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第六十三話:対戦モーレス②※

九月二十二日、鱗雲之日本語表記にミスが有ったので修正しました。

十月二日、上記と同じ事をしました。

「あんたは何使えるんだ?」


「一応基本四属性は使えるけど、 

 得意なのは雷魔法ね。」

僕が氷柱を躱して奴に攻撃するタイミングを伺って居た時、

後ろから其んな会話が聞こえた。


「……分かった、じゃあ上手く隙を作ってやろうか。」


「ん、準備するわ。」

らしい、じゃあ僕も彼女の攻撃を当てる為に隙を作ろう。


多分ヷルトが其う言ったのは雷魔法はかなり隙が大きい技許りなのだ。

勿論、当てられれば強力な技に成る事間違い無しだが。


僕はヷルトが走ってこっちに来るので、

攻撃を加えて僕の方へと引き寄せる。


「オマエ!!!! オマエ!!!! オマエ!!!!

 アニヲ!!!! コロシタ!!!! シネ!!!! ツグナエ!!!!」

ちょっと腹に傷を付けただけなのだけれも奴は僕にターゲットを変えたみたいだった。


何故か分から無いけれども、

僕を執拗に狙って来て居る。


でも此れは囮役としては都合が良いではないだろうか。


「ミギウデ!!!! ミギウデ!!!! ノコッテタ!!!!

 ミギウデ!!!! ホカハナカッタ!!!! オマエ!!!! オマエガ!!!!」

奴は其う言って大きく口を開けて僕に氷の息を吐いて来る。

僕の耳の


……右腕? 


(…………もしかして。)


やっと此処で僕は気付いた。


(行く前に倒した那のヅェㇻ̇バか!!!)


多分此奴の兄は那の炎が轟々と燃え盛って居た那奴なのだろう。

只、其うすると……親は如何なるのだろう。


あぁ、多分何か事情が有って一緒に暮らして居たのだろうか。

前世でも本来関わり合う事の無い動物達が出会う事象って無くは無いらしい。


僕は身体と思考と働かせて彼女の方向を見た。

彼女は全身がバチバチと雷に覆われて居るみたいに見えた。


「ヒューテ̣ムメリ̈ア・ヤ゛!!」

彼女の双剣がびゅっと刀身が伸び、

其の雷の剣で奴の腹を突き刺す。


バチバチバチと大きな音がする。


……流石に、村の人達は避難出来ただろうか。


「ウガアァァァァァァァァァァ!!!!!」

奴が咆哮をあげると彼女を睨み、

ちょっと怯んだかと思うと又直ぐに立ち上がって了った。

そして地面の雪が盛り上がって中から何かが現れた。


雪玉に翼が付いたみたいな見た目をして居て、

如何やって動かして居るかは自分でも見当が付かない。


「……くっそ!」

ヷルトが冷属性の魔法を放つものの如何にも成ら無い。

其奴等はバサバサとコウモリみたいに羽を使って攻撃を避けて居るみたいだった。


そして原理も何処からかも分から無いが冷気を出して居る。

大きさは思った依りも大きい。


「ごめん! リング対処してくれ!」

彼はちょっと手を後ろにやると其う言って又誘導を始めた。


「……此れは……私でも無理だわ……。」

彼女の落胆する声が横から聞こえた。


僕は又ジャンプして魔力灯に攀じ登り、

大剣を大きく振るって近くに居た奴を斬り裂いた。


斬り裂いたと云うより、

叩き潰したと云う方が正しいかも知れない。


流石に奇襲みたいな事をすると対応出来無いのだろうか。

なら其う云う事が得意な僕にとっては相性が良いかも知れない。


他にはざっと見積もって三十個位奴等が浮いて居ただろうか。


先ずは一番近い奴を倒そうと其れを伝って奴を倒して行く。

一個一個、確実に仕留める。


「ヘレ̈メリ̇ㇰ!!!!」

僕は長方形の壁を作って奴の攻撃を避ける。

そして攻撃が止んだのを見て此方から剣を振るった。


けれどするっと避けられて了った。

奇襲的に出来無かったし此れは仕方が無い。


「ヅ̌ェㇻ̇ガヲ̇ゥーラ̈・ナ!!!!!」

だから僕は魔力の刃を一つ飛ばして奴を仕留めた。

中央に刺さり雪玉だった奴はぱらっと其の場に落ちて行った。


ふと彼等を見ると連携して攻撃を与えて居るみたいだった。

……僕、要らないんじゃないか?


其う思う程の連携プレーだった。


いいか、後は数個だけ。

さっさと片付けて楽にして了おう。


僕は彼等を見るのを止めて別の魔力灯へと飛び移った。


「うわっ!!!」

ヒュォォ、と音がする。


多分氷柱を放って来て居るのだろうと勘づいた僕は魔力灯から降りた。

両足をバネみたいに使ってしっかりと着地した。


「おわっ!!!!」

……したつもりだったのだが、

地面に氷柱が有った所為で転んで了った。


けれども僕の身体の上を奴が通って行った。

グォォォ、と低空飛行した飛行機みたいな音がした。


良かった、其の儘着地して居たら奴に直撃して居たかも知れない。


僕は適当に雪を払って誘導を再開する。

ヷルトが腹に傷を付けて奴を引き寄せて居た。


「ヅ̌ェㇻ̇ガヲ̇ゥーラ̈・ナ!!!」

僕は脚に傷を付けた。奴は此方に目線を向けてくるっと方向転換をした。


(よし来た!)


其れを見て彼女が突っ込んで来て。

バチバチと音を立てて奴の首に傷を付けた。


「ヒューテンメリア・ポンテンㇲ!!!!」


「グィアァァァァァァ!!!!」

首にかなり大きな傷が作られたものの、

やはり傷は塞がって了った。


けれどさっきとは違いかなり苦しんで居る様に見えた。


「ガヴゥゥゥゥ…………ギヷァァァ…………。」

奴が空中で静止して僕を四つの目で睨んで来た。


するとどんどん雪みたいなのが降って来て、

辺り一帯が霧に包まれて行く。


段々と視界が見え無く成って来る。


(……何だ? 如何した?

次は何の攻撃をしてくるんだ?)


音に集中して居るとビュウウウウと云う音と共に、

彼等の声が聞こえた。


僕が剣を持ち替え身構えて居ると、

急に視界が暗転して誰かの声が聞こえた。


彼等じゃ無くて、別の誰かだ。


「うわああああああ!!!」

「逃げろって言われたのこれじゃ……!!」

「もっと足を進めろ!! 此奴から離れろ!!!!」

僕の視界が戻って辺りを見回すと何か森みたいな所に居た。

そして人々が蜘蛛の子を散らすみたいに四方八方へと逃げ惑って居た。


(くそ!!!!)

ランヷーズとして最悪な事をして了った。


「グゴグオオオオオオオオオン!!!!!」

奴の叫び声が僕の弱い所に打ち込む様に、

辺り一帯に反響して居た。

今回ちょっと短いんですよね……。

けど此処で切るのが丁度良いかなーと。

中途半端な所で切ると気持ち悪いですしね。

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