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第六十五話:学会へ

那れから数日後、

特に此れと云って何か大きな出来事も無く、

思った以上にあっさりと期日を迎えてしまった。


「よし、準備出来た?」

僕は荷物が入ったバッグを一つ掲げて彼に言った。


「あぁ、大丈夫だ。」

彼は小指を突き出して僕に見せて来る。


「んじゃあ行こうか。」

僕等は玄関のドアを開けて村から出ようとする。

と、其の前に。


「あ、ちょっと待って。」

僕は後ろを向いて足を止めた。

ヷルトが何か勘付いた様な顔をして居る。


「マリルちゃんに行って来るって言って来る。」


「お? あぁ。お前大好きだもんな那のガキんちょ。

 分かった。俺は此処で待ってる。」

彼がそうだっただろうと手を首の後ろにやって言った。


「うん、あんがと。」


* * *


僕はと或る家の前にやって来た。

ドンドンドンと扉を叩くと那の憎たらしい顔をして居るマリルちゃんの父親が現れた。


彼は訝しげに僕の顔をじろじろと凝視すると何か不安そうな顔をしてゆっくりと口を開いた。


「……一体なんだ?」

後ろから魔力の炎みたいな出して居る事からやはり敵として認識して居るみたいだった。

何れだけ僕の事が嫌いなんだ。


「ちょっと娘さんに伝えたい事が有りまして……。」

僕は其れに注意しながら小指を突き立てて敵意が無いと伝え様とする。


「えー、あぁ、伝えたい事って?」

其れを見て依り魔力の炎を増大させて居るみたいだった。


「……あの、きょ……。」

(ん?)


彼の家の中からドダドダドダ、と階段から駆け降りる音がする。

彼は其の音に全く気付いて居無い様だった。


「ネコぢゃあああああああああああああああん!!!!!!!!!」

暫く黙って居るとマリルちゃんが嬉しそうな顔をして僕に抱き付いて来た。


「ちょ、お前!!! おい!!!」

彼が足元からするっと抜けて来た彼女を見てかなり驚いて。

僕から彼女を引き剥がそうとする。


「やーだー、折角来てくれたんだからいーいーでーしょー!!!!!」

けれど彼女は僕を掴んで離さ無い。

……ちょっと嬉しい。


「お、お前…………。」

彼は魂を抜かれた様に唖然とした顔を僕と彼女を交互に見て居る。


「……其んなに僕の事が好きなの?」


「うん! だーいすき!!!」

彼女は僕を見上げて顔をニコニコさせて大きく頷いた。


「………………!!」

彼は其の言葉にやられたのか目が死んで居る。


「ははは……。」


「えっと今日はね、ちょっと伝えたい事が有って……。」

僕はちょっと苦笑いみたいな引き攣った様な笑顔を作ると、

笑うのを止め真面目な表情を作って彼女を見た。


「なぁに?」

けれど其の表情に気付いて居無いのかちょっと興奮した様子でわくわくした顔をして居る。


「今日から……学会にいくの。だから一ヶ月間位家に居無いからね。」

僕は彼女と同じ目線に成って、成るべくゆっくり彼女を傷付けない様に言った。


「学会って?」

彼女は途端に暗い顔をして僕に尋ねて来た。


「……まぁ魔導士同士が意見を交換する場みたいな場所だよ。」

僕は如何やって言えば良いか少し考えてゆっくり口を開けた。


「行っちゃうの?」


「うん。」

僕は其の言葉に対し素直に頷いた。


「……やだ。」

明らかに悲しそうな顔をして居る。


「ごめんね。」

けれど分かって欲しい、永遠に別れる訳では無いのだ。

彼女は其れを聞いて不満そうな顔をすると下を向いてぼそぼそと喋った。


「…………うん。うん……。」

もっと駄々を捏ねるのかと思って居たのだが、

彼女は案外あっさりと頷いた。


僕は彼女の頭を優しくわしゃわしゃとすると彼女等に別れの挨拶をしてヷルトの元に戻って行った。


* * *


「あ、ヷルト〜〜〜!!!! 言って来たよ〜〜〜!!」

僕は小走りで彼に向かって手を振って居る。


「あぁ、ちゃんと言ったのか?」


「うん。」

ヷルトが表情は余り変わらせ無いけれど何処か不安そうに聞いて居る。


「んじゃ、行くか。」

僕等は村の門を出て行った





「うわうわうわうわ!!!!!!」

「あぁ……。」

今は馬車に乗って居る。


相も変わらず酷い揺れをして居る。

此方の世界の純粋な文明レベルが那方の世界依り低いから何だろうけれど。




「いや、いやいやいやいや!!!! 

 案外揺れるな!? ちょ、やべーよ!!!! 後何日だっけ!?」

ヷルトは馬車の中に有る取手みたいな物を掴み其の余りの揺れに目を見開いて驚いて居る。


「えぇっと……多分大体……十……二日位?」

両膝の上に手を置きちょっと考えて言った、


「マジかよ!? ちょ待って酔う酔う酔う酔う!!!!!」






「えとヷルト……大丈夫?」



「だいじょぶじゃ無〜〜〜い……。」

馬車から降りてしまった彼は木の元で吐いてしまって居た。

……其んなにか。


もしかして彼は馬車や乗り物等に乗ったのは始めてなのだろうか。


まぁそりゃそうか。

此の世界では普通、乗り物等に乗れるのは裕福な奴か、

都会、其れも中々の都会に住んで居る奴じゃないと乗れ無いだろう。


そもそも、中々の都会に住んで居る奴なんて殆どお金持ちだ何て言われたら其れ迄だが。


其う思うと僕は其れ成りに裕福なのかも知れ無い。

まぁ其の代わり命を投げ打ってるから当然と云えば当然なのだろうか。


「大丈夫かい?」

フォトフルーと云うマズルの無い馬みたいな魔物に乗って居る彼が訊いて来た。

奴はブロロロと息を荒らげながら毛をわさわさとさせ其の場で足踏みをして居た。


「あぁ……ちょっとマシに成った……。」

彼は其う言うと、

水魔法で口を濯いだみたいだった。






「あぁ、今日は取り敢えず何処迄行くんだっけ……?」

彼が窓を開けて未だ体調の悪い顔をして居る。


「えーっとねぇ、確かロンゴウ町迄だっけ?」

僕はちょっと困惑して彼に言った。


多分彼も知って居るのだろうけれど、

喋って居無いともっと体調が悪く成りそうなのだろうか。


「えぇ……まだまだじゃないか……。」

窓に顔を近付けて落胆してしまって居る。


「まぁ此処迄来れば後もうちょっとだよ。」

僕は彼の肩ちょっとぽんと叩いて励ました






「はい、取り敢えず今日は此処迄で。

 明日は此の村の広場に七時に会いましょうね。」

其う言って彼は魔物を引いて何処かへ行ってしまった。


「……宿探すか。」


「そうだね。」





「はい、じゃあ此れ、二階の三号室の鍵。」

僕等は適当に安くて其れなりの宿屋に来て居た。


「はい。」

僕が其れを受け取りちょっと挨拶をして階段を上がって行く。

そして鍵を挿してちょっと軋んだ音のするドアを開けた。


部屋はやや狭くビジネスホテルみたいな広さだった。

しっかりベッドは二つ用意されて居る。


……と云うか、寧ろベッドしか無い。


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜…………。」

彼がベットに転がり込む様にしてバタッと倒れる。


其の日は僕も疲労して居たのか夕食も食べずに寝てしまった。

唐突ですが学会へ行きます。

一応学会に行く事は作中で言って居たのでおかしくは無いと思うのですが……。

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