第六十二話:対戦モーレス①※
九月二十日、鱗雲之式日本語表記を直しました。
九月二十日、加筆をしました。
奴は僕を睨んでフーフーと息を荒くして居る。
加虐的な顔持ちでそして憎悪に満ち溢れて居る様に見えた。
奴は舌なめずりみたいな行為をすると、
背中から氷柱みたいな物がビュッと生える。
那れって確か……皮膚の下から突き出て居て、
コイツが最後の手段として使う物じゃ無かったっけ。
「マ、マジぃ!!! どど、どすれば良い?」
立ち上がった彼が目をぎょろ付かせおどおどして僕を見る。
「戦闘は?」
すると奴は早速攻撃を僕に放って来た。
氷柱みたいなのが何個も何個も離れられて来る。
僕は右方向に素早く走って奴の攻撃を避ける。
其れは地面に衝撃で音を立ててバリンバリンと割れて行く。
此れが厄介だ。
十分に距離を開けないと其の氷の破片に当たってしまいそうだ。
「む、無理じゃんよ! したこたねぇもん!!!」
頭を大きく横に振って声を張り上げる。
本当に無理なのか身体全体がわなわなして居る様に見えた。
そうか、駄目か。
もし足の速い彼が戦闘に来てくれるのなら力強い仲間に成ったのだけど。
「じゃあ取り敢えず村の人達を避難させて!!!
君の其の脚なら行けるだろうから!!!」
僕は大声で励ます様に言ってみた。
「な、ななななんていやぁ……。」
けれど彼は未だわなわなして居た。
余りの出来事に上手く物事が考えられ無く成って居るのかも知れ無い。
「普通にヅェㇻ̇バが現れたから逃げてで良いから!!!!
早く行って来て!!!!! 後ホルベにも連絡入れて!!!!」
僕は奴が放って来た氷をさっと避けながらも彼に大声で、
出来る限り音に掻き消され無い様にして伝えた。
「あ、あぁ、わ、分かった! うん! 行って来る!!!」
すると彼はくるっと素早く後ろを向いて走る準備をするみたいだった。
……よし、此の様子なら大丈夫だろう。
僕は奴としっかりと対峙する事にした。
前を見るとヷルトがもう戦って居た。
奴は彼の方目掛けて何発も氷柱を飛ばして居る。
僕は彼と同じく戦おうと前へ前へと足を進める。
一応居無いか確認する為に後ろを向いた。
彼はバイブレーションみたいに全身を震わせて其の場に留まってしまって居た。
其んな光景を見て居たからか奴は彼を狙って背中の氷柱を浮き上がらせて攻撃して来る。
僕は咄嗟に走り出して彼を抱き締めると其の儘ゴロゴロと転がって攻撃を躱した。
ガラスが割れたみたいにバリンバリンと激しい音がする。
「……あ、あぁ、ありが……。」
彼は僕に抱き付かれた儘態々感謝を述べようとする。
「いい!! 感謝は後!!! 今は村の人達に言って回って!!」
僕は彼から手を離して立ち上がり剣を抜いて其う言った。
今は其んな状態じゃ無い、感謝なら後で幾らでも出来るだろう。
「うん……!」
彼は立ち上がってぽんぽんと膝小僧を払うとクラウチングスタートみたいな体勢を取って全速力で、バネみたいに走り始めた。
僕は前を向いて悠々と翼をはためかせて居る奴に対して睨み返した。
激しい音を聞いてか、彼から通達されたのか、
村の人達が疎らに外に出て来る。
僕が剣を構えて前を奴を見つめ歯ぎしりをして居ると。
後ろから肩をとんとんと叩かれた。
「ど、如何したの??
な、何で部外者のあんたが戦ってるの?」
僕依りも背の高いチーターの女性が僕に其う言って来た。
「あぁ、えっとね……馬車の休憩に此処に立ち寄ったら急にアイツが現れて……。」
今は時間も無いので適当に簡潔に纏めて言った。
「ふーん、じゃああたしも戦う。」
すると緑色の魔法陣みたいなモノを出し、
其処から両手剣をばっと引き抜いた。
地面に散らばって居る氷が反射する其の剣は何もかもを斬り裂いてしまうのだろうか。
「え?」
僕依り一歩前に出た彼女に対して疑問を投げ掛ける。
「村の外の奴ばっかにも頼ってらんないわ。
何より、私にもプライドってもんが有るの。戦わせて。」
彼女は此方に振り向いて緑色と青色が混じった目を向けて来た。
「大丈夫なの……?」
やっぱり自分はお節介焼きなのだろうか、
彼女を見て余計な一言を言って居た。
「一応此れでもランヷーズ何だからね!
其れこそあんたの方が中々に貧弱そうな見た目してるじゃない!」
と僕の外見を指してかなり強めの口調で言って来る。
其れは正直言って否定出来無い。
人に依っては可愛らしく見える事も有るだろう。
「行くわよ!」
彼女は全屈姿勢でぴゅんと飛び出す。
僕は其れを見て走り出すものの彼女には追い付け無い。
今迄ヷルトは其れに気付いたのか誘う様にして奴を誘導する。
そしてロケットの様に加速した彼女は奴が降りて来るタイミングで勢い良く脚を斬った。
そして、
「ヒューテ̣ㇺメル̈・ヰ̇!!!!」
少し怯んだ所で稲妻を直撃させた。
奴は少し行動を止めた様に見えたけど、
又直ぐに動き出した。
「ありがと!!!! 俺一人だけじゃ上手く傷付けられ無かったんだよ!!!!」
「おぉっとぉ!?」
ヷルトが姿勢を低くして奴の攻撃を躱す。
今度は僕の方を狙って居るみたいだった。
今は魔力灯位の高さを飛んで居る。
(此れは行ける!)
僕は縦に跳んで其れを蹴った。
ガンと云う金属の鈍い音がする。
蹴った事で高さを嵩増しした僕は奴の後ろから剣を振るうが、
其れは掠って傷一つ与える事は出来無かった。
けれど未だ空中には居る。
「ヅェルガウーラ・ナ!!」
大きい魔力の刃が一本、
奴の背中に突き刺さった。
「ギグギィィィィウゥゥゥゥゥ!!!!」
奴は体を空中でぐねぐねさせながら苦しみ悶えて居る様に見えた。
僕は地面へとさっと着地して剣を持ち直した。
けれど、傷は直ぐに塞がって体勢を立て直されて了う。
「ふぅん、あなた中々に奇天烈な技を使うじゃない。」
彼女が興味深そうな顔で頭の後ろに手をやって見て居る。
「オ…………オマエェェェェェェェェェ!!!!!!!」
僕が奴に傷を与えた途端、口を横にギィっと開き、
低い女性の合成音声みたいな、何とも言え無い声を発した。
成る程、魔物って誰でも那んなファルダみたいに流暢に話せる訳では無いのか。
「何!? あんた一体何したのよ!?」
奴は明らかに憤怒して居た。
彼女は煩かったのか耳を両手でペタンとさせて居る。
「分かんないよ!! 僕何もして無いし……!!」
空いて居る片方の手を振って返答に窮する。
「アニ…………ウラミ……ウラミ……ウラミ…………!!!
コロス!!!! コロス!!!! オマエァァァァァァコロスゥゥゥゥゥ!!!!」
奴は那の声で四つの目で睨んで僕に向かって其う言うと
僕達に突っ込んで来た。
僕等はもう一回姿勢をかなり低くして其れを避ける。
……アニ? 兄か?
つまりコイツの兄って事だろうか?
兄と、恨みと、殺す?
兄を殺された恨みでお前を殺すと云う事なのだろうか。
兄、と言われてもコイツと同種……ツァッル̈ㇳ゛・ゴンフ̇ァェドㇻ̇ラは、
正直何度も倒した事が有る。
だからもし、奴の兄を倒して居たら申し訳無いとは思うのだが、
其れは飽く迄個人的な感情に過ぎないのだ。
実際倒さ無かったら周りに被害が出るし僕も危ない。
奴等が街を破壊するのをみすみす見過ごす事だって出来無い。
「……取り敢えず、奴を倒すぞ!」
ヷルトが剣を奴に向けて言った。
最近まーた小説が考えられ無く成ってると云うか、
又此の儘エタりそうな感じがするんですよね……。
良く無い、此れは非常に良く無い。
せめて間隔を空けて投稿してでもエタるのは駄目。
何とかして投稿して行きます。絶対に。




