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第六十三話:謎の塊が何故此処に※

九月八日、本編にミスが有ったので修正しました。

九月二十ニ日、本編にミスが有ったので修正しました。


……普通に日本語使って置けば良かったと本当に思います。

僕等が武器を構えると奴等は其の円陣を作るのを止めて五つ位の塊に成って此方にのそのそ歩き始めた。

いや、歩いたと云うより塊が這いずって居ると云うのが正しいのかも知れない。


「取り敢えずお前は右の奴等を倒してくれ!

 此のふざけた奴をぶっ倒すぞ!!!」


「……分かった!」

彼の力強い言葉に大きく頷く。


僕は前に進み大きく剣を振るう。

しかし何故か僕の腕は重くて上手く振るえ無い居る様な気がする。


……成る程。其う云うタイプか。


ならもうやる事は只一つ。

魔法を妨害する魔法を使って奴等の攻撃を防ぐしか無い。


(魔法は……。)

僕は手にさっきと同じ様に魔力を流す。

掌の上には青っぽい炎が浮かんで居るのが視えた。


もしかしてだが那奴等は円陣を組んで居る最中は魔法を使え無くするのでは無いか?




「あ、多分こいつら魔法効かないよ!!」

大きな魔力の炎を出してる彼に向かって其う言った。


「なんだって!? クソ!! だからか!!! お前でも対処出来無かったの!!!!」

彼は苦虫を潰した様な顔をすると背後に有った猛烈な炎がぱっと消えた。


「後此れ!!!掛けとく!!!」

僕は彼にさっき掛けたのと同じ魔法を掛けて置く。


「お!!! あんがと!! 何か身軽に成った気がするな?」

何も持って居無い方の腕をぶんぶんと回して其う言った。


「今右手に掛けたからちゃんと魔力を流し続けてね!

 じゃないと又身体が重く成ると思うから!」


「おう!」

かなり大きな声で僕が忠告をすると白い歯をしっかりと見せてちょっと頷いた。


「多分此奴等はゲード属性とかで邪魔して来る奴だと思うし……。」

僕は彼を見て言うと奴等に向かって剣を放った。

奴等はまるで見た目に反して粘土みたいにスパッと斬れた。


「げっ!!! 一番厄介な奴じゃないか!!!」

彼は目を見開いて驚き。面倒臭そうな顔をした。


「魔法効か無い上に此奴等は魔法を放ってくんのか……

 だったら此うだ!!!!」

彼は左腕に力を込めるともう一つ半透明の斧を生成した。

彼は二つの斧で奴等をばっさばっさと斬って行く。


此奴等は今は五つの塊に成って居るとは云え、

さっき言った通りやたら数が多い所為で斬っても斬っても数が全く減ら無い。


寧ろ塊を大きく見せる為かどんどん高く成って行ってる気がする。


(如何しよう……。)


幾らヷルトが来たからと言って、

彼に頼ってばっかでは居られ無い。


……さっき魔法が効かないとは言ったが、

もしかして物理攻撃の魔法なら行けるんじゃないか?


現象系では無く、物理的な、もしくは物理的に成りえる物。

其の証拠に彼が魔法で出したであろう斧みたいな奴は攻撃がしっかり通って居る。


なら……魔力は喰うが、と或る方法を試してみようか?


「ヅ̌ェㇻ̇ガヲ̇ゥーラ̈・ナ!!!」

魔力の刃を幾つも出して奴等に攻撃する。

けれど此んなにも其れを出したのに当たっても数十匹だけだった。


(ぐぬぬぬぬ…………。)


だったら那れなら如何だ。

まるで塊からぽんぽんと弾の様に出て来る其れを斬って魔法を放つタイミングを伺う。


奴等は押されて居るのかちょっと後退り弾を撃つスピードが遅く成って居る。


「ズズズズズズ…………。」


僕は後ろを振り返る。


「ヅ̌ェㇻ̇ガヲ̇ゥーラ̈・ナ!!!!!」

僕は後ろの塊に大きな刺みたいな魔力の刃を突き刺し、

其奴等を崩壊させた。


ちょっと頭痛がするが此方の方が効率が良いらしい。

……只馬鹿みたいに使うと絶対に魔力が枯渇するから此処ぞと云う時に使うべきだろう。


僕がちょっと後ろを向くとヷルトもかなり倒せて居るみたいだった。

しかもさっきから魔法を使って居る気配が無い。


腕が鈍ってしまったとか言って居たけれど、

全く鈍って居無いどころかかなり強い剣術の使いじゃないか。


ちらっと見ただけだしそもそもの視力も良く無いから正確な倒した数は分から無いが、

多分二つの塊は半分位、もしくは其れより小さい大きさに成って居るんじゃないかと思う。


僕だってやっと三分の二に出来た位だぞ。


流石に奴等もマズいと思ったのか中央に集まり始めて。

残った個体で何かを形成して居る。


(ちょ……ちょ待って……。)


奴等の魔法の所為か足がピクリとも動か無い。

視界に少し映る勇敢な狐も時間を止めたのかの様に身体が動か無く成って居た。


……一体、何が起きた?


其奴等はまるで大きいゴーレムみたいな形を創ると腕を大きく振るって僕に向けて攻撃を放って来て居る。


(おい!!! おい!!! このっ!!! 動けってんだ!!!)


足に力を込め動かそうとするものの、

やはりピクリともし無い。


(クソが!!! 此処で終わって堪るか!!!)


今僕は奴の動きがとてもゆっくりに見える。


僕は身体に注意を巡らすと何か背中から、足から、手から、お腹から、ぞわぞわっとした物を感じた。

バリバリバリっと変な音も()こえる。


(此奴か!!! 元凶は!!!)


僕は直ぐ感触と音のする其処に僕の魔力を貼り付けて妨害させる。


僕の身体は直ぐ様動く様に成り、

右手に掴んで居た剣で腕を攻撃した。


ドサッと右手だった塊が半分位落ち、

僕はヷルトの元へと急いだ。


さっき迄は視え無かったのにヷルトの周りにも青紫の何かが纏わり付いて居る。

僕は彼の体に触れて魔力で上書きしてベリベリと其れを剥がして行く。


「おらっ!!!!」

僕は奴が残った左手で殴り掛かって来るので右足で其れを蹴り上げた。

勿論其の行為で倒せる訳無い。けれど時間は稼げた。


「お、おう??? 今何が起こったんだ?」

彼は自分の右腕をグーパーしながら状況を確認して居る。


「多分那奴の魔力が体の動作の邪魔をしてたみたい。」


「あ、来るよ! 気を付けて!」

僕は奴を指して言った。

右手は短く成って居るものの復活して居る。


奴は左手を大きく上げて掌を開くと其れは魔法なのだろうか、

其んな物を準備して居るみたいに見えた。


「あれ……何してるんだ……? やばい事してる分かるのだけれど。」

ヷルトが口をあんぐりと開けて居る。


「……多分魔法を放とうとしてる。」


「マジか……じゃあ…………。」

僕も魔法を放とうとして居ると彼は消されてしまった斧をもう一回出して、

奴に近付こうとする。


「……ちょっと待ってね。」

僕は其れを遮った。


さっきから暖めて居た魔法を奴に放った。

奴の腕に青い縄みたいなのが巻き付けられて其れを阻止させた。


奴が其れを切ろうとしてか腕を後ろに引っ張るので僕は縄を引っ張る。

中々に力が強い。


「此れで倒し易くなるでしょ?」

僕は彼に顔を向けた。


「……だな。」

彼は斧をもう一つ出して牙を見せてにやりと笑った。


「メイヤヂ̇スィㇻ̈・フ̇ィ!!」

下から氷柱みたいなのを出すと其れに乗って又氷柱を出して上がって行く。

ひょいひょいと乗って行くと奴の顔みたいな場所と同じ位高い場所に居た。


……滑ら無いのだろうか。


「オラァ!!!!!」

彼は唸り声みたいな其んな声を上げて右腕から壊して行く。

其う成って下に落ちて行く奴も彼は見逃さなかった。


バラバラと真っ二つに切られた奴等が落ちて行くのが見える。


「あぁ!!! 此のっ!!!」

僕は腕を暴れさせる奴の縄を力強く引っ張る。

くそ、僕の腕がもうちょっと強かったら良いのに……!!!


「……ごめん!!!」

彼の方を見て謝ると僕は縄に魔力をかなり込め縄を消して垂直にジャンプする。

先ずは腕を根元から斬り落とした。


ぼとっと落ちた奴等は何故か動いて無かった。


……あれ? 此奴等魔物では無いのか?


魔物の毛皮や皮膚は基本的に魔力伝導率が低い筈。

熱が伝わりにくい物質、みたいに、

物質は魔力が伝わり易い又は伝わり辛いが有るのだ。


もし魔物に外部から魔力が流された時、

生命活動を静止させない為に其れが低い皮膚や毛皮で保護して居るのだ。


何故魔石が脳の代わりをして居るからだ。

魔物の血は魔力が変化した物だと考えられて居る。


飲んだからって魔力が回復する訳でも無いが。


僕は只放った魔法を妨害しようと思っただけなのだけれど、

何か、思っても居無かった事を発見してしまった様に思う。


(取り敢えず、良いか。)

もう二度と動か無い様に下から魔力の大きな刃を出して奴等を切断する。


「ーーーーーッ!!!!!」

強烈な頭痛がする。

マズい、完全に魔力を使い過ぎて居る。

僕の魔法は魔力を沢山使うモノ許りなのが悪いだろう。


(後で術式でも見直して軽量化を図ろう……。)


僕は其の鈍痛に耐えながら前を見上げる。

ヷルトが右手を殆ど崩壊させて居た。


なら、次は左足でも崩壊させてやろう。


額に皺を寄せて奴の足元に近寄り、

剣を振るって崩壊させて行く。


するとヷルトは突然右手を攻撃するのを止めて地面に降りて来た。


僕の右手を掴むと何か生温かい物を体に流し込んで来た。

酷かった頭痛は嘘みたいに消えて行く。


「あ……ありがと。」

僕は彼の顔を口を半開きにして見て居た。


「いーのいーの、戦場では助け合うモンだ。

 其れ依りかさっさと倒そうぜ。」

ヷルトは其う言うと僕の肩をぽんと叩いてにかっと笑顔を作ってみせた。

戦闘シーンは勢いを大切にして居るので破綻は無い様にしてますが、

其れとノリが大半を占めてます。

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