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第二十八話:戦闘ヅェㇻ̇バ※

タイトル、某モンスターゲームの曲に似てませんか?

勿論、偶然なのですが……此の戦闘曲でも作ってみますかね?


八月三十一日、最後の一文を追加しました。

唐突に、大きな水色のドラゴンみたいなのが僕の目の前に現れた。


僕はその光景を見て思わず耳を立てて毛を逆立てる。

もう最近、毛を逆立ててばっかな気がする。


と云うか此奴、他の生物に化けるなんて只物じゃ無い。

しっかり気を引き締めて戦っていなかければ。


「ガルァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

犬の唸り声の様な雄叫びをあげて僕に牽制を掛けて来る。

流石に大声を聞いただけで怯む僕じゃ無い。


雄叫びをあげて居る間に一発攻撃を入れる。


「はぁっ!!!!!!」

飛び上がって其奴の右脚辺りに剣で攻撃を入れる。

大きな傷が出来たと思ったらその傷口は塞がって行く。


(マズい!!!絶対持久戦に成るぞ!!!)


僕は持久戦が圧倒的に苦手だ。

嫌い、とかでは無く、僕の体力的に。


確かに僕は瞬発力も素の攻撃力も有るとは思う。

けれど圧倒的に持久力が無い。


此の体に成ってより長距離走が苦手に成った。

短距離走ならそこそこの記録を出せるのだけど。


だから如何にかして早めに決着を付けなければならない。

其れか、無駄な行動を減らしてチャンスを狙うか。


「うわっ!!!!」

そんな事考える暇も無く、其奴は上から石の塊を落として来る。

其れは僕のサイズより何倍も大きい。


自然と走らざる負えない。


(此奴体力を減らして弱ってから仕留めるつもりか!)


ならもう猛攻撃を仕掛けるしか無い。


「ヅ̌ェㇻ̇ガヲ̇ゥーラ̈・カ̊ン̊カ̊ラ̊ーチャ!!!!」

魔力の刃を何個か出して其奴の気を逸らす。


(ツ̌ァレ̈ェ̇ロ̈・ゲ̊ン̊ク̊ーㇳ゛)

僕の姿が消える。

姿だけでなく、臭いや音も消えて居る。


消える、と表現したものの、

僕の臭いが其処だけ消えて居る訳では無い。


つまりは臭いや音が森と同化して居るのだ。


獣人にすらバレないと思う。

けれどやはりと云うか、長く使って居ると魔力が底を突く。


僕はうろうろして居る其奴の背中に行って、

魔法を解除して大剣を尻尾の根元に振り下ろした。


尻尾がちょん切れて血がドバッと出て居る。


「ギュルアアアアアアアアア!!!!!!」

甲高い声で叫んで居る。

流石の僕も耳を塞ぎたく成る。


僕は素早く距離を取って反撃され無い様にする。


「ゲガガガガガガガ……。」

音声加工で無理矢理引き伸ばしたみたいな

奇妙な声をあげて僕に敵意を向ける。


すると、其奴は又ぐにゃぐにゃと体を変化させる。

二足歩行の生き物みたく成って居るみたいで、

未だ何の種族かは分からない。


ずっと睨み付ける様に見て居るとやっと全容が分かった。

体毛は黒く、目は紅く、そして額辺りには三本の青い線とちびっこい背……。


…………。


(ってコレ僕とほぼ一緒じゃないか!?)


相手は僕の様な姿に変貌した。

尻尾だけは模倣出来なかった様で、

僕よりか短い。


そのすばしっこい速さで僕に向かって来る。

僕は飛び上がって距離を取った。


すると同じ様にぴょんと飛んで、

魔力の刃を持って僕を攻撃して来る。


僕は大剣で其れを受け止め、

流す様にして攻撃を躱す。


次は透明に成って攻撃しようとして居るみたいだ。

僕と同じ手で攻撃しようとする。


けれど、魔力の炎迄は掻き消せて居ない。


僕は予め防御魔法の準備をして置いて、

其奴が迫って来るのを待つ。


……ちょっとキョロキョロするフリでもして置こうか。


炎がこっちに来たタイミングで僕は魔法を放った。


「ヘレ̈メリ̇ㇰ・トベオン。」

目の前に防御壁を作り攻撃を防いだ。

只、知らぬ間に二つに分裂して居た。


(……分身魔法か。)

何方かが魔力で出来た嘘の体で、

何方かが本物の奴だ。


奴等は魔法の刃を剣代わりにして僕を攻撃して来る。


先ずは右に居た奴が僕を攻撃して来た。

けれど僕は其れを剣で受け止める。


次に左の奴も攻撃して来た。


右、左、右、左……。


何度も繰り返して居るうちにどんどん森の狭い所へ追い詰められて来る。


(……マズい!!!)

さっきの優勢の状況から一転、

逆に僕が追い詰められて居る状況に成った。


しかも木の背が低い所を態々選んで居る様で、

僕が逃げられない様にして居るみたいだ。


最悪、転移魔法で家に戻ってしまおうか。

最近魔法陣を地下室に描いたから何時でも戻れる。


けれど、だけれども、ほぼ同じ姿をして居る此奴に負けたく無い。

何か打つ手は無いだろうか。


もう一回姿を消すのは駄目だ。

明かした手だし警戒はされるだろう。


(あ、そうだ。)

良い事を思い付いた。


動作を遅くすれば良いのではないだろうか。

勿論、とんでも無くスローモーションにしてしまうと此の手は効かなく成るだろう。


僕は目が悪い、色も犬獣人に比べたら判別しにくい。

けれど、動体視力すば抜けて良いのだ。


猫科の大きな利点だ。


だからちょっと掛けてやって動作が遅く成るか見てやろう。

魔力で作った偽の体ならこう云う魔法は効かない筈だ。


そして、偽の体は攻撃が出来無い。


すると又右からやって来るので魔法を掛けてみる。


(ツ̌ェㇺベㇺ・ヅィ。)


するとややスローモーションに成ったのが確認出来た。

此奴は遅く成ったから本物だ。


もう偽物は分かって居るが不意を突く為に攻撃しないでやろう。


そして左の奴が攻撃して来た。

僕は其れをガードせずに魔法を放った。


「ヅ̌ェㇽガヲゥーラ̈・ナ!!!」

その先は勿論右の奴だ。

只狙いが外れたのか右手だけが切れて居た。


今の僕の姿はゲームのバグみたいに剣が刺さって居るように見えるだろう。


それにしても、

自分とそっくりの姿が痛々しく成って居る姿は目も当てられない。。


其奴は血が出て居る自分の姿を見て、

回復しようとして居るみたいだ。


でも僕は其れを許さない。


「ヲ̇ギヰ゜・リ̈!!!!」

反転魔法を掛けてやった。


回復魔法は肉体を元に戻す魔法だ。

決して、新しい腕を生やして居るのでは無い。


つまり、其れが反転すると──




バギッと大きな音がし、

其れと同時に変身が解けた。


大きなドラゴンはその場に横たわる様にして亡くなった。


……良かった、倒せた。

さて、後は血抜きして臓器もしっかり処理しよう。


* * *


僕は今、ホルベに来て居る。

ツェㇽバの肉は食べないから全部出し、

鱗は使うから半分だけ貰った。


マン゜ギアも半分くらいは出した。

此奴は肉も美味しいから、僕も食べたい。


収納魔法に入れとけば先ず腐る事は無いだろうから、

彼の身体が完成した暁には贅沢に焼き肉パーティーでもやってやろう。


鳥系魔獣では或るが、鶏肉と云うより牛肉っぽいし丁度良い。


「あ、此れ、報酬金です!

 こっちがオーフィㇲ・ツェㇽバの

 こっちがマン゜ギアのです!」

と彼女はコインのタワーを出して来た。

其の圧倒的な高さに思わず驚く。


「あの、此れは流石に貰い過ぎなんじゃないですか……?」

こんなに貰える筋合いは無い。


僕が拒否すると、彼女はにっこり笑って言った。


「此のツェㇽバ、此処一帯で『主』って呼ばれて居る奴なんです。

 なので感謝の気持ちも込めてちょっと色を付けさせて下さい。」

だそうだ。


……だから那んなに賢くて強かった訳か。


「村の被害も無くなりますからね!」

僕は其れを聞いてちょっと嬉しく成った。


こんな僕を忌み嫌う人ばっかりの村だけど、

人助けをすると良い気持ちに成るな。


此処は其の言葉に甘えて貰って行っても良いかも知れない。

好意は無駄に出来無いって大義名分も或るし。


「……有り難う御座います、じゃあ、

 貰って行きますね、本当に有り難う御座います!!」

上乗せされた分は何か村の為に使える様取って置こう。


僕はちょっと良い気分で帰って行ったのだった。




因みに、報酬は思ったよりは無かった。

うぅ〜〜〜ん、やっぱり戦闘シーン苦手ですね……此れで相手が強いって事が伝わって居るか如何か……。

魔法を考えるのは楽しいんですがね……。

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