶんだ!


 如何して此奴は此う云う解釈をして来るのだろう。

 頭お花畑どころじゃない。枯れ腐って最早草一つ無いのだろうか。


「はは……あー……何か、

 コイツが冷属性の使える様に成る物みたい。」

 ヴァルトが僕の肩に手を置いた。


「えー!!! すげー!!!

 良かったじゃん!! 兄貴ぃ!!」

 其う言って其れを羨望する様な眼差しをする。

 舌を犬みたいに大袈裟に出して腰を降ろしてまじまじと見て居る。


「う、うん……まぁ、其うだね。」

 余りにも無垢で純粋なきらきらとした目で、

其れも面白げに見て居るので少し引いて了った。


 此う云う純粋過ぎる奴なのは分かって居るつもりなのだけれど。


「わぁ……綺麗だ……何の宝石なの?」


「いや……分から無いや。宝石では無いと思うけど。」

 寧ろ、此んな自分から、理由も分からずに発光する様な宝石何て見た事無い。


「分から無い!? へー、兄貴でも分から無いの有るんだ!!」

 ニコニコしつつも驚いて居る。

 落胆したと、と云う依りかは何故か嬉しがって居るみたいだった。


「少なくとも僕でも分から無い事の一つや二つは有るよ……。」

 何となく崇められて居る様な気がして眉を下げて彼から顔を逸らす。


「あ、其うなの?」


「うん。」


「ふーん……。」

 彼は何処か納得して無い顔で溜め息混じりに言う。

 ……其んなにか? 国立図書館とか、リングペディアでは無いんだぞ。


「あ、学会って何処なの?」

 思い出したみたいに真面目な顔で質問する。


「あ、あっち。行こうか。」


「え、てか、ヷルト如何したの? 染めた?」


「うーん……何て言うかなぁ……。」


 * * *


「おい、合ってるのか?」

 彼は一人で箒に乗って、僕はヷルトの箒に乗せて貰って居る。


「うん。合ってる合ってる。

 此処からはボㇰ゛ベッㇰ゛区だから降りてね。」

 彼等に聞こえる様に手を口の横に当てて言った。

 地面を見ると石造りの門と壁みたいな物が見えた。


 箒が地面に近付くに連れて其処に引っ張られるみたいな気がする。

 風がびゅうびゅうと吹いて毛皮に当たり少し肌寒い。

 いや、毛皮寒い?


「……んで、其処には何が有るんだ?」

 箒から降りた僕等は其の塔みたいな物に向かって歩いて居る。

 門を潜り監視員みたいな人の冷たい視線を受けながら。

 

「公共交通機関……って言えば良いのかな?

 ドョㇻ̇ベッガって名前の乗り物だよ。」


「あぁ、文字的に魔法で動くのか?」

 ドョㇻ̇ベは魔法を表す言葉だ。

 ベッガ……は少し変化して居て、

 元々はベッガワㇻ̇ㇳ、と言う乗り物とかを表す言葉だ。

 其れのアルトが消え去ってワの子音は発音され無いみたいだ。


 つまり、意訳すると魔法鉄道みたいな感じだ。


「そうそう。大正解。」


「へー、此んな物出来てたんだな。」

ガルが其の塔を見て興味深そうに見詰めて居る。


「其うだよ?」

 少なくとも僕が此処を出た時にはもう出来て居た。


 ……此の街では此処の区だけにしか無いから、余り使う機会は無かったんだけど。

 精々学会に行く位しか使った事は無い。


「勉強漬けだったからなぁ。

 外に行く機会も中々無くてよ。」


「……あ、そっか。」

 忘れてた、と云うか、娯楽の時間さえ削って居たのか。

 何だか、本当に昔の自分みたいだ。


 やったから分かるのだが、余り良く無いのだ。

 偶には休暇を取らないと人間おかしく成る。


 僕の姿を見て無いのだろうか?


「駄目だよ、無理するのは。」

 彼を心配して


「ふふふーん、其処は見習ってますねよー、

 流石に三食取って睡眠もしっかり取ってますよーだ。」

 鬱陶しい位に笑顔で僕をおちょくって来る。

 ……コノヤロ。


 けれど、ちゃんと那の姿を見て学んで居るのはちょっと嬉しい。


「……え、お前……食事も取らずに勉強してたのか?」

 驚嘆して居るのだろうか、僕の眼を真紅の眼でぐりぐりと見て来る。


「う、うん……へへへ……転生した当時、

 何か訳も分から無くて……さ。何かね。」

何だか、恥ずかしく成って了う。


「「……えぇ。」」

ヷルトは引いて、ガルはやや顔を下に向けて卒爾して居るみたいに見えた。


「いや其れは不味いでしょ、駄目だろ。」


「何か……ごめんね、勝手に成りたいとか言っちゃって……。」

ヷルトは兎も角、何故がガルジェが明らかに落ち込んで居る様で細々とした声で謝って来る。


「いやいやいや良いって!!!!

 止めて!? もう過去の事だからさ!!」

 言った自分が悪かったな。

 特に、憐れまれる何て嫌いだ。


 勿論、悪意でやって無い事は分かる。

 ……分かるのだけれど、何か、突っ掛かる物が有るのだ。

 喉に突っ掛かった小骨みたいに。


 過去を否定されて居るみたいに思って了うのだ。


 如何にも此うにも上手く払拭出来無い。

 此の捻れに捻れひん曲がった性格は如何にかしたいな。


「あ、着いたよ。」

僕等の目の前に円柱状の塔が見えた。



「……なぁ。」

「何?」


「階段辛過ぎるだろ!! 長過ぎるよ!!??」

僕等は其の中の螺旋階段みたいな物を登って居る、


「まぁ……はぁ…………そりゃね……。」

……正直疲れて居る。


「兄貴も息切れしてんじゃねぇか!!」

ガルジェが柄にも合わずにキレキレのツッコミをして来る。


「……はははは…………あぁ。」

僕は足を震わせながら其の場で静止して了った、

本当に、体力だけは無いな。


今やっと三分の二位登れた事だろうか。


「ちょ!? え!? 止めて!?」

するとヷルトが僕を持ち上げてまるでお姫様抱っこみたいな形成って了う。


「足を引っ張る位ならこっちの方がマシだ。」

と云う事らしい。


思わず、顔を両手で押さえて了う。

其の儘僕は駅のホーム迄連れて行かれるのだった。

取り敢えずは学会の準備をする為に向かいます。

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